アーメッド・サルマン王子逝去!
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今年のG1ケンタッキーD・・・在りし日の王子 |
●突然のニュースだった。
アメリカ競馬界に多大な貢献をしてきたアーメッド・サルマン王子(43才)が7月22日に心臓麻痺で逝去いたしました。
サウジアラビアの王族で、英・米の競馬サークルに大きな影響力を持ち、ザ・サラブレッド社のオーナーであった王子の死は残念でなりません。
王子は、昨年愛馬ポイントギヴンで米2冠を制し、今年は念願のG1ケンタッキーダービーを愛馬ウォーエンブレムで優勝。
続くG1プリークネスSも勝って、3冠制覇に燃えましたが残念ながらそれは達せられませんでした。
まあ、しかし、非常に恵まれたオーナーであったことは確かです。
金は腐るほどあるし、良い馬は好き放題に買える。(笑)
トレードも思い通りだしね。アメリカの生産者達は大いに感謝していたことでしょう。
『とてもショックです。王子が競馬サークルに与えてきたものがとても大きすぎるので、これから先のことを考えると怖いくらいです。』
とコメントしたのはG.スティーヴンス騎手。
(同騎手はポイントギヴンの主戦騎手であり、ここ数年来サルマン王子とは親しい関係であった)
『とてもショックだ!3冠レースをともに戦って見れば分かるが、私達は全く家族の様なものだった。
王子の馬に注がれる情熱は素晴らしいものがあったし、馬と共に生活していたと言ってもよいでしょうね。』
とB.バファート師は言う。
サルマン王子は弱冠22才の1981年に競馬サークルに飛び込んできた。
この年、ヤジド王子との共同所有だったヘイズが2つのグループレースに勝った。
3年後、リアファンでG1ジャック・ル・マロア賞に優勝。初のG1タイトルを戴冠した。
その後、自国の出版とメディアの事業に片を付けて主戦場をアメリカに移し、ジュエルプリンセスとアニーズでBCにも勝った。
そして、王子の集大成がポイントギヴンだったのだ!
英国内で活躍した馬にはロイヤルアンセムやドクターフォングやオースがいる。
『私はこの馬を敬愛している。好きというのを超えた存在なのだ。オースは確かに私に英ダービーの栄誉を与えてくれたが、1番好きなのはロイヤルアンセムなのだ。彼は家族の一員だからね。』
これは、オースが英ダービーを勝ったときのサルマン王子のコメントである。
確かに、馬好きには違いがない。
元々の大金持ちは、金よりも栄誉・情熱を重んじるものだ。
クールモアーグループにもそう言うところが欲しいものである。
王子の冥福を祈ろう!
2002/7/24