| 第ニ話 帰れないふたり |
| 弁護士「原因は夫の浮気である。彼女は犯罪者では無い!」 久利生検事「右被告が殺意を持って被害者を刺したのは明白だ。 よって懲役10年に処するのが的確である。」 正義とは何だ? 検事は悪者なのか? 今日の久利生検事の担当―― 青あざの後が痛々しい少年。 警察の取調べをうけ送検された後、 検事が改めて取り調べ、犯罪の事実があったかどうかを判断する。 あった場合、起訴され、裁判にかけられる事になる。 (黙秘権、弁護人を選任出来る権利がある) 不起訴決定が出れば、即釈放になる。 久利生検事は取り調べを始める。 少年は氏名も言わなかった。 いきなり黙秘権。 何も言わずに久利生検事は動き出した。 雨宮事務官は、勤務後の予定に心が焦り、 久利生検事の行動に不満を感じた。 何故久利生検事は動き出したのか・・・ それは、 「正当防衛の証拠ばかり山ほどあり、 そして黙秘権ばかり続けるのはおかしい」 目撃者に直接会って話が聞きたいからだった。 少年Aの証言―― 「肩がぶつかって口論となり、 いきなりケンスケが10発ぐらい殴られた。 それで、ケンスケが手で振り払った時に、 相手が階段から足をすべらせて落っこちたんだ」 ――――― 久利生検事は、起訴する気でいた。 ――――― 少女Aの証言 「肩がぶつかって口論となって、 いきなりケンスケが10発ぐらい殴られたの。 それで、ケンスケが手で振り払った時に、 相手が階段から足をすべらせて落っこちた」 ―――――― 待ち合わせ時間が押し迫る雨宮事務官は苛立つ。 「どうみても正当防衛なのに何をこだわっているのか」 大物弁護士(サカノウエ)も動き出した。 青あざの少年は、代議士の息子だったのだ。 実は、黙秘権を指示していたのは、 この坂野上弁護士だった。 ―――――― 久利生検事は、 亡くなった男が働いていた「和菓子屋」へ行く。 のんびり和菓子を頂く。 お茶をすすり、見た目より甘くなく美味しい和菓子を食べる。 ゆとりの持てる静かで上品なお店だった。 ――――― 久利生検事が検事になった理由は、 「被害者の味方を出来るのは検事しかいないから」だった。 そして今・・・ @ 指先で細やかな和菓子を作る職人が、 10発も人を殴るわけが無い。 A 証言が全部全く同じ過ぎる。 これを証明できるものを探していた。 彼は亡くなった被害者の代わりに 熱い声を出したいのだ。 ――――― 事件の会った階段へ行く。 空き缶が転がったその先には、屋台があった。 屋台だ。調書には書かれていない事だった! 屋台のオヤジの目撃証言 「口論している声が聞こえ、見てみると、 三人組のうち一人が、ある一人を階段から突き落とした。 その前に突き落とされた人が殴った事はなかった。」 ――――― 事件が発生してから警察に来るまでの間の 空白の2時間にも疑問を感じていた久利生検事は、 「起訴しちゃおうかなと思ってます」と言う。 反対する皆に 雨宮事務官は・・ 「この人は非常識だが、こうやってこだわったから新証言が出てきた。 だから私はこの人を信じます。」 彼女の心の何かが変化しつつあった。 ――――― どんな判決もひっくり返すベテラン弁護士、 さぁ、来週はどんな手を使ってくるのか!? そして久利生検事はどうやって被害者の思いを証明するのか!? 人が一人亡くなっている事件である。 |