作品タイトル   作者名   出版社

「死と彼女とぼく」   川口まどか

   (講談社/サスペンスホラー 1〜10 以下続刊)
作品ジャンル(管理人の独断で決定)
 ミステリアスホラー恋愛風味(あるいは時をかけめぐる回想マンガ)
あらすじ
 ごく普通の女の子のように見えるゆかりは、実は霊の姿が見えるのでした。霊たちは、自分を見る事の出来るゆかりに、皆、光を求めるように集まってきます。そのため、ゆかりは邪悪な霊に振りまわされたり、怪我をしたり、命の危険を覚えたりします。
 ゆかりは悩みを分かち合う人もおらず、孤独な毎日を送っていました。そんなゆかりの助けを求める心の声に導かれるようにして、優作がゆかりの学校に転校してくることになります。彼は、いろいろなものの声(植物や、動物など)が聞こえてしまうのです。優作も、他人の心が読めたり、動物たちの声が聞こえたりするので、肉や魚を食べることが出来ず、不幸な毎日を送っていました。ただ、ゆかりと出会えるのを楽しみにしていたのです。 やがて二人は愛し合ってゆくのでした。
おすすめポイント
 タイトルはおどろおどろしいですが、内容はラブストーリーと言っても過言ではありません。優作と出会う前の、ゆかりの苦しみや悲しみはとても切なくなりますし、だからこそ、優作と出会えた幸せも伝わってくるのです。
 そして出会った二人は、やはり霊たちに付きまとわれることになるのですが、幽霊がただ、怖いものだという認識をくつがえしてくれます。霊たちもかつては人間であり、それぞれに悩みや苦しみがあって、死んでしまった理由もさまざま。中には邪悪なものもあり、またやさしいものや、悲しいものたちもいます。涙なしには読めない作品なんです。
心に残ったこの一言
  「時野さん、きみに言っておかなければいけないことがある。
    ぼくはきみの心がきこえるんだ」
 ――松実優作(5巻P5)
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