ミュージカル2003年ルビ吉的ベスト5 ホームページの自己満足も「ついにここまで来たか…!」という気がしないでもない企画ですが(笑)、どうぞお付き合いください。 2003年も初めて見るものから「一体何回見るねん?!」てなものまで、観劇回数は20回を軽く超えてしまうわけですが、その中から「これは素晴らしかった!また見たい!」と 思う作品のベスト5を並べてみました。 この中に、皆さんのベスト・ミュージカルはありますか? 5位『キス・ミー、ケイト』 2002年は東京と名古屋で、そして2003年は1月に福岡、8月に大阪で見ました。ついに全公演地を追っかけてしまったわけですが(←バカ者)、まぁ、それほどに好きです。何がいいってこの作品はコールポーターの音楽。シェイクスピアの『じゃじゃ馬ならし』を劇中劇というからくりで見せるアイデアも好きです。主演の一路真輝が前作の『エリザベート』とは打って代わって、荒くれ者のキャラを演じきったのも印象的でした。 4位『アンデルセン』 2月に名古屋で見ました。これも音楽がいい。フランク・レッサーの心温まる、ほのぼのとさせるメロディーがステキです。あと、モッコリ好きにはたまらないステージでもあります(笑)。バレエタイツのオンパレードですから。また、石丸幹二をずっと拝めるのも魅力です。しかしながら、現在はマルちゃんは『アンデルセン』を卒業しちゃって、別のしょーもない俳優が主演を努めています。石丸アンデルセンを見られる最後の機会が、この名古屋公演だったかもしれません。 3位『イーストウィックの魔女たち』 松井るみさんの舞台装置がさすが。まずそれが印象的。そこに豪華な出演者陣が乗っかると、なんとも華やかな舞台になるのでした。出演者で俺のイチ押しは大浦みずき。イヤミババァになり切っての熱演振りでした。涼風真世、森公美子も好演。一路真輝も良かったんだけど、マ○コ乾きまくりの女の役は合ってないのでは?という疑問も(笑)。そう言えば今年見た『オケピ!』では天海祐希がヤリマン女を演じましたが、どちらもタカラヅカ時代には考えられない設定ですなぁ…(それ以前にふたりとも男役だが)。 まぁ、それはさておき、日比谷の老舗劇場の掉尾を飾るに相応しい華やかなミュージカルであったことは間違いなし。 2位『ミー&マイガール』 ずーっと、今年はこれがナンバー1だと思ってました。俺個人が長年のあいだ上演を待ち続けたというのもありますが、こんなベスト・キャストで上演を実現してくれるとは思ってもみませんでした。唐沢寿明、本当に良かった。木村佳乃も好演。ふたりの普段の活動ではあり得ない、帝劇の「大舞台で動く」ということ、「歌う」「踊る」ということ、 そしてなんと言っても「2000人の客を笑わせる」という芸をナメずに真面目に取り組んだであろう姿勢が俺には伝わりました。2人とも立派でした。 演出面では、一幕最後の「ランベス・ウォーク」でのパレードをちゃんと復活させてくれたり、本来ないはずのジャクリーン(涼風真世)のソロ・パートを加えたりと、まさしく俺好みの仕上がり。「ありがとう」って感じです。 1位『アイーダ』 劇場で体験する喜び…それを最初から最後まで感じさせてくれる作品で、紛れもなく2003年ナンバーワン・ミュージカルです。もちろん上に挙げた作品はどれもそんな喜びを感じさせてくれましたが、『アイーダ』は一箇所たりとも気を抜くところがありません。それだけ緻密に作り込まれているのだと思います。 劇団四季の役者たちも本当に熱演。「ブロードウェイのオリジナル・キャストに比べれば…」と言う人が未だにいますが、今回の日本人メインキャストは、『アイーダ』を楽しむに充分なレベルだったと俺は思います。 さて、すべての面において素晴らしい『アイーダ』ですが、特筆すべきは舞台美術。ディズニー・プロダクションの抱えるクリエイティブ・スタッフの、底知れぬ実力を見せられた思いです。「大人だけに見てほしい」という考えからディズニー作品としは初めてタイトルから「Disney's」という文字を抜いたそうですが、そういうターゲット論から言うと、まさしく大人の感性で味わえる美しさが舞台で展開されています。「古代エジプトをそう表現しますか?」という驚きと感動の連続でした。 《参考》 2003年ワースト・ミュージカル 『グリース』 来日公演で、秋に見ました。ジジィとババァが演じるハイスクール・スチューデンツ。 高校生たちのひと夏のラブ・ロマンスだ初体験だというのに、干しバナナの男たちと 干しアワビの女たちで何が表現出来ましょうか? 空席だらけの客席も寒々しく、まったく「ジャパニーズ・オーディエンスをナメんじゃねぇぞっ!」と。二度と来るなバカヤローなミュージカルも2003年の思い出。ま、たまには こういう作品とも出会うっちゅーことですな。 |