●香港マイルに出走するプラウドウィングス(5yo牝)はドイツ調教馬として初の香港出走となる。
このレースが引退レースとなるが、彼女はG2ファルマウスS(英)にドイツ産サラブレッドとして初めて英国パターンレースに優勝するなど、ドイツ競馬の歴史を作ってきた。
日本でいう所のシーキングザパールの様な馬である。
この時の鞍上は武豊騎手であった。
その後、G1ジャックルマロア賞(仏)で強敵ヴァオリミクス、バンクスヒル、ノヴェールを破って1着入線するも斜行で失格。
9月には武騎手を再び鞍上に迎えてG1クイーンエリザベス2世S(英)に臨んだが、8着に惨敗してしまった。
優勝したのは、アッと驚くサモネルであった。
プラウドウィングスのオーナーであるドクター・ロルフ・ウィルヘム氏のコメント。
『アスコットの時(G1クイーンエリザベス2世S)の彼女は本当の姿ではなかった。
スタート後400m位から怪しくなり、鞍上を手こずらせ、レースに全然集中していなかったと武騎手も言っていた。
あれは、決して本来の彼女の走りではない。しかし、今は違う。イライラする気性も完全に治っている。
彼女はJC当日に行われるキャピタルS(東京・芝1600m)に出走するが、これは香港マイルへの一叩きレースにしたいと思う。』
しかし、彼女が得意なのは柔らかい馬場である。
なのに、同オーナーはシャティンの速い馬場に関しては心配していないらしい。
『我々には彼女の本当の能力がどれ程のものなのかは分からない。が、デュッセルドルフの速い馬場でも良い走りで勝っているし、克服してくれると思う。
鞍上は東京も香港も武騎手で臨むが、レースが楽しみです。』
とコメントした。
※その通り、少差ながら力の違いを見せてキャピタルSに優勝した彼女は香港に向かいます。
公開調教の時に見た(ダートコース)彼女の速さは抜群でした。日本のダートレースに出ても十分通用するでしょうね。
しかし、欧州のG1で降着になったとは言え、1着になるような馬をオープンの平場レースに出してしまう(他にレースがない)JRAの競走番組編成には問題がありすぎ!
香港への叩きレースであるとはっきりとコメントされてしまう程落ちてしまったのか!?
そもそも、良質な競走馬を東京に(日本に)集めるには、魅力的なレース番組がないとダメだ!
香港競馬界は昨年から今年にかけて大きくテコ入れし、番組を編成してきた。
その結果は早くも現れてきた。
JCをスキップして香港に遠征する馬は多々あるし、JC組は香港にもエントリーしている。
JCは賞金は高いが、格はG1香港ヴァースより劣っている様だ。
21世紀の競馬産業をのため、我々ファンのためにもJRAは大きくアクションを起こす必要がありそうである。
尚、同レースにエントリーしていたサンラインは出走を回避し休養に入る予定。
2001/11/20