『FRIENDS』

場所は愛媛県は松山。大学の時の友達の結婚式に呼ばれた。当然僕だけではなく、その頃の友達も何人か呼ばれている。その結婚式自体も楽しみなのだが、こういう機会にしか集まれなくなった当時の友達との再会にワクワクして行った。

卒業と同時に、当時の友達は全国バラバラになった。もともと出身地がみんなバラバラだったので、こうなることは入学した時からわかっていたのだが、今思うと、よくもあれだけ全国各地の人間が集まったものだ。地元の大学に通っていたにも関わらず、友達の中で地元出身者は僕だけだったのも不思議だ。とにかく彼等とはよく遊んだし、勉強もした。4年間ほとんど同じ顔触れでの毎日を送っていた。卒業旅行でさえ、十数名という大所帯で行った。そんな奴らとの別れが悲しくて、寂しくて、僕は卒業式の時に大泣きした。

2年前の暮れ、12月の30日に、大阪にいる友達の音頭で、京都で忘年会をやることになった。僕は関西にいるメンバーしか来ないだろうと思っていたのだが、全国から集まった。宮城県、福島県、広島県、愛媛県といったところから、この一日のためだけにである。正直いって驚いたし、感動した。
「何なんだ?この力って。」その時、そう思わずにはいられなかった。
その時、10人くらい集まったと思う。当然、すぐそこに正月が近づいていたので、翌日にはみんな元の環境に戻っていったのだが、そのときの別れ際は見事なまでにあっさりしていた。「またね〜」くらいなものだったと思う。ここで別れたら、また何年も会えなくなることはわかっていたのに、この時は悲しくなかった。きっとその時、バラバラになっていても、どこか心の根っこの部分でつながってると確信したからであろう。

あの頃のメンバーと会う時に、いつも不思議に感じることがある。何年も会っていなくても、思い出話とか、近況報告のような話しをあまりしないことである。あったとしても最初の数分間くらいで終わってしまう。会っていない空白の時間を埋めるために、いちいち記憶というテープを巻き戻さなくても、すんなり「今」という時空間に入れてしまうのである。懐かしいという気持ちよりも、あの頃のようなワクワクした気持ちにすぐになれてしまう。時間は流れて、僕たちも歳を重ねているというのに、このメンバーと会う時はいつだってあの頃の気持ちのまま。これって、とても素敵なことだ思う。

もう知り合って8年も経つのに、会うたびに新鮮で、楽しくて・・・。
僕にとって、奴らと出会えたことはとても大切なこと。次に集まれるのはいつになるかはわからないけど、いつまで経ってもこんなワクワクした気持ちでいれると思う。僕の一生の宝物なんだろうな。



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