●12月14日に、香港シャティン競馬場で行われる、国際レースの枠番が決まりました。
ワールドシリーズの最終戦にあたるG1香港Cで欧州古馬年度代表馬のファルブラヴと香港の帝王エイシンプレストンが激突。
G1香港マイルには日本馬が3頭も出走し、最有力馬にローエングリンがあげられています。
当初、注目の高かったG1香港ヴァーズはジョハールやアンジェガブリエルが回避したため、少し寂しいメンバーとなりました。
G1香港スプリントは、おそらく今年も香港馬が優勝するでしょう。
では1レースごと、見ていきましょう。
●まず、メインのG1香港Cから。
ワールドシリーズ最終戦のこのレース。既にチャンピオンを決めているハイチャパラルが不参加。
まあ、初めから来ないとは分かっていたが、アジアをバカにするな!と言いたい。
親分のJ.マグネアー氏はマンチェスターUの買収問題でそれどころではないし、M.テーバー氏はハイチャパラルを高く売ることしか考えていない。
まあ、そう言う金の亡者は隅の方にでも追いやっておこう。
G1香港Cの1着賞金額は1020万香港ドル(約1億4000万円)、総称金額は1800万香港ドル(約2億5千万)なんですけどね・・・。
しかしだ、ファルブラヴ(5番枠)が参加する意義は大きい。
G1レース7勝。マイルから10Fまでの中距離にやたら強く、2000mの走破タイムは1分57秒8という快足馬。
オーナーの半分が社台の吉田照哉氏という事を差し引いたとしても、よくぞやって来てくれたという感がある。
BCターフから1ヶ月半くらい空いているわけだが、それなりの走りは見せてくれるだろう。
来シーズンからの社台ファームでの種牡馬入りも決定したことだし、最後の雄姿をしっかりと見届けましょう。
最大のライバルとなるのが香港にやたらと強いエイシンプレストン(13番枠)。
香港では4回出走して3回優勝している。当初から香港Cを引退レースとして計画してあった通り、天皇賞後はJCをスキップして万全の体制。
勝手知ったるシャティンの2000mで日の丸をあげる確率は90%だ!
同じ日本馬のマグナーテンが参戦してくれたのは非常にありがたい。
しかも、枠番が大外の14番なので逃げは必須。と言うことは昨年のようなスローにはなりにくい。
と言うことはエイシンプレストンにとっては喜ばしいことだ。
G1英チャンピオンS優勝馬のラクチー(4番枠)は昨年の伊ダービー馬。イタリアを主戦場としてただけあって時計勝負には強いと思われる。英国の重い馬場でも優勝したり、G1プリンスオブウェールズS2着に入っているので、どんな馬場にでも対応できるのであろう。今年4戦目と言うのも馬がフレッシュな状態が期待できる。恐い1頭だと思う。
JCで8着に入ったデノン(9番枠)のオーナーはフサイチでお馴染みの関口氏。香港マイルに登録してあったサラファンを回避させたため、この馬に賭ける意気込みは凄いと思う。
JCはあまりに馬場が悪く力を発揮できなかったが、ここでは挽回を狙う。しかし、右回りコースではどうか!?
昨年の2着馬ダノマスト(11番枠)は近年では最強のデンマーク馬。今季はG1バーデン大賞では3着に入っている。
が、メリハリのないダラダラした流れのレースを先行してそのまま前残りのようなレースしかできないため、厳しい流れになると惨敗する。
現にG1英チャンピオンSは10着だった。
昨年の優勝馬プレシジョン(8番枠)。今季は2戦0勝。やっぱり、まぐれだったんだなと言われ続ける同馬。
今年も奇跡の騎手M.キネーンを鞍上に迎えて2匹目のドジョウを狙う。
カップトライアル4着。マイルトライアル10着に敗れたドクターモア(1番枠)今季5戦0勝だが、着には入りたいところだ。
今季エレガントファッションに勝っているセルフフリット(12番枠)。前走のカップトライアルではエレガントファッションに完敗の10着。
しかし、管理するのが奇才I.アラン師なので何か魂胆があっての出走なのだろう。
繰り上がりで出走が決まったブルースティッチ(10番枠)。前走のマイルトライアルは4着だった。
香港マイルに出た方が良いと思うが、総額1800万香港ドルという高額賞金に目が眩んだのだろうか・・・。
フランスのP.バリー師が連れてきたウェイトレス(3番枠)は3yoのセン馬。前走、G2ドラール賞に優勝している。
昨年のダノマストと同じ道のり。少し恐いか!?
女傑アクアレリストの影に隠れて目立たなかったブライトスカイ(2番枠)がここに出てきた。
昨年の仏オークス馬も、牡馬混合の重賞となると勝ち負けするには辛すぎた。だってアンジェガブリエルがいましたからね。
そこで、牝馬路線で確勝を期してG1オペラ賞に臨んだが、よもやの3着。
止せばいいのに挑戦したBCターフでは大きく離された6着。重馬場のG1イスパーン賞でファルブラヴの2着しているので、馬場が悪くなって時計が掛かれば上位入賞もあるかもしれないが、力不足であろう。
香港のエアグルーヴ、エレガントファッション(7番枠)は1400m〜2400mまであらゆる距離のレースで力を発揮している。
4月のG1クイーンエリザベス2世Cではエイシンプレストンの後塵を拝したが、前走のカップトライアルでは1番人気に応えて見事優勝。
香港を代表する馬として参戦してきた。
エリザベス女王杯3着、G1JC6着と今回のアジア遠征でまずまずの成績を上げているタイガーテール(6番枠)。
大崩しないその走りには安心感が持てるようになってきた。
今回参加している牝馬の中では1番恐い存在かもしれない。
Hong Kong Cup (International G1) - Turf 2000M | |||||||
調教国 | 枠番 | 馬名(生産国) | 国際ハンデ | 馬齢 | 性別 | 斤量 | 調教師 |
GB | 5 | Falbrav (IRE) | 126 | 5 | 牡 | 126 | L Cumani |
GB | 4 | Rakti (GB) | 121 | 4 | 牡 | 126 | M Jarvis |
USA | 9 | Denon (USA) | 118 | 5 | 牡 | 126 | R Frankel |
JPN | 13 | エイシンプレストン (USA) | 118 | 6 | 牡 | 126 | S Kitahashi |
DEN | 11 | Dano-Mast (GB) | 115 | 7 | 牡 | 126 | F Poulsen |
JPN | 14 | マグナーテン (USA) | 111 | 7 | セン | 126 | K Fujisawa |
HK | 8 | Precision (FR) | 111 | 5 | セン | 126 | D Oughton |
HK | 1 | Dr More (AUS) | 110 | 6 | セン | 126 | J Size |
HK | 12 | Self Flit (NZ) | 110 | 5 | セン | 126 | I W Allan |
HK | 10 | Blue Stitch (GB) | 109 | 4 | セン | 126 | A T Millard |
FR | 3 | Weightless (GB) | 115 | 3 | セン | 123 | P Bary |
FR | 2 | Bright Sky (IRE) | 117 | 4 | 牝 | 122 | E Lellouche |
HK | 7 | Elegant Fashion (AUS) | 113 | 5 | 牝 | 122 | D A Hayes |
FR | 6 | Tigertail (FR) | 111 | 4 | 牝 | 122 | R Collet |
※太字は国際G1勝ち馬 |
●次は日本から3頭も遠征するG1香港マイル。
昨年、最も素晴らしいレースだったこのレースにはランキングトップとしてローエングリン(12番枠)が臨む。
快足を飛ばして粘り込むというプチサイレンススズカな同馬だが、直線の長いコースではへこたれてしまう。
直線レースだったG1ジャックルマロア賞は完敗だったし、安田記念も最後はバテバテだった。
しかし、ロンシャンのコースでは後ろから来る馬達の末脚が、たいしたこと無かったために2着に粘ることができた。
シャティンの直線は400m少ししかない。中山のコースと似たような感じだ。
馬場はマイルで1分34秒台で決着するくらいだから、日本の馬場よりは少し重い。
重の中山芝1600mを想像してみればいいかな。元来追って味がある馬ではないので、如何に気分良く逃げられるかに掛かっている。直線に入ったときに5馬身以上の差があれば勝てるかもしれない。
でも、シャティンの馬場は外側の方が伸びそうだから差されてしまうだろうな〜。
マイルチャンピオンシップで9着に敗れたスペシャルカルドゥーン(4番枠)は明らかに重・不良の鬼だ。
京都の馬場では軽すぎて、力が発揮できなかった。雨でも降って重馬場になれば、差し脚がいきると思う。
テレグノシス(2番枠)は3yo時にNHKマイルCに優勝し、今季はG2京王杯SCにも優勝している。
フランス遠征したG1ジャックルマロア賞も3着に入線して、マイラー振りを発揮しているのだが、気分屋なので落ち込むとどうしようもない。
G1ムーランドロンシャン賞の13着は外を回らされた不利と言うこともあるが、あまりに負けすぎている。
期待されたマイルチャンピオンシップも意味不明の14着。燃え尽きてしまったのか。
又は、父のトニービン、母父ノーザンテースト共に晩成血統なので、距離が伸びた方が良くなってきたのか。
サクラチトセオーだって古馬になったら、2000mくらいの方が得意になりましたもんね。
もう1頭の日本馬アドマイヤマックス(14番枠)は安定力のあるレースをする。
安田記念はアグネスデジタルの2着。バテそうでバテない粘りを見せる。
先行して好位をすすみ直線で二の脚を使うという模範的なレースをする。
かといって、G1を勝つほどの末脚を持っていないので勝ちきれない。これはもう、2年前のエイシンプレストンとそっくりだ。
日本の馬場に合わないが、香港ならバッチリ合うかもしれない。父サンデーサイレンス。母父ノーザンテーストと言う配合は短距離2冠馬のデュランダルと同じ。
今季4戦0勝、通算でも10戦2勝のイマイチ君の頑張りに期待しよう!
ドゥバイからの刺客ファイヤーブレイク(10番枠)はG2・G3ハンター。G2を2勝。G3を2勝しているが、G1だと敷居が高い。
G1ゴールデンジュヴェリーSはショワジールの11着に惨敗している。前走は7月29日のG2レノックスSでこの時は芝7Fで10着。
それ以来の出走となる。通算で16戦走って6勝。7F以下だと11戦して5勝、2着3回。マイル以上だと5戦して1勝、2着1回。
しかも、6勝のうち4勝が2yo時のもの。成績から見れば早熟なスプリンター。
しかし、父のチャーンウッドフォレストはウォーニングの直子。チャーンウッドフォレストはクイーンアンSに勝つなど優秀なマイラーだったが、同時期にソヴィエトライン、マークオブエステーム、スピニングワールドなど強力なライバルがおり、大レースを勝つことはできなかった。ウォーニング系は仕上がりが早いが、古馬になっても力を維持できる。
サニングデールとかカルストンライトオとかダンツジャッジが代表産駒。海外では安田記念2着馬のディクタットや毎日王冠に勝ったアヌスミラビリスを出している。
これから言うと、ファイヤーブレイクは香港スプリントに出た方が良いと言うことになる。
G2エッチンゲンレネン(バーデンバーデン競馬場・芝1600m)に優勝しているパッシンググランス(11番枠)は、重賞級の馬ではない。
ローカルの条件戦なら通用するが、メンバーの揃う表舞台だと勝ち負けにはならない。
I昨年の覇者オリンピックエキスプレス(1番枠)はどういうわけか、今季は2戦して0勝。しかも大敗続き。
と言うのも、出走しているレースが芝の1000mだから、仕方がない。
元来マイルから2000m位を得意としているだけに、イジメとしか思えないローテーションだ。
しかし、管理するのはI.アラン師。絶対に何か魂胆があるはずだ!!
前走のマイルトライヤルに優勝しているラッキーオーナーズ(7番枠)は今季4戦3勝の上がり馬。
父はデインヒル。連勝しているときは載っても良い血統だ。
今季7戦6勝のシンガポールからの遠征馬ナインティーファイブエンペラー(3番枠)。シンガポールの競馬は全然わからんが、前走のオープン2000mの優勝時の2着馬がナインティーファイブコマンドと言う名前なので、おそらくナインティーファイブは冠なのだろう(笑)。
冗談は置いとくとして、前々走で2着に敗れるまで10連勝しており、これはシンガポール記録らしい。
シンガポールでは怪物と怖れられており、取りあえずシンガポール一強い馬だ。頑張って欲しいものだ^^
シチズンケーン(5番枠)は映画『市民ケーン』からの引用か!?まあ、どうでも良い(笑)。
前走はマイルトライアルでラッキーオーナーズの3着。通算23戦4勝。
I.アラン師が送り出す刺客ホーチョイ(8番枠)は2yo時にあのロックオブジブラルタルの2着に入ったことがあるのだ!
しかし、3yo時には両者の差はど〜〜んnと拡がって、英2000ギニーはロック様の12着に惨敗。
その後、ロイヤルアスコット開催のG3ジャージーSで4着に入っているので、弱い馬ではない。
今季から香港に移籍して、1400mのG2クイーンズシルヴァージュヴェリーSに優勝しているが、1600m戦だとイマイチだった。
が、前走のマイルトライヤルでアタマ差の2着にまで成長してきた。さすが、I.アラン師だ!
メリディアンスター(6番枠)はマイルトライアル5着。香港クラシックマイルとチャンピオンズマイルの両方で2着という成績がある。
差し馬らしいので、前が止まれば一発はあると見た。
ミスターアクペン(9番枠)はここに出るはずだったサラファンが回避したため唯一のアメリカ調教馬となった。
元々チリ調教馬でチリ時代にはG1エルダービーとチリ2000ギニーのポージャデポトリージェスに勝っている。
9月27日のG3ベイメドウズBCH(芝9F)に1分46秒8で勝っており、時計勝負には強い。
しかし、マイルでは少し短いかもしれない。
サラファンに替わって出走するのはボウマンズクロッシング(13番枠)。
2月の香港クラシックマイルはスターをミスして惜しくもアタマ差の2着。2000mの香港ダービーでは心臓のアクシデントで10着に敗れた。
休養後立て直して出走したマイルトライヤルは7着。
Hong Kong Mile (International G1) - Turf 1600M | |||||||
調教国 | 枠番 | 馬名 | 国際ハンデ | 馬齢 | 性別 | 斤量 | 調教師 |
JPN | 12 | ローエングリン (JPN) | 122 | 4 | 牡 | 126 | M Ito |
FR | 4 | Special Kaldoun (IRE) | 118 | 4 | 牡 | 126 | D Smaga |
JPN | 2 | テレグノシス (JPN) | 117 | 4 | 牡 | 126 | H Sugiura |
JPN | 14 | アドマイヤマックス (JPN) | 116 | 4 | 牡 | 126 | M Hashida |
UAE | 10 | Firebreak (GB) | 116 | 4 | 牡 | 126 | S bin Suroor |
GB | 11 | Passing Glance (GB) | 114 | 4 | 牡 | 126 | A Balding |
HK | 1 | Olympic Express (GB) | 113 | 5 | セン馬 | 126 | I W Allan |
HK | 7 | Lucky Owners (NZ) | 112 | 4 | 牡 | 126 | A S Cruz |
SIN | 3 | Ninetyfive Emperor (AUS) | 112 | 4 | セン馬 | 126 | C Leck |
HK | 5 | Citizen Kane (ARG) | 111 | 7 | 牡 | 126 | A S Cruz |
HK | 8 | Ho Choi (GB) | 111 | 4 | セン馬 | 126 | I W Allan |
HK | 6 | Meridian Star (AUS) | 111 | 7 | セン馬 | 126 | D A Hayes |
USA | 9 | Mister Acpen (CHI) | 111 | 5 | 牡 | 126 | K Mulhall |
HK | 13 | Bowman's Crossing | - | 4 | セン馬 | 126 | D Oughton |
※太字は国際G1勝ち馬 |
●G1香港ヴァーズだが、最も有力視されていたジョハールとアンジェガブリエルが回避したためにちょっと寂しいメンバーになった。
最もレイティングの高い馬は、地元香港のルーズヴェルト(9番枠)。
実はこの馬は夏まで欧州で管理されていた馬だ。しかもクールモアグループのA.オブライエン師の元で調教されていた。
オーナーは金の亡者(しつこいか)J.マグネアー氏。父はデインヒルだから昨年のマイル王ロックオブジブラルタルと同じ。
同様の活躍を期待したのだろうが、そうも行くわけもなく。クラシックでは1枚も2枚も足りない存在であった。
しかし、単勝151倍の大穴で出走したG1愛ダービーで3着に入着してしまった。
1-2着馬はアガ・カーン殿下のアラムシャールとダラカニ。ルーズヴェルト自身はこの名馬達の3着に来れたことを孫にまで語れる土産話とすることができた。
しかし、オーナー連中にとっては、この馬ではクラシック路線で、どうひいき目に見てもアガ・カーン軍団には太刀打ちできそうもない事を確信する結果となった。
また、マイル路線でもお話にならなかった為、さっさと香港にトレードしてしまった。
こんな可哀想なルーズヴェルトの前走は、全く不向きな1400m戦に出走して大差の12着に敗れている。
通算5戦1勝で、G13着が最高位の同馬が何故に120ポイントも与えられるのかは理解不能。
G1ガネー賞に優勝しているフェアーミックス(11番枠)はファルブラヴにこの時勝っている。
と言っても、2100mで2分13秒も掛かる不良馬場だった。斬れる脚はないので半端な重馬場では良績が残せない。
台風でも来れば台頭する。(笑)
今年のG2ハードウィックSの勝ち馬で昨年のG1プリンスオブウェールズSでグランデラの2着に来たことのあるインディアンクリーク(8番枠)は善戦マンである。G1ヨークインターナショナルSではファルブラヴの5着。
前走のG1英チャンピオンSではラクチーの3着。G1だろうがG3だろうが相手なりに走る。
ここでも3着に来る可能性は高い。
10月19日のG1ジョッキークラブ大賞典でエクラールの2着に入ったマクトゥブ(13番枠)。この時の3着馬はワールサン(1番枠)。
前走のG1ローマ賞(2000m)はインペリアルダンサー(14番枠)の9着。2400mの方が合う。
JCで重馬場に苦しんだフィールズオブオマー(5番枠)。東京では最下位という大恥をかいた。
名誉挽回&旅費稼ぎの為ここでは頑張る。有力馬2頭が回避したため、やる気満々の事であろう。
ポーリッシュサマー(7番枠)はG1サンクルー大賞典2着2回。しかも、相手は2回ともアンジェガブリエル。
G2なら勝てるのだが、天敵アンジェガブリエルを避けて英国に行けばワールサンにいじめられ、アメリカ遠征すればスラマニに叩かれる始末。
前走は重馬場のグランカンプ賞(2400m)に勝ち、久しぶりの美酒を浴びた。しかし勝ちタイム2分45秒2は凄いよな。
昨年のG1ドイツ賞の勝ち馬サビアンゴー(4番枠)は2連覇を賭けて3yo最強馬のダイジンと激突したが、4着に軽く捻られてしまった。
A.ウーラー師は遠征好きで有名。先輩パオリーニの様になって貰いたいという願いも込めてG1カナディアン国際に挑戦したが5着に敗れた。その後休養していたが、回避馬が出たため急遽参戦となった。
尚、サビアンゴーの父はアカテナンゴ、アカテナンゴの子ランドーの子がパオリーニ。
ワールサンは生粋のステイヤー。2400mでも短いかもしれない。春先にG1コロネーションCに優勝したときは化けたかと思ったが、相手が弱かった(笑)。
その後はG1キングジョージでアラムシャールの6着。G1ドイツ賞ではダイジンの3着。前走のG1ジョッキークラブ大賞典はエクラールの3着。
インペリアルダンサーは無事之名馬を字で行く馬。5yoにして既に51戦も消化している。
英国馬としては非常に珍しい。3yo時には英2000ギニーでゴーランの15着。前走、51戦目にしてやっとG1に勝つことができた。
リヴァーダンサー(6番枠)はカップトライアルで先行して粘って2着したが、優勝したエレガントファッションには完敗した。
連闘で出走したマイルトライアルも6着に敗れたため出走権を得ることができず、ヴァーズに出てきた。
レッドペパー(2番枠)は2001年のチャンピオンマイルの勝ち馬。カップトライアルに優勝しているし、強い馬なのだが、2400mは長すぎるだろう。
このレースには3yo馬が4頭出走するが、E.ルルーシュ師が連れてくるヴァレアンシャンテ(8番枠)は第2のブライトスカイ。
牝馬の河内ならぬ牝馬のルルーシュという定説ができるかもしれないな。
前走のG2コンセイユドパリ賞ではカラバー(10番枠)に半馬身差で勝っている。
Hong Kong Vase (International G1) - Turf 2400M | |||||||
調教国 | 枠番 | 馬名 | 国際ハンデ | 馬齢 | 性別 | 斤量 | 調教師 |
FR | 11 | Fair Mix (IRE) | 117 | 5 | 牡 | 126 | M Rolland |
GB | 8 | Indian Creek (GB) | 117 | 5 | 牡 | 126 | D Elsworth |
ITY | 13 | Maktub (ITY) | 117 | 4 | 牡 | 126 | B Grizzetti |
AUS | 5 | Fields Of Omagh (AUS) | 116 | 6 | セン馬 | 126 | T McEvoy |
FR | 7 | Polish Summer (GB) | 116 | 6 | 牡 | 126 | A Fabre |
GER | 4 | Sabiango (GER) | 116 | 5 | 牡 | 126 | A Wohler |
GB | 1 | Warrsan (IRE) | 116 | 5 | 牡 | 126 | C Brittain |
GB | 14 | Imperial Dancer (GB) | 115 | 5 | 牡 | 126 | M Channon |
HK | 6 | River Dancer (IRE) | 112 | 4 | セン馬 | 126 | J Size |
HK | 2 | Red Pepper (GB) | 110 | 6 | セン馬 | 126 | C H Yip |
HK | 9 | Roosevelt (IRE) | 120 | 3 | 牡 | 121 | D Oughton |
FR | 10 | Kalabar (GB) | 115 | 3 | 牡 | 121 | P Bary |
HK | 12 | Industrial Success (IRE) | 106 | 3 | 牡 | 121 | C H Yip |
FR | 8 | Vallee Enchantee (IRE) | 113 | 3 | 牝 | 117 | E Lellouche |
※太字は国際G1勝ち馬 |
●G1香港Sは地元香港代表のサイレントウィットネス(11番枠)対海外遠征馬の図式。
サイレントウィットネスは昨年の12月にデビュー以来無敵の7連勝中。
しかも、逃げてそのままという傍若無人なレース振り。ハッキリ言って香港には敵はいない。
シャティンの1000mで55秒5という持ちタイムもあり時計勝負にも強い。
誰が鈴を付けに行くかが見物。
対抗できるとすれば南アフリカ最強スプリンターのナショナルカレンシー(6番枠)。
G1マーキュリースプリント(1200m)では5馬身1/4の差を付けて圧勝している。
オーストラリア時代にG1エミレーツSに優勝しているグランドデライト(3番枠)がスプリントトライアルでサイレントウィットネスに8馬身1/4の差を付けられているし、昨年のG1香港スプリントを快勝したオールスリルストゥー(5番枠)がサイレントウィットネスに3馬身とか5馬身の差を付けられて完敗していることを考えると、益々ナショナルカレンシーに頑張ってもらわないとワンサイドのレースになってしまう恐れがある。
G1を3勝しているオーストラリア代表のボマービル(8番枠)にも期待したいが如何せん8yo馬では・・・。
とにかくこのレースは大本命のサイレントウィットネスの最初の国際G1勝利とその勝ちっぷりを堪能する事に集中しよう。
裏読みとしては、ナショナルカレンシー(国際通貨)とザトレイダー(13番枠)の『投資馬券』。
アクラーメーション(拍手喝采)とグランドデライト(大きな喜び)の『柔ちゃん、結婚おめでとう馬券』
等が考えられる。(なわけないか・・・)
Hong Kong Sprint (International G1) - Turf 1000M | |||||||
調教国 | 枠番 | 馬名 | 国際ハンデ | 馬齢 | 性別 | 斤量 | 調教師 |
HK | 11 | Silent Witness (AUS) | 118 | 4 | セン馬 | 126 | A S Cruz |
GB | 7 | Acclamation (GB) | 115 | 4 | 牡 | 126 | L Cottrell |
HK | 3 | Grand Delight (AUS) | 115 | 6 | セン馬 | 126 | J Size |
SAF | 6 | National Currency (SAF) | 114 | 4 | 牡 | 126 | M Azzie |
GB | 9 | Deportivo (GB) | 112 | 3 | 牡 | 126 | R Charlton |
HK | 2 | Firebolt (IRE) | 112 | 5 | セン馬 | 126 | I W Allan |
GB | 12 | The Tatling (IRE) | 112 | 6 | セン馬 | 126 | J Bradley |
GB | 13 | The Trader (IRE) | 112 | 5 | セン馬 | 126 | M Blanshard |
HK | 5 | All Thrills Too (AUS) | 111 | 6 | セン馬 | 126 | D A Hayes |
HK | 14 | Cape of Good Hope (GB) | 111 | 5 | セン馬 | 126 | D Oughton |
HK | 10 | Cheerful Fortune (NZ) | 110 | 4 | セン馬 | 126 | T W Leung |
AUS | 8 | Bomber Bill (AUS) | 108 | 8 | セン馬 | 126 | R Smerdon |
AUS | 4 | Into The Night (AUS) | 108 | 5 | セン馬 | 126 | K Dryden |
AUS | 1 | Dantana (AUS) | 107 | 4 | セン馬 | 126 | R Hore-Lacy |
※太字は国際G1勝ち馬 |
2003/12/12 UP