Hong Kong Jockey Club Lavishes Top Purses For 2001-2002

●香港ジョッキークラブは競馬産業において世界のリーダーとなるべく、2001〜2002年シーズンの大幅なレース賞金額のアップを表明しました。

約3800万香港ドル(US490万ドル)相当の基金・・・総賞金額の6億3800万香港ドルの6.3パーセント・・・がレース運営や馬の売買などの為に用意される事になります。

国際グループレース

併せて香港で行われる国際レースの賞金額も増額されます。
香港国際レースの価値を高め、ターフワールドチャンピオンシップに香港国際レース(以下HKIR)を組み込むことを目指しています。
12月16日に行われる4つの国際レースについては総額5400万香港ドル(US690万ドル)へのアップが予定されています。
今や、香港国際レースは世界における国際開催の地位を固めつつあるのです。

香港国際レースの賞金増額

1.Hong Kong Cup
エミレーツ・ワールド・シリーズの最終戦にあたるG1香港Cは29%の増加率で総額1800万香港ドル(US230万ドル)になります。
これにより、世界でも有数の高額レースとなります。
昨年度の優勝馬ファンタスティックライトはこのレースでワールドチャンピオンを決定させました。
この増額は、今や香港Cが最も重要な芝2000mのレースである事を意味しています。
芝のレースに限れば、ジャパンCについで2番目の高額賞金レースとなります。
エミレーツ・ワールド・シリーズ全12戦の総賞金額比較
レース名 馬場 距離 総賞金額(USドル換算)
Dubai World Cup Dirt 2000 US$6.0 million
Japan Cup Turf 2400 US$4.3 million
Breeders' Cup Classic Dirt 2000 US$4.0 million
Hong Kong Cup Turf 2000 US$2.3 million
Breeders' Cup Turf Turf 2400 US$2.0 million
Prix de l'Arc de Triomphe - Lucien Barriere Turf 2400 US$1.75 million
King George VI and Queen Elizabeth Diamond Stakes Turf 2400 US$1.3 million
W S Cox Plate Turf 2000 US$1.2 million
Arlington Million Turf 2000 US$1.0 million
Canadian International Turf 2400 US$1.0 million
Irish Champion Stakes Turf 2000 US$1.0 million
Grosser Preis von Baden Turf 2400 US$1.0 million
   
2.Hong Kong Mile
G1香港マイルは世界でも有数の高額賞金レースです。
40%もの賞金増額によって総額1400万香港ドル(US180万ドル)になります。
昨年度は2頭のチャンピオンマイラーが出走を果たしました。(サンラインとフェアリーキングプローン)    
賞金額から見た主な芝1600m(1マイル)で行われる国際G1レース
レース名 開催国 総額賞金(USドル換算)
Hong Kong Mile HK US $1.8 million
Yasuda Kinen JPN US$1.7 million
Breeders' Cup Mile USA US$1 million
Queen Elizabeth II Stakes GB US$0.4 million
**OTEF注**
安田記念は国際G1レースではないが、価値的にはそういう扱いになっています。
   
   
3.Hong Kong Vase
香港マイルと同様、昨年度は6頭のG1馬達が出走を果たしました。
重要な国際芝2400mのレースと呼べるでしょう。   
主要国際芝2400mのレース賞金額
レース名 開催国 総賞金額(USドル換算)
Japan Cup JPN US$4.3 million
Breeders' Cup Turf USA US$2.0 million
Dubai Sheema Classic UAE US$2.0 million
Hong Kong Vase HK US$1.8 million
Prix de l'Arc de Triomphe - Lucien Barriere FR US$1.75 million
King George VI and Queen Elizabeth Diamond Stakes GB US$1.3 million
Canadian International CAN US$1.0 million
Grosser Preis von Baden GER US$1.0 million
   
   
4.Hong Kong Sprint
香港スプリントは1000mの芝で行われるレースとしては最も高額なレースになりました。
総賞金額は800万香港ドル(US102万ドル)となります。
これは昨年度から33パーセントの増加となります。
これにより国際G2レースに格上げされました。    
高額賞金国際レース(芝1000m)
レース名 開催国 総額賞金(USドル換算)
Hong Kong Sprint HK US$1.02 million
Nunthorpe Stakes UK US$0.3 million
Abbaye de Longchamp FR US$0.1 million
●この賞金増額はHKIRをターフワールドチャンピオンシップの1つに組み込む事に寄与し、香港所属馬がこれらのレースで賞金を得た場合はそれの50%分をボーナスとして受け取る事ができます。
これによって香港のオーナー達が馬の購入に魅力を感じることでしょう。

***OTEF注***
これは、日本における内国産馬奨励賞や海外主要レースにおけるボーナス賞金と同じようなものである。
欧州のレース賞金がもっと上がれば、そんな事をしなくても多くの馬が参戦すると思う。
また、高額レースも増えている現在、50%のボーナスは大きな魅力だ!
ドゥバイWCやBCに勝てば、恐ろしいくらいのボーナスがもらえる事でしょう。
●先日行われたクイーンエリザベス2世Cも来年度は大きく変わります。  

Audemars Piguet QE II Cup
来年度の賞金総額は1000万香港ドルから1400万香港ドル(US180万ドル)に増額されます。
これはその日に行われる他の国際レースにも均等配分されます。
よって、この開催に優勝した馬には100万香港ドルのボーナスがもらえる事になります。

シンガポール国際開催やドゥバイ開催やQEII開催はトップクラスの国際競馬サーキットを成しています。
これにより、世界のトップホースがアジアにおける高額賞金レースに出走できる機会を得ているのです。
***OTEF注***
悲しいかな、我が国日本ではいまだに鎖国状態なので、香港のように自由に参加する事はできない。
生産国・調教国による馬の差別化を早急に止めて、国際競馬の1員としての地位を得なければならない。
この分では、香港の方が先にグループA国として認められるでしょう。
同時期に行われる国際グループレースの賞金額
レース名 開催国 賞金総額(USドル換算)
Dubai Duty Free UAE US$2.0 million
Dubai Sheema Classic UAE US$2.0 million
Audemars Piguet QEII Cup HK US$1.8 million
Singapore Airlines International Cup SIN US$1.8 million
主要国際G1レース賞金(芝2000m)
レース名 開催国 総額賞金(USドル換算)
Hong Kong Cup HK US$2.3 million
Audemars Piguet Queen Elizabeth II Cup HK US$1.8 million
Kinko Sho JPN US$1.2 million
W S Cox Plate AUS US$1.0 million
Arlington Million USA US$1.0 million
Champion Stakes GB US$0.6 million
***OTEF注***
金鯱賞は国際G1ではありません。香港の認識ではG1らしいので、香港馬の出走が増えるかもしれない。

香港グループレースについて

1.香港クラシック
香港には2つのクラシックレースがあります。
他の多くの国は3yo馬によるクラシック競走が盛んであるが、香港では4yo馬達が対象となります。
香港ダービー香港クラシックマイルである。両レースともに賞金が増額されます。
香港ダービーは40%の増額で1400万香港ドル。
USドル換算で180万ドルとなり、世界でも有数の高額なダービーレースとなります。
香港クラシックマイルは78%の増額!
450万香港ドルから800万香港ドルに増額されます。
クラシック競走としての価値は増大し、4yoのマイラーにとっては大きなターゲットとなるでしょう。

2.3冠レース
高賞金によって香港3冠レースは重要なイベントとなるでしょう。
3冠レースは・・・
The Stewards' Cup
the Hong Kong Gold Cup
The ING Hong Kong Champions & Chater Cup
の3レース。
賞金額はそれぞれ800万香港ドル(US102万ドル)となり、今シーズンの額600万香港ドルから増額されます。
3冠ボーナスとして3冠全部を制した場合、1800万香港ドル(US230万ドル)が与えられます。
2冠馬の場合200万香港ドルが与えられます。   
*     *     *
香港競馬競走賞金額(香港ドル)
G1レース
Hong Kong Cup 1800万ドル
Hong Kong Derby 1400万ドル
Hong Kong Mile 1400万ドル
Hong Kong Vase 1400万ドル
Audemars Piguet QE II Cup 1400万ドル
ING Hong Kong Champions & Chater Cup 800万ドル
Hong Kong Gold Cup 800万ドル
Hong Kong Sprint 800万ドル
Stewards' Cup 800万ドル
Hong Kong Classic Mile 800万ドル
Bauhinia Sprint Trophy 450万ドル
Centenary Sprint Cup 450万ドル
Chairman's Sprint Prize 450万ドル
Champion's Mile 450万ドル
G2レース
Queen Mother's Cup 300万ドル
Sha Tin Vase 300万ドル
Queen's Silver Jubilee Cup 300万ドル
Chairman's Trophy 300万ドル
G3レース
Centenary Vase 230万ドル
Chinese Club Challenge Cup 230万ドル
Happy Valley Trophy 230万ドル
Juvenile Sprint Trophy 230万ドル
Sha Tin Futurity Trophy 230万ドル
Sha Tin Trophy 230万ドル

2001-2002年シーズンG1レース日程表
レース名 レース格香港内 距離
2001      
12月12日 Hong Kong International Races
Hong Kong Cup (国際G1)
Hong Kong Mile (国際G1)
Hong Kong Vase (国際G1)
Hong Kong Sprint (国際G2)
G1
G1
G1
G1
2000
1600
2400
1000
2002      
1月20日 Stewards' Cup #(#印は3冠レース) G1 1600
2月14日 Chinese New Year Meeting
Hong Kong Classic Mile
Bauhinia Sprint Trophy @(@印はスプリント3冠レース)
G1
G1
1600
1000
2月24日 Hong Kong Gold Cup # G1 2000
3月17日 Hong Kong Derby
Centenary Sprint Cup @
G1
G1
2000
1000
4月21日 Audemars Piguet QEII Cup (国際 G1)
Chairman's Sprint Prize @
G1
G1
2000
1200
5月19日 ING Hong Kong Champions & Chater Cup #
Champions Mile
G1
G1
2400
1600

●香港競馬界の並々ならぬ国際競馬への参加意欲には感心させられます。
良い競馬番組を作るには、参加する馬のレベルをあげなければならない!
良い馬を集めるにはレースの価値を上げなければならない!上げるには賞金をアップすることが大事だ!
開催が成功すれば、多くの競馬ファンが参加してくれる。そして、莫大な馬券売上金を得る事ができる。
その売り上げの何%かを馬主達にレースボーナスとして還元する!
気をよくした馬主達は多くの馬を買い、レースに参加させる。
というような相乗効果が必ず生まれる。
ファンへの還元は、高配当を生む数々の馬券種類でケアーをする。

お隣の香港ではこれほど上手くいく流れが日本では上手くいかない。
これは、日本には生産者という香港にはないファクターが含まれるからである。
バブルの遺産を引きずっている日本の生産者達は今や虫の息である。
むやみにレースを解放してしまうと、国産馬は外国馬に駆逐され日本の生産は大ピンチになる。という非常に自己中心的な考えを主張している。
弱い馬しか作れない生産者は淘汰されるべきであり、バブルの時に甘い汁を吸っていた彼らにその様な事を主張する権利はない!
仮に、日本の生産者が社台グループなどの大手生産者だけになったとしても、競馬ファンとしては一向にかまわない。
彼ら大グループはそれだけ努力をしているからである。
たゆまぬ努力こそが報われるのである!
JRAも過保護政策をやめて、シビアに対応すべき時が来た。
このままでは、世界は香港のレースに進んで行くであろう。

2001年現在、日本における国際G1レースはジャパンCただ1つだけである。