『脱力感』

寝た。とにかく寝た。
これだけ寝たのは、いつ以来だろう。ボロ雑巾のようにクタクタになるまで働いて、週末は寝ることと、洗濯、掃除といった家事くらいしかやる気にならなかった、3年くらい前以来だろうか。いや、あの時でさえ、ここまで寝たことはない。そういえば、学生の頃、3週間に亘って3つの旅行が重なり、それらが全て終わってようやく家に帰ってきた日に、22時間くらい寝たことがあった。きっとそれ以来だろうと思う。

昨夜は、僕が携わってきた仕事の全体での打ち上げだった。この仕事というのも、僕にとっては、この会社に昨年入社してからの一番大きな仕事で、それがようやく一段落したところだった。一個人としてのレベルにおいては、わかっていることが多かったのだけれども、いざそれがビジネスということとなると全くの素人だった。「こいつはわかっている」という社内的なプレッシャーの中、体力的にはまだまだ大丈夫だったのだが、精神的にかなり疲れた。

周りからはどう見えているのかはわからないが、僕は今回のこの仕事に賭けている。いい加減、自分がやり始めて、最後まで責任をもつ仕事をやっていきたかった。きっと、この仕事もその内にうやむやの中に放り込まれてしまって、僕の手から離れていくことなのだろうが・・・。

そんなこともあって、年末くらいから、自分自身のプライベートな部分のことが、殆ど手着かずになっていた。なんとか、自分の中で優先順位をつけて、こなしてきたつもりだったのだが、さすがにこれだけ時間が経ってしまうと、山盛りになって、溢れだしそうになっていた。本当なら、この週末からでも、少しづつやっていこうと思っていたのだが、何だか、今日は何もする気になれなかった。

昨夜の宴から戻ってきたのが深夜2時。とにかくすぐに床に入った。アルコールは殆ど口にしていなかったが、かなりしんどかった。床に入ってからというもの、すぐに寝入ってしまった。昼過ぎに一度、間違い電話で起こされる。その時、時計を見ているので、起きようかとは思ったのだが、体と頭が拒否している。従って、再び深い眠りに入ることとなる。それから2時間おきくらいに目を覚ましただろうか、18時くらいまで、そんなことを繰り返した。いい加減起きようと思い、とりあえず床から出ることにする。買い物に行く元気もなかったので、食パンで腹ごしらえを済ませる。しかし、食べたはいいが、まだ眠い。体はそろそろ起きてもいい状態になっていたのだが、相変わらず頭が拒否している。
「今まで、散々酷い扱いをしてきたんだから、今日くらい何もさせないで。」
今さら抵抗したところで、こんな時間からできることは限られている。
わかりました。従いましょう。

そして19時、再び床へ。さすがに眠れないだろうと思っていたら、いつの間にか夢を見ていた。どんな夢だったかは覚えていないが、とにかく眠っていた。

次に目を覚ましたのが、23時。これは常識的に言えば、「寝る」時間だ。寝ていることには違いないが、どう考えてもおかしい。そんなことを考えている内に、再び夢の世界へ・・・。そして、0時40分。ようやく、頭の許可が下りたので、床をあげることにする。さぁ、一日の始まりである。

起きてから、約1時間。いろいろと考えているのだが、昨日思っていたこととは違った感情を抱いている。やはり、頭が悲鳴を上げていたのか。それとも、心が悲鳴を上げていたのか。いずれにせよ、僕は自身が気付いていなかった部分で、疲れきっていたのだと思う。

この脱力感って、以前どっかで味わったことがある。きっと、前の会社を辞める決心をした時だろう。かと言って、今の会社を辞めるつもりはないのだが、今日の睡眠のおかげで、今の自分をニュートラルなところから見ることができるような気がする。

明日から、またエンジンかけていかないと駄目だな。さて、明日に備えて、寝ることにするか・・・。



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