第136回ベルモントS
●第136回ベルモントSが6月5日に行われました。
9頭立てとなったこのレース、誰もがスマーティージョーンズの3冠を確信していました。
競馬場に押し寄せた新記録となる12万139人の観衆達も後押しをしていたはず。
単勝オッズ1.35倍とド1番人気となったスマーティージョーンズはスタートから3番手に付ける。
先手を奪ったのはパージであったが、向正面に入ると脚色が怪しくなって、それをロックハードテンが交わす。
その後ろにいたスマーティージョーンズが掛かり気味に先頭に出てしまって、異常な速いペースとなった。
これはマズイ!
最終コーナーで脚が止まったロックハードテン、エディントンらを引き離しゴールを目指すスマーティージョーンズ。
しかし、ただ1頭だけ脚色の違う馬が居た。・・・・そうバードストーンである。
場内は『スマーティー、スマーティー!』の大歓声だったが、間もなく悲鳴に変わっていった。
スマーティージョーンズは前半のオーバーペースが祟って、末脚を残すことができず、バードストーンに1馬身差を付けられて2着に敗れた。

こうして、今年もまた3冠馬は誕生しなかった。
最近10年で6頭目の挑戦となったスマーティージョーンズ。連勝記録も8でストップした。
プリークネスSの勝ち方から見ると、この馬には12Fは長すぎる様な気もする。
父のエルーシヴクオリティーがマイルの世界記録を持っている様に、マイルを中心にした10F位までが守備範囲ではないかと思う。
まあ、敗れたとは言え種牡馬としての価値は下がるはずもなく既に3000万ドルという声も上がっているという。
さて、優勝したバードストーンであるが、この馬は2yo時にG1にも優勝し、エクリプス賞の候補にも挙がっていた。
よってG1ケンタッキーダービーではもしかして一発があるかも!と思っていた馬だった。
ダービーを8着に敗れた後、G1ベルモントS一本に絞って調教されてきた。
頭の良いレース運びで、今回優勝したわけだが、惜しむらくは力勝負で勝って欲しかったと思う。
スマーティーは他の8頭全てからマークされ、1頭ずつ叩き倒し勝利の時を目前にしていた。
それを、かっさらって行ったバードストーンは、誉められたものではないだろう。
これがレースだと言ってしまえば終わりだが、時にはこういうセンチメンタリズムも必要である。

12Fの勝ちタイムは2分27秒4。

BELMONT STAKES 2004

        馬名

オーナー 調教師 騎手
1 BIRDSTONE Mary Lou Whitney Stable Nick Zito Edgar Prado
2 SMARTY JONES Someday Farm John Servis Stewart Elliott
3 ROYAL ASSAULT Tracy Farmer Nick Zito Pat Day
4 EDDINGTON Willmott Stables Mark Hennig Jerry Bailey
5 ROCK HARD TEN Mercedes Stables Jason Orman Alex Solis
6 TAP DANCER Gilbert Campbell Edward Allard Javier Castellano
7 MASTER DAVID Georgica Stable Bobby Frankel Jose Santos
8 CAIMAN Victor Achar Angel Medina Ramon Dominguez
9 PURGE Starlight Stables, Paul Saylor & Johns Martin Todd Pletcher John Velazquez
 
 バードストーン> 牡・3yo 鹿毛 ケンタッキー産
父:グラインドストーン
母:ディアーバーディー(ストームバード)
1つ上の姉バードタウン(父ケープタウン)は2003年度のエクリプス賞最優秀3yo牝馬。
通算成績:7戦4勝
主な勝ち鞍:G1シャンペンS、G1ベルモントS

2004/6/15 UP