ロケット・ボーイ

第六話

 第六話 小林、涙の面接試験と流星群
小林は、退院して一週間経った。 
まだ車椅子だがとりあえず、
「平成14年宇宙飛行士募集」の書類を提出した頃、
以前小林が企画した「旅行ツアー」が認められ、本社へ異動になる。
こんなに会社に必要とされたのも始めての経験で、戸惑っていたのだが、
ある日「NASDA」から一通の通知書が届いた。

一方田中君は、
父・兄達の出資するビルへの出店計画を進める仕事に燃え始め、
サラリーマンの楽しさを掴んでいた。
コネは一切使わず自分の力でやり切ろうとしていたのだが、
田中君の企画したイベント直前に、じゃがー君バルーンが割れてしまう!!

あと2時間後には兄がやって来てテープカット・・・だが時間が無い・・
もう失敗だ・・
っと思った頃、君江が小林に助けを求めた。
中に何かを詰めたり、花で形を作ったらいいと提案した小林、
母のマリ子先生に頼むのが一番!と言うのだが、
コネだけは嫌だ!! と言い張る田中君。
「今、一番大事なのはセレモニーの成功だ。
相手がたまたま身内だっただけじゃん」
の小林の言葉で動き出した。

息子を助けに来たのではなく、ビジネスをしに来た!と言うマリ子先生。
花屋をかけ回る鈴木君と光子。
そして・・・
時間ギリギリで、セレモニーは始まり、終了後には、
兄の口から「いいセレモニーだ。」と言葉が出た。
田中君、初の大成功!!! 

ちなみに・・パンジーの花言葉は「純愛」らしい。

小林の「NASDA」からの通知書-----
宇宙飛行士、書類審査に合格!!
「3/18 14:00 一次試験・面接試験」

本社にスカウトされ凄く居心地良く企画を進めていた小林だったが、
だんだん「自分の理想」が遠くなる事に気づき始めていた。
好きなのは、「宇宙飛行士」なのに・・・。
そして、自分の部屋の天井に飾ってあった嘘の星を外した小林は、
企画は頼もしい萩尾君に任せて、「辞表」を提出した!

さぁ!! 胸を張って、自分の本当にやりたい夢、
宇宙飛行士の面接試験に挑むのだが!!

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