『FREEDOM』
〜序章〜

苗場に到着したのが前日の深夜0:30。東京のジメジメとした不快な空気とは違い、少し涼しさを覚えるくらいの軽やかな風が吹いていた。それだけでも、別世界に来たような感覚だった。

木曜日ということもあってか、それほどの渋滞にも巻き込まれず到着することができた。入場ゲート前は車でごった返しになっていることも覚悟していたのだが、かなりスムーズに流れていた。こんな状態で、明日、本当に会場を埋め尽くすだけの人数が集まるのだろうか。そんな不安を覚えるくらいの静けさだった。しかし、夜を徹して、入場してくる車の誘導アナウンスは行われていたことを思うと、パラパラとではあるものの、朝にかけて、徐々に集まってきていたのだろう。

今回、出演アーティストの撮影は禁止ではあったが、会場へのカメラの持ち込みは許可されていた。出演アーティストを撮影することは最初から考えてなかったのだが、会場の雰囲気を撮っておくかどうか、出発の間際まで悩んだ。

結局、カメラをカバンに入れることはなかった。最終的な結論としては、プロ野球の新人入団記者会見でのコメントではないが、「記録」に残すのではなく、「記憶」に残しておくことを選んだのである。もちろん、その時に撮った写真をみて、思い出を振り返るということも悪いことではない。ただ僕は、この祭典で見たもの、聴いたもの、感じたものを、そのままの形で、僕の中に残したいと思ったのである。

しかし、そんなことを言っておきながら、こうしてレポートを書こうとしている自分がいる。セットリストを控えてきている訳ではないので、誰が何を演ったか、詳しく知りたい人のご期待には沿えそうもない。恐らく、そういうことは他の人がやっているであろうし、オフィシャルなページでもやってくれることと思う。だから、そういった要素はその人たちに任せて、僕は僕が感じたままの3日間を、体験したままの3日間を、ここに記したいと思っている。

〜NEXT〜



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