『1998』

一年間を振り返ってみる。今さらながら、どうしてこの年末に一年を振り返ってしまうのか不思議に思うことがある。確かに、新しい年を迎える一つの区切りではあるのだが、僕からしてみれば、誕生日までの一年とか、何か大きなことのあった時からの一年の方が重要だ。そんな意味でも、この一年間の途中で一度振り返っているのだから、今さら「こうだった」ということもなかなか出てこない。ましてや、年末近くに引っ越しをして、新しい生活をスタートさせたのだ。年の終わりにして、新しいことが始まった訳で、締めくくるのはちょっと難しい。とはいえ、やはり区切りは区切り。どことなく回想してしまう。

結構この一年間は、自分自身の再構築ができたと思う。まだ、その再構築の結果が、良かったのか、悪かったのかはわからないが、様々な面での再出発があった一年だと思う。こうして僕がWebの中を泳ぐことになろうなんて、一年前では絶対に考えられなかったし、自らのサイトを運営していることも、ありえないはずだった。そう、僕は昨年のある時期、とある理由からインターネットの世界を完全に拒否していたのだ。そこから、抜け出してWebの世界に入っていくことになったのだが、今ではそれが当り前になっている。結果、Webの世界に入ったことによって、それまで気付かなかった、自分の内面を知ることもできたし、「財産」になる出来事も一杯あった。そんな意味でも、自分の壁を破って、よかったと思っている。

そんなスタンスが、その他の面での再構築を加速させた。一人旅もできたし、遊びではあるものの、バンド活動もスタートできた。そうやって、それまでに築き上げてきたものは大切にしながら、新しいものを少しづづ積み重ねていく。今まで、動き出すことにおっくうになっていた僕にとっては、かなり積極的な行動をとるようになったと思う。改めて、新しいものを吸収していくことが、自分自身の活性化につながることを思い知らされた気がする。

今までのものと、新しいものの融合。僕がこの一年の間で繰り返し言ってきたことなのだが、そんな融合活動を積極的な意味で開始した一年だった。新しいものの拒否と受け入れを通じて再構築を繰り返し、「今」を生きる僕が存在しているのだと思う。でも、それは人として生きていく上での当り前のスタンスであって、大げさに考える必要はないのかもしれない。しかし、僕自身、今までできていなかったことを痛感した一年だったように思う。それまでの生き方が、内にこもったものであったという訳ではないのだが、自分を支えていた軸が、「未来」であったり、「過去」であったりしたのだ。そうやって、過ぎていく、二度と戻ってこない時間の中で、下手な言い訳や言い逃ればかりをしてきたのだろうと思う。そんな姿勢を矯正しつつ、今や、本当の意味での自然体になれた気がする。ここまでくるのに時間はかかったが、ようやく「今」という時間をいろんな感情の中で生きることができるようになった思う。きっとこれが、僕にとっての今年一年での「進歩」なのであろう。

来年はこの再構築の結果が少しずつ出始めることだろう。そして、その結果と同時に、また新しいものを吸収しつつ生きていくことになるだろう。そうして、「今」という軸を中心にして、回り続けるのだと思う。



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