第6回インターナショナル・ジョッキーズ・チャンピオンシップ・レース開催

●今年で6回目を迎えた同シリーズは12月10日に香港のハッピーヴァレー競馬場で行われました。
世界中から12人のスーパージョッキーが王座を競ったわけですが、総合優勝したのはオーストラリア代表のD.オリヴァー騎手。
6回目にして初めて、南半球の騎手がチャンピオンとなりました。
と言っても、毎年言うようだけど、たったの3レースしかないんですよね・・・。
しかも、先週末に日本でワールドスーパージョッキーシリーズが2日間に渡って行われていて、我々日本人にとってはこのシリーズはピンとこない。
しかし、集結している12人の世界を代表する騎手達の面子は凄いぞ。今年やってきたのは以下の12人。
騎手名 代表国
1 Olivier Peslier France
2 Frankie Dettori United Arab Emirates
3 Shane Dye New Zealand
4 Kieren Fallon Great Britain
5 Mick Kinane Ireland
6 Damien Oliver Australia
7 Christophe Soumillon France
8 Andrasch Starke Germany
9 Yutaka Take Japan
10 Douglas Whyte Hong Kong
11 Victor Espinoza United States
12 Howard Cheng Hong Kong
週末の香港Cウィークに騎乗予定の騎手がついでに参加していると言うこともあるのだが、オフシーズン中の欧州からは1流ジョッキー達が集結した。
まず、ルールだが、選手権は3レースの成績で競われました。
今年用意されたのは、芝1650mのハンデ戦が2つと芝1800mのハンデ戦。
そして、上位入賞者の5人までにポイントが与えられます。
1着・・・12ポイント
2着・・・6ポイント
3着・・・4ポイント
4着・・・3ポイント
5着・・・2ポイント
ハンデ戦だけってちゅーのは疑問符が付くところだ。斤量差が10ポンド以上あるケースもあり、その辺はハンディキャッパー達の腕の見せ所でもあるのだろう。
昨年は、第1レースで武騎手がいきなり優勝してしまい、これは!!と思わせたが残り2レースをノーポイントで終えて総合3位止まりだった。
結局、地元香港のD.ホワイト騎手が4位-3位-優勝という尻上がりの成績でチャンピオンシップを勝ち取った。
そういう知識を入れつつ、今年の様子をふりかえってみたいと思う。
●第1レース・・・芝1650m(ハンデ戦)
良馬場で行われたこのレース、ハンデ頭は133ポンドを積まれたV.エスピノーザ鞍上のフライングケニー。
最軽量馬は118ポンドのD.ホワイト鞍上のドラゴンウィン。日本代表の武騎手は2番目に重い131ポンドを背負わされたティラミスに騎乗。
ポンっとスタートしたティラミスは一旦先頭に立つが、直ぐに3番手に下げて折り合いがついている。
そして先頭に立つのはドラゴンウィン。馬群は1固まりとなって最終コーナーに突入する。ここでドラゴンウィンの2番手に上手く付けていたティラミスが内からドラゴンウィンに並びかけて直線に入ったところで先頭に立つ。
残り300m、武騎手は追いまくるが、斤量が響いているのか思ったほど伸びない。
そうこうしているうちに真ん中から追い出されたエースアカデミー(D.オリヴァー鞍上、斤量129ポンド)が鋭い末脚で迫ってきた。
明らかに脚色が違う。残り100mで遂に逆転されてしまった。が、最重量馬のフライングケニーの追い上げを何とか抑えてティラミスが2着を死守した。
芝1650mの勝ちタイムは1分41秒3だった。
チャンピオンスピード鞍上のL.デットーリ騎手は直線で馬に故障が発生し、落馬。
そのまま病院に直行。第2レースからはG.モッセ騎手が代打で参加することになった。
その後L.デットーリ騎手は大事には至らず、一安心。
終わってみれば、斤量の重い馬が上位を独占している。ハンデ戦とは思えない着差が付いているし・・・。
INTERNATIONAL JOCKEYS' CHAMPIONSHIP (HANDICAP) - 1ST LEG
着順
馬番
馬名
騎手
斤量
枠番
着差(勝ち馬からの差)
1 3 ACE ACADEMY D Oliver 129 3 1分41秒3
2 2 TIRAMISU Y Take 131 6 1-1/4  
3 1 FLYING KENNY V Espinoza 133 1 1-3/4  
4 7 SMART WIN Y T Cheng 125 9 2-1/2  
5 12 DRAGON WIN D Whyte 118 11 3-1/4  
6 9 ORIENTAL M Kinane 123 2 3-1/4  
7 6 PLENTY OF LUCK K Fallon 126 4 3-1/4  
8 5 GOLDEN SPIRIT C Soumillon 126 5 7-3/4  
9 11 BRAVE COMMANDER S Dye 121 7 13-1/4  
10 4 WYNDAM POWER A Starke 127 10 19-1/2  
11 8 ETERNAL START O Peslier 123 12 27-3/4  
故障中止 10 CHAMPION SPEED L Dettori 122 8 ---  
今年は香港JCからレース画像がUPされているのでここにも貼っておきます。馬名が漢字でも書かれているのは笑えます。
●第2レース・・・芝1800mのハンデ戦。
スローからの上がりレースとなったので、後ろの馬は殆ど何も出来なかった。
終始先頭を走って、レースを作っていた2番のシャンハイフレンド(Y.T.チェン騎手、133ポンド)が逃げ粘って快勝した。
トップハンデ馬に上手く折り合いを付け、直線では2馬身の差を付ける、巧騎乗だった。
2-3着馬も、終始先行していたゼルバベル(D.オリヴァー騎手)、ブラウンビューティー(A.シュタルケ騎手)の前残りだった。
この結果、1レースで優勝しているD.オリヴァー騎手が18ポイントでトップに立った。
第2レースに優勝したY.T.チェン騎手も14ポイントで2位に付けている。
武騎手は中段から最後に賭けたが、このペースでは差し馬には分はなく8着。
馬名がダッシュフォーヴィクトリーと言う、トゥザヴィクトリーぽい名前だったので期待してたんだけどな〜(笑)。
INTERNATIONAL JOCKEYS' CHAMPIONSHIP (HANDICAP) - 2ND LEG
着順
馬番
馬名
騎手
斤量
枠番
着差(勝馬からの差)
1 2 SHANGHAI FRIEND Y T Cheng 133 10 1分51秒50
2 3 ZERUBBABEL  D Oliver 132 8 2  
3 8 BROWN BEAUTY A Starke 127 11 2  
4 5 FANTASTIC WIN  V Espinoza 128 12 2-1/2  
5 10 RISING WIN  D Whyte 127 3 2-3/4  
6 4 CHERISHED G Mosse 131 1 3-1/4  
7 7 COUNTRY DRAGON S Dye 128 7 5  
8 12 DASH FOR VICTORIES Y Take 120 2 5-3/4  
9 1 GREAT SENSATION C Soumillon 133 6 6  
10 9 FABULOUS O Peslier 127 4 6-1/2  
11 11 THE RICH MAN K Fallon 126 9 6-3/4  
12 6 SHOW BRAVELY M Kinane 129 5 6-3/4  
SALUZI V Espinoza 130 ---  
  
●第3レース・・・芝1650mのハンデ戦。
泣いても笑っても、これが最後のレース!
スタートして凄く遅い流れ。先行したマネーストロング(S.ダイ騎手、120ポンド)がそのまま逃げ粘るか、と思えたが、直線で末脚を爆発させたクラスウィン(V.エスピノーザ騎手、斤量133ポンド)がスコン!と差しきって快勝した。
終始2番手を走行していた、フレンチコネクション(G.モッセ騎手、126ポンド)がゴール前で、マネーストロングをわずかに捕らえて2着。
マネーストロングは3着。4着には、直線での追い上げに賭けたシャブシャブ(M.キネーン騎手、119ポンド)が入った。
武騎手は良いところ無しの11着。
INTERNATIONAL JOCKEYS' CHAMPIONSHIP (HANDICAP) - 3RD LEG
着順
馬番
馬名
騎手
斤量
枠番
着差(勝ち馬からの差)
1 1 CLASSA WIN V Espinoza 133 10 1分40秒60
2 6 FRENCH CONNECTION  G Mosse 126 3 1-1/2  
3 10 MONEY STRONG S Dye 120 2 1-3/4  
4 12 SHABU SHABU  M Kinane 119 11 1-3/4  
5 2 KINDRED SPIRITS  D Oliver 131 1 2-3/4  
6 3 INDUBITABLY BLISS D Whyte 130 7 2-3/4  
7 11 SIXTY SECONDS Y T Cheng 120 4 3-1/2  
8 8 SUPER CHARGE A Starke 122 12 5  
9 9 PRIME VAIN C Soumillon 121 8 5-1/4  
10 5 ROUND THE WORLD O Peslier 127 6 6  
11 4 MASTER YING Y Take 128 9 7-1/2  
12 7 SMART CHAMPION K Fallon 126 5 7-1/2  
 
●第3レースでも5着に入ってポイントをゲットしたD.オリヴァー騎手が20ポイントを上げて優勝!
3着-4着-優勝の好成績で追い上げたV.エスピノーザ騎手が19ポイントで、惜しくも準優勝となった。
優勝カップにキスするD.オリヴァー騎手!
『とても嬉しいし、選手権を獲得できて誇りに思っています。以前にももう少しで優勝できる機会があったが、今回は上手くいきました。』
※2001年に1ポイント差でL.デットーリ騎手に優勝をさらわれている。
そのデットーリ騎手は大レースで転倒し、病院に送られた。
下が、今回の選手権の成績表。
第1レース 第2レース 第3レース
騎手 馬番 着順 ポイント 馬番 着順 ポイント 馬番 着順 ポイント 総合ポイント
1 D Oliver 3 1 12 3 2 6 2 5 2 20
2 V Espinoza 1 3 4 5 4 3 1 1 12 19
3 Y T Cheng 7 4 3 2 1 12 11 7 0 15
4 G Moose - - - 4 6 0 6 2 6 6
5 Y Take 2 2 6 12 8 0 4 11 0 6
6 S Dye 11 9 0 7 7 0 10 3 4 4
7 A Starke 4 10 0 8 3 4 8 8 0 4
8 D Whyte 12 5 2 10 5 2 3 6 0 4
9 M Kinane 9 6 0 6 12 0 12 4 3 3
10 K Fallon 6 7 0 11 11 0 7 12 0 0
11 C Soumillon 5 8 0 1 9 0 9 9 0 0
12 O Peslier 8 11 0 9 10 0 5 10 0 0
13 L Dettori 10 12 0 - - - - - - 0

 

2003/12/11 UP