『僕にとってのReal』

ここ二週間ほど、どうしても気力が湧いてこなかった。とはいえ、何とか気持ちだけでも維持させないと、何もかもいい加減になってしまうような気がしたので、部分部分で気力を振り絞り、周りに迷惑のかからないようにやってきたつもりだった。

しかし、その歪みのツケは、週末に必ず訪れる。とにかく起きられないし、体も頭も気持ちもついてこない状態。そんな、空っぽのような休日を送っていた。リフレッシュといえば聞こえはいいし、ある意味において当ってはいるのだが、決して「陽」の部分だけではなかった。頭の回転は鈍いどころか、凝り固まっている状態が続く。何かを思い付いたりすることはあったのだが、その後が続かないという、非常にまずい状態に陥った。

1月20日に、僕にとっての大仕事を終えたことは以前にも話しをしたが、どうやら、そこから脳のほうがストライキに入っていたらしい。そこで、一週間、完全に開き直ってみることにした。こういう時に、何とかしようとしても無駄だと判断したからである。そして、自分の生活のリズムを少しだけ変えてみた。ここしばらく進んでいなかった読書をしてみたり、何時間もギターで遊んでみたり、あらゆるスポーツニュースを見て回ったり。そんなことを繰り返している内に、今の自分に足りないものがわかってきた。

一つのことが終わった矢先で、頭の整理がついていなかった訳だが、その後、整理するためのことを何もしていなかったのである。物事には区切りが大切。そんなけじめがつけられず、もがいていたのである。整理といっても、何も全てをまとめあげようとする必要はない。それまでの考え方から一歩離れてみて、何か他のことでもしつつ、外側から、その片付けようとしていることを見つめ直してみればいい。そうすることで、自然と整理はつくものだ。そうして考えた結果、僕に影を落としていたのは、片付けようとしていることが片付かない、という悩みだと判明した。それでは、何も片付く訳がないのである。

自分を見つめ直すこと。今まで散々言ってきたことで、自分ではわかっているつもりだったが、それが全くできていなかった。ただただ前に進もうとしていただけで、立ち止まることを全く考えていなかった。こうなると、ただ休んだだけでは、どうしようもない。スタンスを整えて、自分と対話すること。僕は、一番大切なことを忘れていた。

そうこうしている中で、僕自身が年頭に掲げた3つのキーワードのヒントのようなものが見えてきた。「Natural」、「Neutral」、そして「Real」。それまで漠然と存在していた3つのキーワードが、どことなくつながりを見せたように感じた。このところ、僕は、自分のスタンスを「Neutral」に戻せていなかった。そんな状態では、とても「Natural」にはなれない。そして、その2つのスタンスが守られていない状況では、「Real」な感覚は維持できないという構造である。まだまだ漠然としているものの、そんな関係にあるものなのだろうと思う。

僕が感じ始めている「Real」の正体が何なのか、まだはっきりとはわからない。しかし、その感じ方みたいなものが、何となくわかってきたように思う。きっと、そうは簡単に結論が出るものではないのであろうが、とりあえずその感じ方を大切にしていこうと思っている。それが、次なる章への第一歩。こうして、少しずつ進んでいければいいのだと思う。



〜TUBUYAKI TITLEページへ〜