花の紅天狗
作、作詞=中島かずき
演出、作詞=いのうえひでのり
音楽=岡崎司
ルビ吉観劇記録=2003年(大阪)
■右はプログラム。表紙はなんと高橋留美子先生。
なんだか『犬夜叉』の1カットみたいね。 |
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【このミュージカルについて】
広告に「ミュージカル」って書いてあるし、ミュージカル雑誌にも取り上げてるんだけど、これはミュージカルじゃないと思います(笑)。ミュージカル・フレーバーの、そして劇団☆新感線フレーバーの芝居…としておきます。でもミュージカル好きには楽しめる作品なので、「王子の雫」も“ミュージカル”というくくりに入れておきます。←どっちやねん?!
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【物語】
月影花乃丞一座という劇団の物語。座長の花乃丞は心臓の病に侵されており、一座の存続に懸命。座長には死ぬまでにどうしても実現したいことがあった。それは『紅天狗』という当たり狂言の再演。戦後まもない焼け野原で、花乃丞の母が演じ、民衆を失意から救ったというその演目を、どうしてももう一度舞台にかけてみたい。
一座には桜小町カケルというスター女優がいるが、『紅天狗』を演じるにはまだ実力が足りない。そして花乃丞に天性の才能を見出され、蕎麦屋の出前持ちから、今やカケルのライバルとなった女優・赤巻紙茜も『紅天狗』を演じるには何かが足りない。
そんな頃、一座の周辺も賑わしくなってくる。この戯曲を執拗に狙うプロダクションが現れ、また花乃丞に恨みを持つ女・上川端麗子もアメリカから帰国し、『花天狗』の上演を阻止しようとする。花乃丞は果たして、生きて『花天狗』の再演を実現できるのか?!
…というような物語なんですが、あまりにも荒唐無稽な話なので間違って解釈しているかもしれません(笑)。ていうか、ノリで見る舞台なので、そもそもが物語を説明しても意味ないかも。←ならば説明するなよ! |
【観劇記】
この作品の広告を見た時に、高橋由美子や森奈みはるというキャストが気にはなっていた作品なのです。「Goes
To Broadway」「魂のミュージカル」という宣伝文句も、妙にソソられたりして。でも行くか行かざるべきかとダラダラしていて、ついにチケットも取らずじまいでいました。そんな時、ミュージカル友達のヒロくんからお誘いをいただき、ご一緒させていただくことになったのです。しかも良い席。「ああ、ホームページやっててよかった!」と思う瞬間です。ヒロくんにはこの場を借りて、ありがとう!
さてさて、観劇の感想ですが、見終わってどんな感想を言えばいいのか、これが結構難しい!でもまずは「面白かった」「笑えた」と。そうそうたる役者たちが馬鹿馬鹿しいことを体当たりで演じてくれるから、観客も本気で笑える。木野花さんが、月影先生(のパロディー)を演じるなんて…。森奈みはるや高橋由美子がアクションで人を笑わせるだなんて…。劇団☆新感線のメンバーならまだしも、こういう顔ぶれがおバカなことをやってるだけで、一見の価値アリでしょう。
途中で劇中劇の形でミュージカルを演じるシーンがあるのですが、『モーツァルト!』をはじめとするヒット・ミュージカルがパロディーになっていて、その音楽のよく出来ていること!旋律をパクリまくっているんだけど、微妙に外したりしながら別曲として歌われているのです。でも知っている人には元ネタの曲が即効わかる、ってレベルのそっくり度。ホント、うまいなぁ〜。
て、感想はそれくらいかなぁ(笑)。本格的なミュージカルなら、もう少しああだこうだと言いたいところなんだけど、コレ、絶対にミュージカルじゃないし(←しつこい)。作り手もミュージカルと思って作っていないでしょう、たぶん。もちろん楽しめれば、カテゴリーなんて関係ないんですけどね。
余談ですが、『オケピ!』は既成のミュージカルをやや否定した精神のもとに作られてる…って感じたのですが、『花の紅天狗』はやってることは無茶苦茶なんだけど、ミュージカルが好きな人が作った…とそんな印象を受けました。俺の思い過ごしかもしれませんが。
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