The 131st Running Belmont Stakes
〜 レモンドロップキッド、野望を砕く!! 〜
第131回ベルモントSは28年ぶりの大観衆(8万5千人)が見守る中、6月5日ニューヨークのベルモント競馬場で行われました。
アファームド以来の3冠馬は誕生するのか?近くは1997年、3/4馬身差に泣いたシルバーチャーム。昨年ハナ差で惜しくも敗れたリアルクワイエト。今年は夢を賭けて2冠馬カリズマティックが挑戦いたしました。単勝は1.3倍でした。
結果的に、今年もまた3冠馬は誕生する事なく3冠レースは終了しました。
カリズマティックを襲ったのは左前脚の負傷でした。彼は惜しくも3着、勝利したのは単勝30倍の人気薄レモンドロップキッド(Lemon Drop Kid)!
ビジョンアンドヴァース(Vision and Verse)をハナ差押さえ第131代ベルモントS馬に輝きました。
勝ちタイムは2:27:80でした。
一方、負傷したカリズマティックは左前脚種子骨を骨折しており、日曜日(6日)の午前遅くになって競馬場内の医務室に運び込まれました。
診察したセルウェー医師は
「私の使命は彼の球節を完璧に繋ぐことであり、それができれば関節炎を避ける事ができるし健全な状態を保てるだろう。
『ラッキーな馬には幸せな馬生を送らせてあげなくちゃね!!』」
とコメントしました。
彼は土曜日の午後9:30にカリズマティックが安静な状態にある事を告げ、その後、日曜日の未明と朝5時に馬を診察しなくてはならなかった。
また、カリズマティックの調教師であるW.ルーカス師はレース後、次の様にコメントしました。
「我々のできる事は彼を立ち直らせ、生き長らえさせる事だけだ。」
「これがレースだし、この様な事が起きることはいつも覚悟している。しかし、なま易しい事ではない。彼は良く走ったし・・・。不運としか言い様がないね・・・。」
その後、2度目のコメントでは元気を取り戻したらしくジョークを交えたものになりました。
「カリズマティックは非常にピッチリした軽いギプスをしていて調子がよさそうだ。種子骨も自然に直るだろう。腱の状態もとても良さそうだし。
私が思うに・・・当に馬にとってはちょうど良い場所と日だったという事かな!ただ我々の状況だけは良くないがね・・・。
今は気分が悪い!で済んでいるけど、来週になれば(マスコミが騒いで)地獄の様な気分になるだろうね!」
騎手クリス・アントレーはレースを振り返りながら涙を浮かべていた。
「彼はダービーやプリークネス同様、良く走ってくれたよ!この馬からは多くを学びました。」
勝利したレモンドロップキッドは昨年の秋にベルモント競馬場で行われたフューチュリティーS(G1)を勝っており、5月23日のピーターパンSでは不運にも3着に敗れていました。
彼はプリークネスSをパスしてこのレースに臨んだわけです。
殿堂入りしているこの馬の調教師・・・スコティー・シュールホフィー師は1993年のベルモントS馬コロニアルアフェアーも調教していました。
「ダービーの時は、道中ずぅ〜と外を走らされたし、ピーターパンの時には馬場がぬかるんでいたからね・・・。今日は展開も馬場状態も本当にうまく行ってくれたよ!」
とは、スコティーのコメントである。
また、勝利騎手のホセ・サントスは面白いことをコメントしています。
「ピーターパンSを使った事が良かったんじゃないかな。ぬかるんだ馬場を上手く走った事で多くを学んだんだと思うよ!
スコティー(調教師)とも話したんだけど・・・4歳馬にとっては良い経験だったんだろうね!しかも今日それを証明する事ができたし。」
Lemon Drop Kid (牡・4歳)父:キングマンボ、母:チャーミングラシー(シアトルスルー)
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131st Belmont Stakes -- Belmont Park, Elmont, N.Y.
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