ミナミヌマエビの増やし方
  • 自然界のミナミヌマエビ

    岡山県およびその近県の河川に生息するミナミヌマエビをみると、6月から7月にかけて多くが抱卵しています。大きさは2cmから3cmくらいのものが多く、その後8月頃は1cmくらいの小型のものが多量に生息し、2cm以上の大型のものはほとんどみられなくなります。これは親エビが産卵後、水温の上昇とともに死んで、新たに生まれた子が成長しているものと思われます。したがって、このエビは6月から7月が世代交代の時期で、寿命はほぼ1年と思われます。


  • 飼育環境 (グッピーなどの、容易に飼育できる環境下で飼育できます)

    pHは6.5から7.5
    硬度は25mg/lから80mg/lくらい(一般的な水道水の硬度でOK)

    CODは3ppm以下
    溶存酸素は4mg/l以上
    水温は適応範囲が広く、短期間であれば1℃から30℃くらいまで生きられますが、生育には20℃〜25℃が適温
    冬から春にかけてに水温をヒーターで20度くらいにすると、1〜2ヶ月後に次々に抱卵(腹に卵を抱える)します
    抱卵直後の卵は黒色ですが、次第に縁は透明で中心付近は茶色っぽくなり、小さな目が見えてきます 抱卵後約2から3週間くらいするとふ化(卵の中から子供が出る)します
    稚エビの体長は約1.5mm
    ふ化直後から稚エビとして自由に泳ぎまわっています エサは、水槽内の水あかなどを食べますが、普通の鑑賞魚用のものでOK
    子を増やすには、40センチ水槽で親エビを10匹くらいにして密度を上げないほうがいいようです
    水草を入れ隠れたり、つかまったりするところを多くしましょう ろ過ポンプの給水口は、市販の目の荒いものを使用すると孵化した稚エビが吸い込まれますが、黒色より白っぽい色のものを使用すると給水口に集まりにくいので、吸い込まれる数が少ないようです
    さらに吸い込みをふせぐには、ろ過吸込口から吸い込まれないようにスポンジフィルターや、自作加工したネットを張ると効果的です
    ネットは洗濯機を使う時、洗濯物を傷めないように入れるチャック付きの袋の素材が入手し易いと思います(100円ショップなどでよく売られている網目が0.5mmくらいのものです)
    網目が詰まったりしてポンプに負担がかからないように大き目の枠にかぶせるなどの工夫が必要です


  • 稚エビの収集方法
    孵化した稚エビは、光による逃避行動があります。
    回りを明るくして、黒い布などを入れるとある程度布につかまってきます。布ごとすくいとるといいです
    ゴミなどと混ざっている場合は、光の透過する白いポリバケツに横から蛍光灯などの光をあてて、かき混ぜた後に黒い布をいれるとつかまってきます

  • 親エビがはいあがる時
    飼育していると、エアポンプのホースやヒーターのコードをつたって上ろうとすることがあります
    エサが不足している時や水質が悪くなった時に多く見られます。エサを与えても食べない場合は水質を確認し、ろ過漕に活性炭の投入や水変えを検討しましょう。また、水変えなどでpH等の水質がが急変した時、水温が高く外気温が低い時ものぼることがあります
  • 親エビの色について

    まわりの色に対して若干の同化作用があります。
    通常のガラス水槽では半透明ですが、光のあたらない黒っぽい壁面の水槽では 大半は黒っぽく、枯れ草などの中では茶色っぽくなります。青色のスケルトンタイプのケースの中で飼育すると、やや青みがかった色になるものもあります


  • 寿命

    通常寿命は約1年ですが、10℃〜12℃くらいの低水温で飼育すると2年間生存するものも多く見られます
    成育過程のエビは急な温度変化にも強く、全滅するようなことはありませんが、 多く死ぬ場合は飼育環境が悪く弱っている場合や、寿命がきています


  • 産卵回数

    抱卵すると卵巣(頭の後ろにある黒い大きなかたまり)が小さくなりますが、孵化後しばらくすると、卵巣が再度大きくなり抱卵、孵化をくり返すものも多くあります。個々により違うようです


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