※香港国際開催2002※

●12月15日(日曜日)に香港シャティン競馬場で国際G1レースが4つ行われました。
昨年は3つのG1に優勝した日本馬旋風が吹き荒れましたが今年は地元香港の大逆襲で幕を下ろしました。
また、G1香港Cはワールドレーシングシリーズの最終戦として行われました。
レース前から総合優勝を決めていたグランデラでしたが残念ながら7着に敗れました。
香港国際G13連勝を狙った日本のエイシンプレストンはアクシデントもあり5着敗退。残念でした。
もし、このレースに優勝していたら香港JCの殿堂入りも予定されていたと言うことです。すげーな!
ということで、各レースをふりかえってみましょう。【関係者コメントなどは漸次更新します】

●日本馬2頭が出走したG1香港スプリント。
スタート良く飛び出したショウナンカンプが先頭に立ってレースを引っ張ろうとしたが、直線レースで馬群がワイドに横広がりになっているので目標ができにくく辛い。
しかも馬場にも合わなかったらしく400m地点で早くも下がり始める。
大外の14番枠からスタートしたビリーヴはスタートミスで大きく遅れる。
この時点でレースを終えたと言って良いだろう。大外で、しかも最後方を寂しそうについてくる姿は可哀想だった。
もう少し内側の発走だったら、コーナーのあるコースだったら状況も変わっただろうけど、ビリーヴの闘争心は失せてしまっていた。
11番枠の欧州最優秀スプリンターのコンチネントが全く良いところ無く敗退したことも、周りの馬から見ればやられた感があるだろう。
レースはインコーススタートの馬達で決まってしまったからである。
さて、400m過ぎから先頭に出た4番枠のミステジックと5番枠のファイヤーボルトがペースを握る。
最内のファルヴェロンはマイペース。2番枠のオールスリルストゥーは彼らの後ろにピタっと追走。
さすが、G.モッセ!
残り200m。満を持してオールスリルストゥーにゴーサインが出る。それを見たファイヤーボルトもスパークする。
この時点でミステジックは後退。ファルヴェロンもスパート開始。
ファイヤーボルト、ファルヴェロン、オールスリルストゥーの叩き合いが残り100mまで続いたが、ここで勝負あり!
脚色の違っていたオールスリルストゥーがファイヤーボルトに1馬身半差を付けて見事優勝した。
地元香港勢の1-2フィニッシュ!このレース3連覇を狙ったファルヴェロンは惜しくも3着。
勝ち馬は前哨戦のトライアルに優勝していて、このレースでも1番人気となったいた。
実力もあったがやはり、枠の幸運を受けていたのだろう。
上位馬の枠番を順に上げると・・・2-5-1-7-6-4-3・・・となっていて面白い。
残念ながら日本馬の2頭はショウナンカンプが10着、ビリーヴが12着に終わってしまった。
馬場適正のさることながら、直線レースでの経験不足がモロに出た感じがする。
地元香港勢の1-2フィニッシュは1999年のフェアリーキングプローン-クリスタルチャーム以来2回目であった。
勝ちタイムは56秒40。
Hong Kong Sprint (Group 1)
2002/12/15 香港シャティン競馬場芝直1000m 3yo以上 馬場:良固 14頭立て
香港大逆襲の始まりを告げたオールスリルストゥーとファイヤーボルトの1-2フィニッシュ!
着順 着差 馬名 枠番 調教師 馬齢 斤量 騎手 人気

1

56秒40

All Thrills Too (AUS)

(2)

D Hayes

5

 9-0

G Mosse

29/10F

2

1 1/2

Firebolt (IRE)

(5)

I W Allan

4

 9-0

W Mawing

14/1

3

1/2

Falvelon (AUS)

(1)

D Bougoure

6

 9-0

D M Oliver

46/10

4

3/4

Thunder (NZ)

A S Cruz

4

 9-0

F Coetzee

16/1

5

hd

Zipping (IRE)

(6)

Robert Collet

3

 9-0

D Bonilla

33/1

6

nk

Mistegic (AUS)

(4)

Lee Curtis

3

 9-0

D Nikolic

35/1

7

shd

Anabatik (AUS)

(3)

J Moore

3

 8-5

M Cahill

28/1

8

1/2

Texas Glitter (USA)

(13)

T Pletcher

6

 9-0

E Prado

9/1

9

1 1/4

Cape Of Good Hope (GB)

(9)

D Oughton

4

 9-0

D Whyte

15/1

10

1 1/4

ショウナンカンプ (JPN)

(10)

Y Okubo

4

 9-0

S Fujita

88/10

11

1 1/2

Agnetha (GER)

(12)

D K Weld

3

 8-10

P J Smullen

100/1

12

2 1/2

ビリーヴ (JPN)

(14)

S Matsumoto

4

 8-10

Y Take

37/10

13

5

Slap Shot (IRE)

(8)

L Riccardi

3

 8-10

L Dettori

21/1

14

1 3/4

Continent (GB)

(11)

D Nicholls

5

 9-0

D Holland

23/1

 
<オールスリルストゥー> 5yo・セン馬 オーストラリア生まれ
父:セイントカヴィット
母:レッドスリッパーズ(シティーダンサー)
通算成績:19戦8勝
主な勝ち鞍:G1香港スプリント、G3スプリントトライアル
オーナー:Alan Lam Man Bun
生産者: A Lam
調教師: D Hayes

●G1香港ヴァース
スローペースのこのレースを制したのは仏代表のアンジェガブリエル。
スタート後、L.デットーリ鞍上のエクラールが逃げ戦法。スローな流れでのまんまの逃げ切りを謀る。昨年と同じだ。
1角、2角、向こう正面とレースは変化無く流れる。
エクラール、アイドル、ポリッシュサマー、キャラコラーの順。その後ろにアンジェガブリエル。やや後方にアクアレリスト。
1200mの通過が1分16秒5という超スローペース。上がり勝負は必至。3角を回るがまだレースは動かない。
2000mを2分5秒4で通過し直線に入る。上手く前が開いたアンジェガブリエルが馬なりで3番手まで上昇。
後方にいたアクアレリストは今更外には振れないので内を突いてスパートを開始する。
残り200m、それを見たアンジェガブリエルの末脚にエンジンが掛かる。先頭にいたエクラールは瞬く間に飲み込まれた。
エクラール鞍上のL.デットーリ騎手も鬼の形相でムチをふるうが、内にアクアレリスト、外にアンジェガブリエルという2頭のフランス馬に挟まれ、ギブアップ。
結局、前にいた分、アンジェガブリエルが有利だった。アクアレリストは3/4馬身差の2着。
外からぶっ飛んできたファルコンフライトが3着に入った。エクラールは4着。
大外発走のインディジェナスは元気なく大差の12着。ご苦労様でした。
Hong Kong Vase (Group 1)
2002/12/15香港シャティン競馬場芝2400m 3yo以上 馬場:良固 14頭立て
スローからの上がりレースを制したアンジェガブリエル!
着順 着差 馬名 枠番 調教師 馬齢 斤量 騎手 人気

1

2分28秒40

Ange Gabriel (FR)

(4)

E Libaud

4

 9-0

T Jarnet

39/10

2

3/4

Aquarelliste (FR)

(10)

E Lellouche

4

 8-10

D Boeuf

19/10F

3

nk

Falcon Flight (FR)

(5)

D Burke Iii

6

 9-0

G Mosse

11/2

4

3/4

Ekraar (USA)

(7)

Saeed Bin Suroor

5

 9-0

L Dettori

24/10

5

2 1/2

Polish Summer (GB)

(6)

A Fabre

5

 9-0

C Soumillon

14/1

6

2 3/4

Guadalupe (GER)

(13)

P Schiergen

3

 8-5

A Suborics

21/1

7

1/2

Idol (NZ)

(3)

S P C Woods

6

 9-0

M J Kinane

44/1

8

nk

Luckswell (NZ)

(11)

S P C Woods

4

 9-0

D Whyte

79/1

9

1

Cheers Hong Kong (FR)

(1)

I W Allan

5

 9-0

A Starke

74/1

10

3/4

Greenmore (USA)

(12)

S T Wong

6

 9-0

Y T Cheng

100/1

11

3/4

Rainbow And Gold (USA)

(9)

P C Kan

5

 9-0

E Legrix

100/1

12

3/4

Indigenous (IRE)

(14)

I W Allan

9

 9-0

E Saint-Martin

51/1

13

1/2

Caracoler (ARG)

(2)

D Hayes

6

 9-0

D Dunn

100/1

14

1 3/4

Delta From (AUS)

(8)

Jenine Sahadi

6

 9-0

G Almeida

50/1

 
<アンジェガブリエル> 4yo・牡 フランス生まれ
父:カルドネヴァ
母:マウントゲーブル(ヘッドフォーハイツ)
通算成績:15戦9勝
主な勝ち鞍:G1香港ヴァース、G1サンクルー大賞、G2コンセイユドパリ賞
オーナー:Mme Henri Devin
生産者: Mme Henri Devin
調教師:E Libaud

●G1香港マイルには日本から期待の2頭が参戦した。
結果的に今回の4つの国際レースの中では最も面白いレースだったと言っても良いでしょう。
2番枠から好スタートを切ったアドマイヤコジーンは一旦先頭に立とうとするが、すぐに下げて最内の3番手に控える。
グランドでライト(11着)、ゲートマン(12着)の2頭がレースを引っ張っていく。
その後ろにアドマイヤコジーン、シニックピーク(9着)が付く。トウカイポイントは中段の馬群のど真ん中で折り合いも付いている。
800m通過が48秒6。まずまず普通の流れだ。
直線に入る。まず、先に行っていた2頭が下がり始め、馬なりでアドマイヤコジーンが先頭に立った。
このままゴールまで押し切るには少し距離がありすぎる。
昨年の同レースのエイシンプレストンのように中段から抜け出してきたオリンピックエキスプレスの脚色がとても良い。
少し遅れてスパートしたトウカイポイントとエレクトロニックユニコーンも良い脚だ。
これら3頭とアドマイヤコジーンが叩き合いしていたら・・・結果は違っていたかもしれない。
しかし不幸にも、1頭だけぽつんと離れて追われていたコジーンに取っては運がなかった。
結局、先に仕掛けたオリンピックエキスプレスがそのまま優勝し、エレクトロニックユニコーンが2着。
トウカイポイントは脚を余した感じの3着。勝てたはずのアドマイヤコジーンは4着。
香港馬の1-2フィニッシュ。勝ち馬のオリンピックエキスプレスは今年G1シンガポール航空国際Cで4着後、休養。
先月のスプリントトライアルに出走し14着に敗れていた。
この為、単勝49倍の大穴馬券となった。管理するのはお馴染みI.アラン師。G1香港スプリント2着馬のファイヤーボルトも同師が管理している。
さて、ドゥバイからの刺客ノヴェール(1番人気)はアドマイヤコジーンをマークするようにレースを進めたが、直線内で追い出すも脚色悪く8着に敗れている。
1600mの勝ちタイムは1分34秒90。
Hong Kong Mile (Group 1)
2002/12/15 香港シャティン競馬場 芝1600m 3yo以上 馬場:良固 12頭立て
オリンピックエキスプレスが本日2回目の香港馬1-2フィニッシュを演出!
着順 着差 馬名 枠番 調教師 馬齢 斤量 騎手 人気

1

1分34秒90

Olympic Express (GB)

(11)

I W Allan

4

 9-0

W Mawing

48/1

2

nk

Electronic Unicorn (USA)

(1)

J Size

6

 9-0

R Fradd

10/1

3

hd

トウカイポイント (JPN)

(6)

Y Goto

6

 9-0

M Ebina

36/10

4

hd

アドマイヤコジーン (JPN)

(2)

M Hashida

6

 9-0

Y Take

51/10

5

1/2

Super Molly (AUS)

(8)

D Hayes

5

 9-0

G Mosse

10/1

6

2 1/4

Cayoke (FR)

(7)

J Canani

5

 9-0

C Soumillon

67/1

7

hd

Dupont (GB)

(9)

W J Haggas

3

 8-13

D Holland

47/1

8

1/2

Noverre (USA)

(4)

Saeed Bin Suroor

4

 9-0

L Dettori

EvensF

9

nk

Scenic Peak (AUS)

(13)

D Bougoure

5

 9-0

D Nikolic

22/1

10

1 3/4

Tillerman (GB)

(12)

Mrs A J Perrett

6

 9-0

R Hughes

28/1

11

hd

Grand Delight (AUS)

(10)

J Size

5

 9-0

S Dye

59/1

12

2 3/4

Gateman (GB)

(3)

M Johnston

5

 9-0

K Dalgleish

87/1

 
<オリンピックエキスプレス> 4yo・セン馬 英国生まれ
父:ビショップオブカシェル
母:レイチェルテネシー(マツァドーン)
通算成績:14戦5勝
主な勝ち鞍:G1香港マイル、G1香港ダービー、G1香港クラシックマイル
オーナー:Larry C K Yung
生産者: Devonia Stud
調教師: I W Allan

2002/12/16 UP