【観劇記part2】
プレビューを見て以来の『マンマ・ミーア!』。ちょうど1年ぶりの観劇となりました。
感想は「面白かった!」の一語に尽きます。1年経って観劇しても色あせることなく、初見のように楽しめるというのは凄くないですか?劇団四季を見ることそのものが4ヵ月ぶり。自分の中では“久しぶり”というレベルの期間なんですが、あらためて劇団四季のアンサンブルの優秀さに見とれてしまいました。やはり“劇団”というスタイルを採っているだけあって、揃えるところは揃える…という作業が劇団外の舞台とは頭ひとつ抜きん出ていると感じました。集団で形を揃える作業って、微妙に北朝鮮あたりのマスゲームとイメージがかぶるんですけどね(笑)。ま、でもバシッと揃う美しさはなかなか見られるものではありません。

今回の観劇での俺の見どころは、やはり役者。プレビューからは大幅にキャストが変わっていました。このレビューでは役者の感想を書いていきましょう。作品は素晴らしいんだけど、今回の役者さんは微妙に辛い…。

【ルビ吉の俳優雑感】
保坂知寿(ドナ)…なんとついに一年間ドナを演じ続けました。定休日を除いて毎日、しかも1日2公演の日もあったりするわけで、その主役を毎日演じ続けるってスゴイことです。日本では初めての記録ではないですか??初見のレビューでも書きましたが、保坂知寿のドナって本当に適役です。いずれ別の役者が演じるのでしょうけど、やりにくいでしょうね。
芝居はもちろんのこと、声も潰さず全然大丈夫でした。多少太い声になったのかな?と思ったりもしましたが、どうでしょうか?
それにしてもここまでやられちゃうと、「保坂知寿はもう見飽きた」と俺も言えませんね。保坂さんの役者魂を感じずにはいられませんから…。
吉沢梨絵(ソフィ)…今回もっとも注目していたのが吉沢梨絵。いい意味で期待を裏切られました。もともとは歌手であり、この『マンマ』のオーディションで入団した異業種転入組のひとりです。何を裏切られたかと言うと、四季のオーディションに合格したというからには、さぞかし美しいソプラノかと思えばまったく違っていたということ。ややハスキー味のある声は、四季では珍しくないですか?特にソロ歌の多いプリンシパルに配役される女優で、この声の持ち主は初めて見た気がします。役者が変わっても歌は同じ味わい…という劇団四季にあって、こういう異色の女優さんが入団したというのは俺は歓迎です。
芝居も自然体で、いい意味で四季っぽくもなく、とても新鮮でした。樋口麻美のソフィが好きになれなかった俺は、吉沢梨絵がベスト・キャストです。
前田美波里(ターニャ)…難しいところ。ターニャがいくら華やかな役どころといっても、ビバさんは華があり過ぎ。ドナ役が保坂知寿だからなんとか持ちこたえてるけど、違う役者がドナにキャスティングされたら間違いなく主役を食いそうな気がします。ビバさんはステキな女優さんなんだけど、ドナ・ターニャ・ロージィのバランスっちゅーものもありますから。そういう意味では森以鶴美さんの方がバランスが取れていて、俺などは安心して見れます。
平野万里(ロージィ)
…期待していたんですけど、ロージィ役は意外にも平野さんの持ち味が微妙に生かされない役どころなんだなぁーと思いました。青山さんの「普通のオバチャン」くさいロージィの方が見ていて楽しいというか、これもターニャ同様に三人のバランスの問題ですかね。
ただ、期待してた平野ロージィではなかったけれど、悪くはなかったです。
鈴木涼太(スカイ)…なぜにコイツがスカイを演じるか?という疑問。怒り。早く退団してくれたらいいのに、と思うくらい嫌いです。決して鈴木さんが下手とかそういうことはありません。彼の台詞回しと顔が、俺の好みとして嫌いなんです。それだけ。
荒川務(サム)…荒川さん、痩せたなぁ。エエ年やとは思うのですが、痩せたのと、もともとの見た目が若いからソフィの父親候補には見えませんでした。