●2001年12月16日、香港シャティン競馬場で行われた4つの国際Gレースは3つのG1レース全てに日本馬が優勝しました。
引退レースで念願のG1レースを制し、”世界で最も有名な日本馬”となったステイゴールド。
G1香港マイルで他馬を圧倒したエイシンプレストン。
横綱競馬で勝利をもぎ取ったアグネスデジタル。
競馬システムでは圧倒的に負けている日本だが、馬自体は一方的な勝利を飾った模様です。
【香港スプリント(国際G2) 芝1000m】
香港スプリント(G2) 芝1000直 3yo以上 馬場:良固 14頭立て
 
※今年から国際G2に格上げされた香港スプリントは、昨年と同じ顔の1-2着となりました。
1番人気だったメジロダーリングは走る気を見せず13着惨敗。ダイタクヤマトも付き合って12着。
この2頭は元々が逃げ馬なんだから、思い切った戦法を取るべきであったと思う。
さて、4着に残ったセンチュリーキッドは非常に惜しかった。内ラチ沿いをマイペースで逃げたのだが、ファルヴェロン、モーラック、オールスリルストゥーの3頭が叩き合いながら最後伸びたため置き去りにされてしまった。
ヌクリアーディベートは馬場が合わなかったらしく良いところ無い9着だった。
着順
馬番
馬名
騎手
斤量
枠番
着差(優勝馬からの)
1 5 FALVELON D Oliver 126 4 0.57.00
2 8 MORLUC R Albarado 126 14 SH  
3 1 ALL THRILLS TOO S Dye 126 6 N  
4 2 CENTURY KID J Cassidy 126 9 3/4  
5 12 THE TRADER K Darley 126 1 1-3/4  
6 14 NICE ONE CLARE  J Murtagh 123 5 2  
7 11 SOLID CONTACT R Fradd 126 7 2-1/4  
8 6 KENWOOD MELODY W Woods 126 3 2-3/4  
9 9 NUCLEAR DEBATE G Stevens 126 13 6  
10 3 CLIFFHANGER J Egan 126 11 7-1/4  
11 10 PLENTY-PLENTY A Starke 126 12 8-1/2  
12 4 DAITAKU YAMATO  T Eda 126 8 8-3/4  
13 13 MEJIRO DARLING Y Yoshida 123 10 12  
14 7 KING OF DANES F Coetzee 126 2 17-1/4  
 
ファルヴェロン】 牡・5yo
父:アラノン

通算成績:23戦13勝
主な勝ち鞍:G2香港スプリント、G3香港スプリント、G1ドゥーンベン10,000
 


【香港ヴァーズ(国際G1) 芝2400m】
香港ヴァーズ(G1) 芝2400m 3yo以上 馬場:良固 14頭立て
 
※G1を勝ったことがないのに、日本で1番人気のある馬!そのキャラクターから日本で最も愛されているステイゴールド。引退レースとなるG1香港ヴァーズでどんな走りを見せてくれるのか?
無様な姿だけは見たくない。と思っていたが、何とも素晴らしい走りを見せてくれました。
クリスタルCのヒシアマゾン以上の切れ味だったな。『最後は羽が生えているようだった。ステイゴールドを応援してくれた皆さん、おめでとうございます!』という鞍上の武騎手。
レースは向こう正面で先頭に立ったエクラールが逃げ切りを謀り、直線に入ったときには2番手グループとの差は8馬身以上開いていた。してやったりのL.デットーリ。
しかし、馬群から1頭だけ黒い馬体が抜け出してくる。差はグングン詰まり、ゴールでは頭差だけステイゴールドが先んじていた。
非常にスリリング!馬券を持っていた人達も心臓が止まりそうだっただろうな。(ステイは1番人気)
しかし、海外の芝には本当に合うみたいだ。元から海外で競走していたら歴史に残る名馬になったかもしれない。おめでとう、ステイゴールド!
一方、敗れたエクラールを管理するサイード・ビン・スルール師は
『本当に残念!エクラールは良いレースをしてくれて2着という結果には満足しています。が、勝ってくれてたらもっと嬉しかったのにね。』
エクラールは来年も現役続行、目標はG1ドゥバイシーマクラシックにするらしいです。
着順
馬番
馬名
騎手
斤量
枠番
着差(優勝馬からの)
1 9 STAY GOLD  Y Take 126 14 2.27.80
2 3 EKRAAR L Dettori 126 12 HD  
3 5 INDIGENOUS D Whyte 126 7 6-3/4  
4 14 FOUNDATION SPIRIT T Thulliez 122 10 8  
5 4 HELENE VITALITY  B Marcus 126 5 8  
6 2 DALIAPOUR J Murtagh 126 8 10-1/4  
7 11 WHITE HEART G Stevens 126 2 10-1/4  
8 13 TAPILDO E Wilkinson 123 13 11-1/2  
9 1 CAITANO O Peslier 126 9 15  
10 12 ZINDABAD K Darley 126 6 15-1/2  
11 8 RAINBOW AND GOLD G Mosse 126 3 19-1/4  
12 10 SURVEY GENERAL E Saint-Martin 126 4 24-1/2  
13 7 ORIENTAL EXPRESS F Coetzee 126 1 28-1/2  
14 6 LITIGADO A Marcus 126 11 31-1/2  
 
直線に入った時には8馬身もの差があったエクラール
鬼脚でエクラールを捕らえるステイゴールド
ファンに胴上げされる武騎手! ステイゴールド】 牡・7yo
父:サンデーサイレンス
母:ゴールデンサッシュ(ディクタス)
生産者:白老ファーム
馬主:社台レースホース
調教師:池江泰郎
通算成績:50戦7勝
G1レース20回目の挑戦で初制覇。
海外重賞はG2ドゥバイシーマクラシックに続いて2勝目。
これは、エルコンドルパサー、アグネスワールドに続く3頭目の快挙。
獲得賞金は8億9千万を突破し、TMオペラオー、メイショウドドウに続く3位。
 
【香港マイル(国際G1) 芝1600m】
香港マイル(G1) 芝1600m 3yo以上 馬場:良固 14頭立て
 
※アッと驚く、エイシンプレストン!・・・まぁ、別に驚かなかったけど・・・^^;
本来は2,000m以上のレース向きの馬(いまだに思っている)なのだが、国際G1を勝ってしまった。
サンライン、フェアリーキングプリーンの両頭が不出走でメンバー的には恵まれたが、チームゴドルフィンのチャイナヴィジットなども出走しており、国際G1のレベルには違いない。
直線で追い出してからは1頭だけ違う馬の様な伸びを見せた。これで単勝が25倍もついたのだから凄い!
期待されたゼンノエルシドはやはり3yo。馬が若い。経験を要すって事かな。
鞍上の福永佑一騎手は初の海外重賞勝利。
『行きだしてからが本当に速かった。オーナーから落ち着いて乗ればよいからと言われ落ち着けた』
それがゴール後のガッツポーズに繋がった。
『ペースが速かったかな。残り600mで一杯になった。いい感じで仕上がっていたけど・・・。まだまだこれからが楽しみな馬だし来年に期待したい。』
とゼンノエルシドの藤澤師はコメントしました。
尚、人気の1頭プラウドウィングスに騎乗した武騎手は裁定委員から注意を受け、次回の香港での騎乗に黄色信号が点灯したらしい。>詳しくはよく分からないです。()
着差
馬番
馬名
騎手
斤量
枠番
着差(優勝馬からの)
1 3 EISHIN PRESTON Y Fukunaga 126 13 1.34.80
2 4 ELECTRONIC UNICORN R Fradd 126 4 3-1/4  
3 2 CHINA VISIT L Dettori 126 1 4-1/4  
4 5 FORBIDDEN APPLE  C Nakatani 126 9 4-3/4  
5 9 SHOGUN LODGE S Dye 126 7 5  
6 7 RED PEPPER G Mosse 126 6 5-1/4  
7 1 CHARMING CITY B Marcus 126 8 6  
8 10 SHOW A HEART G Boss 126 10 6  
9 14 PROUDWINGS Y Take 123 12 6-1/4  
10 11 SUPER MOLLY D Oliver 126 2 7  
11 12 TOUGH SPEED J Murtagh 126 3 9-1/2  
12 8 RED SUN F Coetzee 126 11 10  
13 6 MOUNT ABU J Fortune 126 14 10-1/4  
14 13 ZENNO EL CID O Peslier 126 5 13-1/2  
エイシンプレストン】 牡・4yo
父:グリーンダンサー
母:ワランティアプライド(モンテヴェルディ)
生産者:JE.ゲール
オーナー:平井豊光
調教師:北橋修二
通算成績:20戦8勝
G1香港マイル、G1朝日杯3歳S、G2毎日王冠
事情が少しわかりました。(^^ゞ
C.ナカタニ騎手鞍上のフォービドゥンアップルの斜行により不利を受けた武騎手が裁定委員から調書を求められた時に、『不利は大したことはなかった。』と答えた。これは、不利がなかったとしても勝ち負けにはならなかったという意味で言ったらしいのだが、裁定委員側は《明らかに不利があったことは確かなのに、加害者である相手側を擁護するとは何事だ!》と警告してきた。
ということらしいです。

2001/12/17 UP