別れさせ屋


第二話

 第ニ話 3人の愛人を持つ夫
AM6:30に家を出る。早くてPM11:30に帰宅。
生活費だけを家に入れるだけの夫の
「浮気調査」の依頼が来た。

別れさせ屋は始動直後、張り込み、盗聴などで
ターゲット(愛人)を3人を発見した。
報告を聞いた依頼人(妻)の落胆する姿に、
美郷は「別れさせ屋は血も涙も無い連中なの。
だから必ずご主人とあの3人を切る。
あんな男は許してはいけない。私は奥さんの味方です」と宣言した。
妻は「別メニュー」も併せて依頼。
別メニューとは、「別れさせ工作」であった。


@ターゲット同士を会わせる。

かち合った3人の前で男の本性を出す卑怯な夫。
それぞれの女の涙が沈んだ。

A新しい女を登場させる。
美郷は、
境遇の悪い女(妊婦)だがめいっぱい明るく元気な女になりすまし、
夫に近づく。そして4人目の女になる。


ターゲット達は、其々の殻を破り始めた。
別れさせ屋の、
人の心に潜り込み、寂しさに触れ利用して切るやり方に、
揺れる美郷は、苦しみながら
ターゲットに「別れさせ屋」」の存在をバラしてしまう。
しかし・・・
キレイ事だけでは他人の心は埋められない。
他人の地獄は、他人には解らない。
美郷がバラした事で、ターゲットに鬼が現れ始めた。
鬼とは・・・「殺意」であった。

究極な状況の中、女は男の本性の中の本性を見た。

そして・・・
自分の家でも自由にタバコさえ吸えず、
チリ一つない冷たい家に居る妻を心から愛す夫は、
原因は「子供がいない」事だと解りながら、
一見以前と変わらない生活に戻った。

自分の過去の経験と依頼者とをダブらせる美郷。
彼女の心の傷は深まってしまうのか、癒えていくのか。
別れの隣に、始まりがあった。

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