富良野塾 スタジオ棟 (富良野市西布礼別)
2000年3月10日〜3月26日 開場18:30 開演19:00 終演20:45
富良野で仕事をしていて、折角富良野にいるのだからと行ってみ見ようと思いまして、
チケットを問い合わせたのですが、この公演人気があるようで、
追加公演となった3月21日の分をなんと確保して行って来ました。
この公演を行う富良野塾は富良野の市街地から車で40分くらい走った山の中にあります。
ほんと、なんにも無い谷に富良野塾はあります。
富良野塾とは脚本家倉本聰さんが開設した、シナリオライターと俳優養成のための私塾で
塾生たちは夏は近隣の農家に出て生活費をかせいだり、その他いろいろな生活雑事をこなしつつ
夜間や冬場に倉本氏の講義を受け、共同生活をしながら学んでいるところです。
この舞台は富良野塾の一期生の苦悩や想いのたけを表現した内容です。
で、それをこのたび卒塾する15期生と16期生、それに塾のOB,OGの方が出演しています。
そこで、パンフに載っている作者、倉本聰さんの言葉を以下に転載します。
作者の言葉 倉本聰
「谷は眠っていた」は、富良野塾にとっていわば原点の芝居である。
17年前この谷は、草ぼうぼうの見捨てられた原野だった。
その谷に塾を興そうと思い立ったとき、僕に如何ほどの未来図があったかと問はれれば、
そんなものなかったと答えるしかない。未来図など僕には興味なかった。
僕にとっての唯一の興味は、それを創造する過程であり、資力もなにもない僕と若者が
智力と汗のみで一体どこまで物を創れるのか、それに挑戦してみたいという、
殆んど無謀に近い情念だった気がする。だからこの舞台に登場する一つの台詞
「20年後この谷は、又荒れ果てて元の原野に戻ってるンじゃないか。(中略)
俺はそれでいいと思ってるンだ」
という石山の言葉はそのまゝ当時の僕の心境だった。
ところが実に信じられないことに、若者たちはこの塾を17年間存続させてしまい、
思ってもみなかった20年後がもう目の前の2000年を迎えた。
「北の国から」が20年続いたことと同時にこれは奇跡としか云いようがない。
今、その通過した若者たちへの、オマージュとしてこの舞台を捧げる。
見てよかった、そして塾生から元気とパワーをもらったような気がします・・・
舞台の中に使われていた邦楽は以下の曲でした。(他にもあるかも・・・)
ファイト! / 中島みゆき
あたし中卒やからね 仕事をもらわれへんのやと書いた
女の子の手紙の文字は とがりながらふるえている
ガキのくせにと頬を打たれ 少年たちの眼が年をとる
悔しさを握りしめすぎた こぶしの中 爪が突き刺さる
私、本当は目撃したんです 昨日電車の駅、階段で
ころがり落ちた子供と つきとばした女の うす笑い
私、驚いてしまって 助けもせず叫びもしなかった
ただ恐くて逃げました 私の敵は 私です
ファイト! 闘う君の唄を
闘わない奴等が笑うだろう
ファイト! 冷たい水の中を
ふるえながらのぼってゆけ
暗い水の流れに打たれながら 魚たちのぼってゆく
光ってるのは傷ついてはがれかけた鱗が揺れるから
いっそ水の流れに身を任せ 流れ落ちてしまえば楽なのにね
やせこけて そんなにやせこけて魚たちのぼってゆく
勝つか負けるかそれはわからない それでもとにかく闘いの
出場通知を抱きしめて あいつは海になりました
ファイト! 闘う君の唄を
闘わない奴等が笑うだろう
ファイト! 冷たい水の中を
ふるえながらのぼってゆけ
薄情もんが田舎の町にあと足で砂ばかけるって言われてさ
出てくならおまえの身内も住めんようにしちゃるって言われてさ
うっかり燃やしたことにしてやっぱり燃やせんかったこの切符
あんたに送るけん持っとってよ 滲んだ文字 東京ゆき
ファイト! 闘う君の唄を
闘わない奴等が笑うだろう
ファイト! 冷たい水の中を
ふるえながらのぼってゆけ
あたし男だったらよかったわ 力ずくで男の思うままに
ならずにすんだかもしれないだけ あたし男に生まれればよかったわ
ああ 小魚たちの群れきらきらと 海の中の国境を越えてゆく
諦めという名の鎖を 身をよじってほどいてゆく
ファイト! 闘う君の唄を
闘わない奴等が笑うだろう
ファイト! 冷たい水の中を
ふるえながらのぼってゆけ
ファイト! 闘う君の唄を
闘わない奴等が笑うだろう
ファイト! 冷たい水の中を
ふるえながらのぼってゆけ
ファイト!
風に立つライオン / さだまさし
突然の手紙には驚いたけど嬉しかった
何より君が僕を怨んでいなかったということが
これから此処で過ごす僕の毎日の大切な
よりどころになります ありがとう ありがとう
ナイロビで迎える三度目の四月が来て今更
千鳥ヶ淵で昔君と見た夜桜が恋しくて
故郷ではなく東京の桜が恋しいということが
自分でもおかしい位です おかしい位です
三年の間あちらこちらを廻り
その感動を君と分けたいと思ったことが沢山ありました
ビクトリア湖の朝焼け 100万羽のフラミンゴが
一斉に翔び発つ時 暗くなる空や
キリマンジャロの白い雪 草原の象のシルエット
何より僕の患者たちの 瞳の美しさ
この偉大な自然の中で病と向かい合えば
神様について ヒトについて 考えるものですね
やはり僕たちの国は残念だけれど何か
大切な処で道を間違えたようですね
去年のクリスマスは国境近くの村で過ごしました
こんな処にもサンタクロースはやって来ます 去年は僕でした
闇の中ではじける彼等の祈りと激しいリズム
南十字星 満天の星 そして天の川
診療所に集まる人々は病気だけれど
少なくとも心は僕より健康なのですよ
僕はやはり来てよかったと思っています
辛くないと言えば嘘になるけど しあわせです
あなたや日本を捨てた訳ではなく
僕は「現在」を生きることに思い上がりたくないのです
空を切り裂いて落下する滝のように
僕はよどみない生命を生きたい
キリマンジャロの白い雪 それを支える紺碧の空
僕は風に向かって立つライオンでありたい
くれぐれも皆さんによろしく伝えて下さい
最后になりましたが あなたの幸福を
心から遠くから いつも祈っています
おめでとう さよなら
乾杯 / 長渕剛
かたい絆に 想いをよせて 語り尽くせぬ 青春の日々
時には傷つき 時には喜び 肩をたたきあった あの日
あれからどれ位 たったのだろう 沈む夕日を いくつ数えたろう
故郷の友は 今でも君の 心の中にいますか
乾杯!今君は人生の 大きな 大きな舞台に立ち
遥か長い道のりを 歩き始めた
君に幸せあれ!
キャンドルライトの 中の二人を 今こうして 目を細めてる
大きな喜びと 少しのさみしさを 涙の言葉で歌いたい
明日の光を 身体にあびて ふり返らずにそのまま行けばよい
風に吹かれても 雨に打たれても 信じた愛に 背を向けるな
乾杯!今君は人生の 大きな 大きな舞台に立ち
遥か長い道のりを 歩き始めた
君に幸せあれ!
乾杯!今君は人生の 大きな 大きな舞台に立ち
遥か長い道のりを 歩き始めた
君に幸せあれ!