3月某日「新庄、頑張れ!」
 日曜日。予定がキャンセルになって、一日ゴロゴロ。あー、なんて素敵な一日なんでしょ。ここ最近忙しかったので、何も考えず一日過ごせるなんて夢のようだ。カバチタレとロケットボーイの最終回(ビデオ)を見ました。あとテレビで新庄のスペシャル番組を見ました。新庄、頑張ってるよね。日本の野球もここ最近はなんだかなぁって感じだし、今年はメジャーリーグで萌えましょう。メッツ、開幕まであと10日!おっと、その前にメッツの選手を覚えなきゃ。
3月某日「ザ・面接」
 入社試験の面接官を久しぶりにやりました。一日拘束されると仕事が出来ないのでずっと断ってたんだけど、今年は逃げ切れなくて何年かぶりに引き受けたのです。ま、こういう時に誰もが考えるのが「イケメンチェック」でしょう。自分の担当グループ(面接官は3人で1グループなの)は、午前中は総倒れ。が、午後からはザクザクとイイ男が。いやーん、選びきれない!全員合格ぅー!と、思ったのは事実なんですが、現実はなかなかそうはいかない。人事部から事前に「こういう項目を判断してください」というレクチャーがありまして、彼らがクリアしたのは「あなたの部下として、後輩として、一緒に働きたいと思いましたか?」だけ。キミたちと一緒に働いきたいと、おじさんは本当にそう思ったんだよ。キミたちが会社にいれば、おじさんの会社生活もグーンと楽しくなるからね。でもさ、キミたち頭が悪すぎなの。せっかく一流大学に通ってんなら、もうちょっと勉強しておきなさい!
 30人くらいの学生と会って、結局うちのグループが次の面接に送り出したのは、さわやかだけど特に色気のない男と、どこにでもいそうな女のふたり。人材としは二人とも優秀であろう素材でした。因みに、もうすぐ1000人から5〜6人の学生が選ばれるそうです。
3月某日「ホワイトデー」
 ホワイトデーって、なんだか疲れる。バレンタインに義理チョコをいまだに頂いてるんですが、これが年齢とともに微妙な変化がありまして。20代の頃は安くても取りあえず数をもらう。それが最近はめっきり数が減りましたが、おじさんだからということで女の子も気を使っているのか、もらう品物が高価になってきちょります。まぁ、それはそれで嬉しいのですが、お返しがタイヘン。やっぱりこっちも若くないから、貧乏くさいものは返せないし。見栄もあるし。自分は今年、10人くらいからもらって、義理ホワイトデーのお返しに50,000円以上の出費となってしまいました。不毛な出費だわ…。
3月某日「ゲイ料理」
 夜、リリー邸で夕飯。1、2ヶ月に一度くらいの割で、リリーが夕飯を作って呼んでくれる。到着すると大体八割くらいが出来ていて、「そこに座って待ってて。もうすぐ出来るから」なーんて、おっしゃる。何するでもなく待ってるんだけど、ふと思うのは、結婚してたらこの科白は嫁から聞くのね…って。リリー、あんたすぐにでも嫁になれるよ。
 さてリリーちゃんの料理ってのはだいたいが和食で、器とか、テーブルやランチョンマットなんかも和風にこだわっていて、「あー、ゲイの家で食事をいただいてるわぁ」って感じです。もちろん味もバッチリ。中途半端なモノは例えオイラにでも出したりしません。だってゲイのプライドが許しませんもの。でもこんな書き方しているとイヤミ言ってるみたいね。違うのよ、リリーちゃん。ネタにしているだけよ。ただいただくだけのおれは本当に感謝感謝なのです。
 嫁が料理上手だと男は浮気をしないなんて言うでしょ。ま、それだけ料理のできる女は価値があるってわけか。ならばどなたか、リリーちゃんを嫁にもらってあげてーー!って、リリーの心配している場合じゃないんだけどさ。
3月某日「筒井くんのパンチラに変態モード炸裂!」
 今週は演劇三昧でした。感動したものから、笑ったもの、寝てしまったものまで、感想はそれぞれなんですが、とりあえずイチオシは筒井道隆くん。かわいいーーーーっ!永作博美、アンタ、邪魔!演目は、芝居好きの人ならご存知の『恋愛戯曲』です。芝居自体はもひとつだったんですが、筒井くんがとてもとてもいいの。テニスウエアのショートパンツで客席に向かって体育座りされた時には、おじさん、血眼になってパンチラを見ようとしてしまったわ。そんなことばかりしてたから、ストーリーなんてほとんどわかんなかったじゃない。でもまぁ、いいわ。筒井君のパンツが黒のボクサーってわかったから。毎日同じタイプのパンツかしら?っていう疑問も残るしパンチラを見るコツも掴んだから、明日も来ようかしら、と思ったら、売り切れなのねぇ。あー筒井君に次会えるのはいつなのかしら?
 今週観た他の舞台では『キャッツ』がよかったんだけど、観たかった役者が出ていなかったの。ま、そのあたりの話は「musical of the heart」の方で
3月某日「ちょっぴり胸が苦しい春の夜」
 この季節になるとあちこちで人事異動が多いですね。先日は取引先の超お気に入りの青年(27)が、3月1日付で異動することになりました。彼は普段からどうもこっちの匂いがするヤツで、しかも何かとオレになついていたのです。飲み会でもいつもオレの隣に座ろうとするし、酔っ払ってオレの膝で泣いたこともあるようなヤツです。ただオレはかたくなまでに仕事場ではゲイであることを隠してきているので、直球で告白されない限りどうこうはできません。もちろん告白されたら、ストライクゾーンのヤツだからOKしちゃうんだろうけど…。
 さて、その青年。ハンサムじゃないけど、背が高くてスポーツマンで明るくて人気者。だからいろんな所で送別会の毎日。各社合同での送別会はあったのだけど、ウチの会社とだけの送別会をするほどにはスケジュールに余裕がないみたいで「まぁ、仕方ないね」と思っておりました。それからほどなく彼から電話がかかってきて、「オレの○○部(→部署名)時代の最後の夜は一緒に過ごしてくださいよ」と。もう、舞い上がりましたぁ!「うん、じゃあスケジュール調整してみるから」なーんて余裕かましながらガッツポーズ。でも、そこで思うわけです。「一緒に過ごしてください」というのは、オレと2人という意味なのか、ウチの会社と、という意味なのか…。気の弱い(?)オレは、結局後者をとりました。女の子を3人呼んで、5人での送別会。
 8時から始まった会も、気が付けば1時半。女の子たちが「私達はそろそろ帰ります」。酔っ払ってる青年は「○○さん(オレの名前)は帰っちゃイヤですよ!」。そんなことを言われて、ちょっとドキドキするオレ。しかし彼は30分もしない内につぶれてしまい、仕方なくタクシーで彼を送り届けました。オレの膝で寝息を立てる彼。図体のデカイヤツなんだけど、なんだか無性にそいつが可愛くなってきて、「あ、オレ、こいつのことやっぱり好きかも…」。そいつの家に着くまでオレは彼の頭を撫でていました。
こいつはノンケなのかゲイなのか。こいつにとってオレはただの親切な兄貴?それとも…。いろんな思いが今更ながら頭を駆け巡りました。結局なんの答えもわからないまま、彼の家に着いて、ひとまずのさよならとなりました。
翌日、彼からメールが来ました。「昨日はありがとうございました。そしてご迷惑をかけてすみませんでした。帰りのタクシーの中で、頭を撫でられてちょっとドキドキしてました。仕事では関係なくなるけど、これからも会いたいです。何かあったら絶対に誘ってくださいね」。最後まで思わせぶりなヤツ…。でもやっぱり仕事関係のヤツに告白なんてできないよ。
 メールの返事を書きました。もう会うことはないと思いながら。「昨日はお疲れさん。車の中は熟睡してるのかと思ってた。なんだか恥ずかしいなあ。別に頭を撫でたことに意味はないので。またみんなで遊びに行きましょう。新しい仕事頑張ってください」。
始まってもない恋に終わりを告げて、ちょっぴりセンチメンタルな気分で、オレの3月がスタートしたのです。