第4回JCダート


●単勝1.5倍という、ド1番人気に押されたアドマイヤドンであったが、直線ではそれがプレッシャーとなり最後の最後に4cmの差で2着に敗れた。
この季節には珍しい台風の来襲で、ただ事ではない事が起こる気配はあった。
大雨で、砂が流されて路盤がむき出しになった馬場。
スタート後、レースを引っ張ったのは最内から飛び出したカネツフルーヴとスマートボーイ。
その後ろに、フリートストリートダンサーと船橋のネームヴァリューがつく。
それを見るように王者アドマイヤドン、サイレントディールら有力馬が続く展開。
カネツフルーヴが速い時計で逃げたため、馬群は縦長に伸びる展開となった。
向こう正面でスマートボーイが遅れ始め、3番手にいたフリートストリートダンサーが浮上してきた。
4角で先頭に立った同馬を追撃してきたのはアドマイヤドンのみ。
直線で、追い上げてきたアドマイヤドンが一旦先頭に立ったが、ゴール前で微妙に差されて4cm差でフリートストリートダンサーの優勝。
勝ちタイムは2分9秒2でこれは東京ダート2100mのレコードだった。
尚、勝ち馬は単勝49.3倍で11番人気だった。3着に5馬身離れてハギノハイグレイド(単勝30.6倍)が入線。
3連複馬券は25740円の万馬券!
 しかし、このレースは今後どの様に認識されていくのだろうか?
同じダートという呼称ながら、外国とは全く異なる馬場で行われるこのレースには国際レースとしての価値があるのか?
北米の1流馬であったリドパレスが参戦した第2回などは、クロフネが圧勝したこともあるが日本馬が上位を独占した。
リドパレス自体は、惨敗した。
私は思うのだが、このレースって多分、絶好調時のシガーが来ても勝てないような気がする。
今年のように、砂が流されて路盤がむき出しなら、本来のダートに近くなる。といっても、既にそれは馬場とは言えないわけだから、危険なのだが。
そう言う馬場なら勝つとは思うが、良馬場で行われる限り、北米の馬には絶対に勝てないだろう。
日本独自のレースとして続けていくのは問題ないが、選手権に組み込んで貰おうとするなら、馬場改修を行わない限り受け入れてはくれないだろう。
勝ち馬、フリートストリートダンサーの近走はG1レースに3着している程度で、注目すべき点は殆どなかった。
まあ強いて上げるなら、BCクラシックに勝つ前のプレザントリーパーフェクトに半馬身迫ったことがある!ことかな。
鞍上のJ.コート騎手は44歳。既に2500勝を上げているベテラン騎手だが、これまでG1レースに優勝したことはなかった。
『興奮して、何と言って良いかわからない。最後まで分からなかったが馬がよく頑張ってくれた。』
と大喜び。
管理するD.オニール師も
『魅力的な賞金のレースでしたし、騎手も素晴らしい騎乗をしてくれました。』
とコメント。師は弱冠35歳でカリフォルニアのリーディングという凄い調教師なのだ。
第4回 JCダート
2003/11/29 東京競馬場ダート2100 3yo以上 馬場:不良 16頭立て
着順 着差 馬名 枠番 調教師 馬齢 騎手

1

2分9秒2

Fleetstreet Dancer (USA)

(5)

Doug O´Neill

5

J K Court

2

nse

Admire Don

(6)

H Matsuda

4

K Ando

3

5

Hagino High Grade

(9)

K Matsuda

7

Y Fukunaga

4

1/2

Star King Man (USA)

(7)

Hideyuki Mori

4

V Espinoza

5

3

D S Thunder

(13)

T Fujiwara

4

T Eda

6

nk

Shirokita God Run

(16)

K Nakao

4

Y Shibata

7

3 1/2

Silent Deal

(8)

Y Ikee

3

O Peslier

8

nk

Regent Bluff

(4)

Y Okubo

7

Y Yoshida

9

3 1/2

Outta Here (USA)

(12)

W Currin

3

A Solis

10

nse

Name Value

(10)

M Kawashima

5

M Demuro

11

nse

Kanetsu Fleuve

(1)

S Yamamoto

6

Mikio Matsunaga

12

2 1/2

Utopia

(14)

K Hashiguchi

3

Y Take

13

1/2

Big Wolf

(15)

T Nakao

3

M Ebina

14

1

Nobo True (USA)

(3)

Hideyuki Mori

7

H Goto

15

nse

Grass Eiko O (USA)

(11)

Mitsuhiro Ogata

5

M Katsuura

16

dist

Smart Boy

(2)

K Ito

8

N Ito

 
フリートストリートダンサー> 5yo・セン 黒鹿毛 1998年5月12日生まれ アメリカ産
父:スマートストライク
母:ストリートバレー(ニジンスキー)
通算成績:23戦5勝
主な勝ち鞍:JCダート、G1パシフィッククラシックS2着。
オーナー: L & T Leatherman
生産者: White Fox Farm
調教師: Doug O'Neill

*優勝タイムの2分9秒2は改装後の東京ダート2100mのコースレコードだった。
旧コースのレコードは2001年にクロフネが記録した2分5秒9!
*4回目にして、初の外国調教馬の優勝。
*勝ち馬の馬体重526Kgは2001年のクロフネの520Kgを超える、本レース最高体重優勝馬となった。(笑)
●インタビュー
D.オニール師
『我々のチームは”とにかく前向きに”ということを信条にしているんですが、写真判定の間も、絶対にこっちが勝ったんだ、と堅く信じていました。
1着だと分かったときには天にも昇るような気分でしたね。
このレースに出走するにあたっては、これまで経験したことのない長距離輸送だけが心配でしたが、馬がよくこなしてくれました。
また、鞍上のコート騎手も馬込みに揉まれないように良い位置に付けていましたし、天才的な騎乗をしてくれました。
これは最高の結果です、言葉にできないくらい嬉しいです。ビッグレースを勝ったことで、厩舎の士気がもっと高まるのではないかと思います。』


J.コート騎手
『本当に良く走ってくれました。前に行くのは作戦通りでした。オニール師からもそうしてくれと言われてましたからね。
直線では残り100mでアドマイヤドンに1度は捕まったのですが、そこから見事に差し返してくれました。ドキドキさせられましたよ。
馬場は気にはなりましたが、雨だからこそやれるんだと前向きに考えるようにして、自信を持つようにしました。
でもこの自信は、調教師やオーナーからの励ましやサポートがあったからこそ出てきたんです。
今はジワジワと勝ったんだなと実感が湧いています。きっと今夜は眠れないんじゃないかと思います。』


T.レザーマン氏(オーナー)
『今日の結果はすべてコート騎手のお陰です。我々のチームみんながそうだとは思いますが、言葉には表せないほど感動しています。
これまで大きな所を勝っていませんが、いつかはG1を勝てるだろうと思っていました。
しかしそれがこんな素晴らしい舞台で実現するなんて考えてもいませんでしたね。
この勝利を切っ掛けに来年も良い年になって欲しいと思います。
調教師も言ってますが、来年も是非このレースに出走できたらいいなと思っています。』