『今の僕について』

同い年の友達に、二人目の子供が誕生した。他人のことなのに、何だか嬉しくなってしまった僕は、メールで知らせを受けたにも関わらず、自分が家に帰り着いたのをいいことに、電話でお祝いのメッセージを送った。大きく深呼吸でもして、気を落ち着かせてからメールでも打てばいいのであろうが、やっぱり僕は感情のまま動いてしまう人間なのだ。

そういえば、姉の子供が産まれた時、僕は会社から家の留守番電話を聞いて、すぐさま実家に電話をしていた。他の人がいるにも関わらず、大声を出して喜んでいた。姉のことで大騒ぎしているくらいなのだから、身近な友達ともなれば、感情に任せて受話器をとってしまうこともうなずける気がする。

この友達の家に、つい先日、宿泊を挟んで一日半に亘ってお邪魔していた。奥さんが出産で不在なのをいいことに、ついついのんびりしてしまった訳である。そういえば、いろんな絡みで、月に最低2度くらいは話しをする機会はあるけれど、こんなに長い時間、のんびりと話しをしたのは、それこそ大学の頃以来になるのだろう。卒業してから6年が経ち、空白の時間が3年近くあったが、そんなことが全く大したことではないことを改めて感じた。

長い時間の途中、その友達は、結婚して5年になると言っていた。そして、二人目の子供・・・。僕はといえば、相変わらず、である。同い年で、同じ時に社会に出て、この違いである。きっと、実家の親にでも、このことを話しすれば、「ソレ見ろ」とでも言いたそうな顔をするに違いないと思う。

きっと、かつての僕であれば、「そろそろ自分も・・・」などと躍起になっていたに違いない。確かに、そうなるような時を刻んできたし、性格的に結婚していても不思議はない。しかし、今の僕は、そういった流れ、もしくはリズムに乗ってはいない。

今改めて思う。僕は、今まで遅れてきた時間、止めてきた時間を取り戻そうとしているのだと。かつて、自ら決めつけ、自分の手で動きがとれなくしてきた時間を、まさしく今、開放しようとしているのである。一人でいることを望んでいる訳ではない。ただ、自分の中での優先順位が、かつてと違うのだ。その結果として、そこそこギターを弾けるようになり、サッカーに熱を上げることができるようになった。皮肉なことに、こうしてWebの世界に足を踏み入れる結果となってしまっているのではあるが・・・。

結果的に、僕はやっぱり不器用なんだと思う。『広く浅く』ができない、典型的な不器用なのだろう。でも、それが自分の性格に合っているのだから、仕方がない。何も無理をする必要はない。その自分の状態を受け止められることこそが、きっと大切なことなのだから・・・.

そんな状態でも、結構大人になったと、自分でも思う時がある。昔と大して変わっていないようにも感じるのだが、自分の中では、確実に何かが動いているように感じる。そんな意味で、今、結構いい時間を過ごしているということなのだろうと思う。



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