作品タイトル 作者名 出版社
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「フレッドウォード氏のアヒル」 牛島慶子 (角川書店/あすか 全9巻)
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作品ジャンル(管理人の独断で決定)
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ハートフルファンタジー |
あらすじ
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過激な殺人シーンと濃厚なベッドシーンが「売り」のサスペンス小説で大人気の作家エリオド・ナノクこと、ケビン・フレッドウォードは、生活のために自分の書きたくもない小説を書くことに疲れ果てて、のどかな田舎町に引っ越してきます。かといって、それで何が変わる訳でもなく、今までに築き上げた名声や、財産や、全てを失うことを怖れて、傷つき、苦しみながらも、殺人小説を書きつづけていました。 そんなある日、彼のところに新しい家政婦がやって来ます。しかも彼女はなんと「アヒル」だったのです。ローズマリーと名乗った彼女は、人間の言葉を話し、家事全般もお手のもの。そして優しく思いやりのあふれる彼女の言葉に心を動かされたケビンは、ずっと夢に描いていた童話作家への道に進むことを決めるのでした。 |
おすすめポイント
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「アヒル」が人間の言葉を話したり、料理や洗濯をする、なんていうと、荒唐無稽なファンタジーかと思われますが、実は地に足のついたとても現実的な作品です。ローズマリーを「アヒル」ではなく、普通の女性に置き換えても全く違和感がないと思います。といってもローズマリーが「アヒル」だからこそ、この作品は素敵なのですが。彼女がアヒルという「人間」や「動物」といったものを超越した「特別」な存在であるために、彼女の言葉は傷つき人間不信に陥っていたケビンの心を開くのですし、読んでいる私たちも慰め、心を暖めてくれるのです。 そして繊細で美しい絵柄と個性的なキャラクターたちも魅力の一つです。 |
心に残ったこの一言
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「でもあなたが立ち向かって行く限り すべてはうまくいくのです」 ――ローズマリー (2巻P167) |
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「特になし」 |