11月某日「青空の記憶」 |
記憶を蘇らせるもの…。 例えば音楽。いつかこの「sugar days」にも書きましたが、俺には聞くだけでせつない思い出を呼び覚ます音楽があります。その時のことを思い出したくて、わざとその音楽を聴くこともあります。 例えば香り。昔の男がつけていたコロン。香りなどは思い出そうと思っても何とも思い出せないくせに、何かの拍子でその香りをかいだらあざやかに蘇る情景。俺が以前つき合っていた男はエゴイストをつけていました。今ではあまりつけている人もいませんが、それでも稀につけている人がいるのです。雑踏の中で誰かがつけていたエゴイストの香りを鼻にした途端、頭の中には彼と過ごした楽しい日々が…。足早に行き交う人の波の中で、俺だけ時間が止まってしまいました。 松任谷由実の新しいCD「Wings of Winter, Shades of Summer」を買いました。例によって「なんだかなぁ〜」って出来なのですが、1曲だけ強烈に俺の心を揺さぶる曲があるのです。4曲目に入ってる「ただわけもなく」という曲。これを聞くと、ひとつの景色が広がってきて…。歌詞を何小節もHPに載せるのは違法とのことで、ここでは書けないのですが、キーワードは“青い空”。内容は、きっとお互いが好きなままだったのに別れてしまったカップルの男が、ノスタルジックに心情を描いたストーリー。俺はユーミンの恋愛ものの歌詞とか、恋愛に対する考え、ましてや恋愛の神様と言われるゆえんについては全く興味がありません。ただこの人の風景の描き方はピカイチだと思ってます。音自体は時代遅れになっていっても、人の心を動かす風景というものを歌詞で描ける人はこの人だけではないでしょうか。 ユーミンの話は置いといて。青い空…。この歌を聞いていて夏の青空を、俺は心の中で描いてしまいました。俺は青空に弱いのです。特に夏の青空は。 古い話ですが夏に気になってる男と旅行に行ってて、なんと旅行先でそいつに好きな男がいるという話を聞いてしまいました。しかもいい感じになってる…って。若かった俺は結構強気で「そ、よかったね」と平然としていたんだけれど、本当は泣き出しそうでした。あまりモテたことのない俺は「あり得ない」と知りつつも、でもこの人だけは俺のこと好きなのかも…と勘違いしていたのです。とてもカッコイイ人だったので、俺も夢を見てしまったのですね。だから現実に引き戻された時の痛みと言ったら…。その後の旅行は心ここにあらずで、風景など何も目に入りません。ただ話を聞いた時、その男の肩越しに広がっていた青空だけは強烈に目に焼きついてしまったのです。 青空を見るとその時のことが蘇る、というほどではありません。でもこうして歌を聴いたり何かの拍子で心の中に青空を思い浮かべてしまうと、あのときの痛みが今なお胸を締め付けるのです。思い浮かべる青空は、あの時に見た風景そのもの。もうその男のことなんて忘れちゃったし、痛みも時とともに薄れていくのでしょうけど、あの青空だけはきっといつまでも記憶として残っていくのでしょうね。 音楽で呼び覚まされる記憶も、香りで蘇る記憶も、そしてこの青空も、俺は死ぬまでに何度忘れて何度思い出すのでしょうか…。 ユーミンの歌1曲で、話がえらい大層になってしまいました(笑)。 ![]() |
11月某日「電車ネタPART2」 |
ハイ、8月以来の電車ネタです(笑)。今回は最終電車。 俺が乗ってる終電は、大きい駅を過ぎると車内はガラガラ。いつも通り俺は口と股を全開にして爆睡していました。そしていつも通り、大きい駅で人がワーッと降りる時に目を覚ます。そこからは半分起きて、半分寝ている状態。 と、そこに聞こえてきた言葉。「ちんこ」。声の主はどうやら男子高校生。 「フェラもええけどな、乳首もごっつう気持ちええねんて」 「俺、乳首アカンねん」 「ウソや。オマエどこ感じんねん?」 「あんな、俺、女にケツ舐められたことあんねん。めっちゃ、よかったでぇ」 「マジぃー?!」 「おお。もうな、ちんこピンピンでなぁ、ガマンがタッラーと出て来てきよって」 「(笑)」 「俺、変態ちゃうか?」 …まぁ、こんな会話(たぶん)をしていました。関西ローカルな言い回しが多いので、 念のために正しい日本語訳をつけておきます。 「口内愛撫もよろしいのですが、乳首への愛撫も性的興奮を覚えます」 「私は乳首には性的興奮を覚えません」 「ではあなたはどの部位に性的興奮を覚えますか?」 「私は女性に肛門を舌で愛撫されたことがあります。かなり性的興奮を覚えました」 「本当ですか?」 「本当です。陰茎が最大限に膨張し、カウパー氏腺液が分泌されました」 「(笑)」 「私の性的嗜好は少数派でしょうか?」 …と、こんな訳をつけておけばいずれの都道府県の方にも会話の意味がご理解いただけますでしょうか? それにしても、高校生!油断大敵です。所詮“お子ちゃま”と侮ってました。最終電車、空いた車内、半寝の客…そんなT.P.Oをわきまえた話題選びがまず見事です。そしてムーディーにしてコンテンポラリーな言い回し、テンポのよいやり取りも我々サラリーマンには学ぶべき点が、多数見受けられるというものです。 とはいえ、高校生は高校生。ケツを舐められガマン汁が出たくらいで“変態”とは…ねぇ。そんなことで変態なら、ケツにウデを入れられて悦ぶ大人たちは、何とお呼びすればいいのでしょうか?そしてケツが感じる方の高校生が山ピーに似ていたので、会話を聞いている内にちょっと反応しちゃった俺などは、何と呼ばれるべきでしょうか?(笑) |
11月某日「可愛い手」 |
この寒さはどうでしょう?ちょっと前までは「競パンのモッコリが〜っ!!」「競パン跡のクッキリが〜っ!!」なんて叫んでいたサマー・デイズ(←叫んでるのはオール・シーズンでした!)。しかし!寝るときにはやはり人肌が恋しくて、じゃあ、隣の坊ちゃんに抱きついてみたら「俺、暑がりなんで」と背中を向けられた時に襲ってくるシベリア寒気団もすぐそこまで来ている今は11月。インクジェット紙は売り切れてるくせに街頭で年賀状なんか売るんじゃねーよ!という怒りも露な年末の様相を呈してきた今日この頃、俺は久しぶりにお嬢ちゃんとデートしてきました。坊ちゃんとのデートもままならないので、「コイツついに女に手を出しやがったな!」と思われた方、それは誤解です。先日寺社に参った際、「ホモが治りますよーに☆」と手を合わせたところ、なんと!翌日になってあるお嬢ちゃんからデートの誘いがあったのです。ひぇ〜、効果テキメン!ま、どうせなら豪華イケメンの方がいいのですが(←ダジャレってます)、それは置いといて…。 アンニュイな昼下がり、待ち合わせに指定された場所はあろうことか騒々しい心斎橋のド真中。そしてそのまま「今日は西園寺さんを若者に人気の店に連れて行ってあげるね」と言われ、ここ数年、ナウなヤングたちが集うと言われるトレンディーなエリアへ。俺は流行りモノは好きなんだけど、店関係は「こんなオヤジが入って行って雰囲気壊しても申し訳ないし」って理由で、普段は遠慮してます。でも今日はせっかくのお誘いだし。何軒もある店の中から1軒を選んで入ると、出たよ、出たよ!アジアン・テイスト!偽リゾート!最近はこんな店ばっかりやん。おしゃれと言えばおしゃれなんだけど(←どっちやねん?!)。でも俺も最近は滅多に入らない類の店なので、キョロキョロ観察しまくってたら、お嬢ちゃんに「恥かしい」と怒られちゃって。トホホ。タイ風○○とかインドネシア風××なんかをいただきながら、「皆さん、コレ、本当に美味いと思って食っているのですかい?」と心の中でツッコミ入れる俺。昔はこういう味も好きだったような気もするけど、年と共に味覚の嗜好も変わっちゃって…(泣)。でもお嬢ちゃんが「美味しいでしょ?美味しいでしょ?」って、あまりにも嬉しそうに聞くものだから、「モチロン!こういうの食べたかってん」といじらしいまでに健気な俺なのでした。 この日は芝居を見る事がデートのメーン・ディッシュ。開演まで時間があるようなないような微妙なタイミングに偽リゾートを脱出したので、どうしようかと思ったら、お嬢ちゃんが「ブラブラと歩きながら、店を見て歩きたい」旨。「ウインドー・ショッピングってヤツか。窓は買わへんけどな」って言ったら、「しょーもなぁ。オヤジ丸出しですねー」とまたまた怒られちゃう始末。「何言うてんねん。ここで笑っとかな、他で笑うとこないで」とささやかな抵抗をしてみたら、「顔見たら笑えるから、ここで笑わんでもいいですわ」と…。グッタリ。 さて、芝居の今日の演目はスーパー・エキセントリック・シアター(SET)の「幕末幻妖伝」。俺も「パチンコ・ベイビー」以来5年ぶりくらいのSET。久しぶりの三宅裕司や小倉久寛の芝居に2人で大笑い。あっという間の2時間で、俺などはすっかり腹が減ってしまい…。まだ飯を食ったばかりなのに、「じゃ、軽く飯でも」(笑)。でもお嬢ちゃんが「えっ、飯ですか?!さすがの私も、あと焼肉とラーメンくらいしか入りませんわ」と言うので、「なるほど。じゃあ寿司でも」と寿司屋にレッツ・ゴー(笑)。店に入った途端ユースケ・サンタマリアのカード・ローンのCMを思い出して「コイツ、まさかウニ・トロ攻撃せんやろな…」と、一瞬ギクッ。でもお嬢ちゃんは実にバランスよく食べてくださって(笑)。しかし安心するも束の間、「私ってお寿司屋さんとか余り来たことないんですよぉー。ていうか、こんどふぐとかも連れて行ってくださいねー」。油断大敵です(笑)。因みに「ふぐが好きなん?」と聞いたところ、「好きかどうかよくわからへんけど、ふぐとか食べてたら大人の女って感じ?」…。 なんじゃ、そりゃ?! お嬢ちゃんとのデートは、俺的には振り回されてかなりヘロヘロ。でもひとつ見つけたことが…。お嬢ちゃんが「寒い寒い」と言うので、手を握ってゴシゴシ暖めてあげたのですが、久しぶりに握る女の子の手は本当に小さくて柔らかい。なんだか可愛いなぁ。 |