『気合い入れて』

久しぶりに気合い入れて休んだ。ここしばらく、遊びや仕事やで、のんびり休んだ一日というものがなかった。一日家にいた日はあったが、結局それまでの疲れの影響で、ただひたすら眠るというような、惰性に任せた休日でしかなかった。本当なら、今日は会社へタダ働きにいくつもりをしていたのだが、いい加減バカらしく思えてきて、じっくり休むことにした。やらなかった仕事は、月曜日になれば何とかなるだろう。怒られたら、怒られた時のことでしかない。完全に開き直ってしまったら、強いものだ。

前から言っているように、僕には、何もしない休日が必要なのだ。それが、ここ数カ月の多忙な生活のなかで、再認識したこと。単に、結果として何もしなかった休日ではなく、頭から何もしないと決めて、気合い入れてのんびりする休日でなくては駄目だということである。特に、「気合い入れてのんびり」するというのが、一番のポイント。前日の夜あたりから、「よっしゃ!」と意気込んで、眠りにつくのが効果的。そうしたら、案外適度に早い時間に目が覚めて、とっとと用事も済ませて、長い時間のんびりと過ごせる。

こういう日こそ、ちょっと崩れかかっていた自分がよく見える。仕事そのものが忙しいことは苦でないし、会社にいるからには妥協したくないという考えをもっているので、一旦仕事で走り始めたら、なかなか制御が効かなくなってしまうのである。そんな流れのままで休日を迎える。何かと予定が入っていたこともあって、本来ならスローダウンするはずの休日が、ノンストップで、ただの予定の入った二日間として過ぎていった。自爆と言われればそれまでのことである。

ちょっとした事件もあった。それのお陰でかなり動揺もした。誰かにそのことをじっくり話しをする時間すらなかった。結果、僕は自分の手で、自分を追い込んでいくこととなってしまったのである。そのことを、普段の忙しさの中でごまかそうとしてみたが、やっぱり僕は逃げられなかった。気になって仕方がないのに、じっくりそのことに向かい合っている時間がない。こうして、僕はドンドン泥沼にはまっていった。

僕は気を紛らすことが苦手なタイプである。これは何年経っても変わらない。むしろここ数年の間で、よりその傾向が強くなってきた気がしている。だから、今日のような一日はとても大切。オーバーペースは、僕には合わない。

このところ、『TUBUYAKI』に作品を掲載しなかったのも、それらのことが原因の一つとなっていた。いくつか書いてはみたのだが、どれも本当の僕ではなかった。大体、二、三行書けば判るものである。そんなことを繰り返している内に、「書くために書いている自分」に嫌気が差してきた。そして、書くことを拒むようになった。

いい作品が書けなくなったというほど、かっこいいものではない。単に本当の自分ではない姿を露出することに抵抗があったのだ。うわべだけのものであれば、いくらでも書けたのであろうが、僕はそれほど図太い人間ではない。そして、それほど強い人間ではない。

今日、一日休んで、何か気持ちがすごく軽くなった。それほど難しいことを考えていた訳ではない。単に昼間の暑さや、太陽の光や、夕方の風の強さや、心地よさを素直に感じただけの一日である。そんな環境の中で、気合い入れてゴロゴロしつつ、ぼんやりと頭の中を整理していただけである。

やっぱり僕は弱い人間なのだろう。でも、それでいいと思う。そういう自分に気が付いているだけでも、僕は幸せなんだろうと思えるから・・・。



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