●英1000ギニーが5月5日に行われましたが、ダントツの1番人気だったクイーンズロジックが前日に脚に異常が見つかり回避したため本命不在の大混戦となりました。 | ||||||
Sagitta 1000 Guineas Stakes (Group 1) | ||||||
2002/5/5 ニューマーケット競馬場 ローリー・マイルコース直1マイル 3yo・牝馬 馬場:良固 17頭立て | ||||||
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スノーファイヤー(白赤帽)と叩き合いを演ずるカジア(手前側青)と鞍上L.デットーリ騎手 | ||||||
着順 | 着差 | 馬名 | 枠番 | 調教師 | 騎手 | 人気 |
1 |
1分37秒85 |
Kazzia (GER) |
(12) |
Saeed Bin Suroor |
L Dettori |
14/1 |
2 |
nk |
Snowfire |
(17) |
J L Dunlop |
Pat Eddery |
28/1 |
3 |
nk |
Alasha (IRE) |
(10) |
Sir Michael Stoute |
J P Murtagh |
6/1 |
4 |
1/2 |
Dolores |
(4) |
Mrs A J Perrett |
T Quinn |
66/1 |
5 |
1/2 |
Quarter Moon (IRE) |
(11) |
A P O´Brien |
M J Kinane |
9/1 |
6 |
1 1/2 |
Misterah |
(2) |
M P Tregoning |
R Hills |
7/1 |
7 |
nk |
Lahinch (IRE) |
(16) |
A P O´Brien |
P J Scallan |
33/1 |
8 |
2 |
Gossamer |
(5) |
L M Cumani |
J P Spencer |
11/8F |
9 |
1 1/4 |
Maryinsky (IRE) |
(15) |
A P O´Brien |
K Fallon |
8/1 |
10 |
shd |
Shiny |
(13) |
C E Brittain |
P Robinson |
66/1 |
11 |
1/2 |
Roundtree (IRE) |
(3) |
R Hannon |
R Hughes |
16/1 |
12 |
1 1/2 |
Sulk (IRE) |
(9) |
J H M Gosden |
O Peslier |
16/1 |
13 |
1/2 |
Sosumi |
(1) |
M H Tompkins |
T E Durcan |
100/1 |
14 |
1/2 |
Hiddendale (IRE) |
(14) |
B J Meehan |
W Supple |
40/1 |
15 |
6 |
Pietra Dura |
(7) |
A P O´Brien |
G Duffield |
14/1 |
16 |
1 3/4 |
Ya Hajar |
(6) |
M R Channon |
S Drowne |
66/1 |
17 |
8 |
Xtrasensory |
(8) |
R Hannon |
D Holland |
100/1 |
※再びチーム・ゴドルフィンの勝負服がウィナーズサークルに戻ってきました。 優勝したカジアは元々はドイツの名調教師A.ヴェラー師(シルヴァノで有名)が管理していた馬で、昨年の秋にトレードされてしたのでした。 レース前には、ドゥバイからの輸送が上手くいかず状態が思わしくなかったのでイタリアオークスに向かわせるプランもあったらしい。 しかし、総帥モハメド殿下の決断により1000ギニーに出走し見事に優勝しました。 この勝利は管理するS.ビン・スルール師にとって31ヶ月ぶりの英クラシック勝利となり、鞍上のL.デットーリ騎手にとっても3年ぶりのクラシック勝利となりました。 (同師にとっては1999年の英セントレジャーにムタファエクで優勝して以来、L.デットーリ騎手は1999年の2000ギニーにアイランドサンズで優勝して以来) 心配をよそに、彼女のレース振りは強かった。先行策から叩き合っての勝利は文句無いものでした。 クイーンズロジックが脚に異常が発見されて回避したために、1番人気に押し出されたゴサマー(単勝2.4倍)は8着。 クォータームーンは5着。英クラシック5連勝を狙っていたA.オブライエン師の野望はついえた。 歓喜したL.デットーリ騎手は恒例の"跳び降り"を披露してくれた。 『全てが悪い方向に向いていました。ドゥバイからの輸送は上手くいかなかったし、出走の確率も半々でした。そんな切羽詰まったとき決断したのはモハメド殿下でした。 全ての鍵は、彼女がマイルの距離を保つかどうかでした。 僕はラスト3Fの為のスタミナを温存しながらレースを進め、なおかつ先行することで後ろの馬達に脚を使わせようと思いました。 そうすれば、最後の坂を全力で上がりきれるだろうと思ったのです。』 とL.デットーリ騎手はコメントしました。 G1ケンタッキーオークス、G12000ギニーと尽く勝てず、しかも、低人気のカジアでの優勝は同騎手にとっても驚きだったに違いない。 『僕は彼女には1000ギニーを勝つだけのスピードは無いと思ってましたが、それは間違いでしたね。 オークスに向けても良い感触を得ましたので期待できると思います。実はケンタッキーから戻って少し風邪気味だったのですが、とても良いシーズンのスタートが切れたと思います。 本当に驚きのレースでした!』 管理するS.ビン・スルール師も次のようにコメント 『カジアはタフでとても優れた牝馬です。11月にドゥバイに来た時はちょっと弱々しく痩せっぽっちでした。2月頃から力を見せ始めましたが、ギニークラスの馬に見えていましたよ。』 今季、チーム・ゴドルフィン陣営は古馬達はワールドワイドにその強さを見せてはいたが、3yo達はイマイチの状態であった。 サイレントオナーはドゥバイでの1000ギニートライアルでカジアを破って優勝し、ドゥバイのホープとして出走するはずであったが体調不良(喉の疾患)で回避。 しかし、今主役に躍り出たカジアはオークスとの2冠を狙うべくキャンペーンを開始する。 オークスの最新オッズでは5倍というのが一番高いオッズとなっている。 チーム・ゴドルフィンのレーシング監督サイモン・クリスフォード氏のコメント: 『昨年、彼女はイタリアでグループレース(G3ドルメロ賞)に優勝していますが、この時我々はクトゥブと共に現場にいました。 パドックで彼女を見たとき非常に気に入りました。そのビデオを見たモハメド殿下が彼女のオーナーにトレードのオファーを出したわけです。』 『レース前、いったんはイタリアオークスに向かわせようと思いました。が、今は違います、エプソムに向かわせます。 実は、私はレース前に(この状態では)どんなに頑張っても4着にしかなれませんよとボスに言いました。 しかし、ボスの意志は固く、しかも馬は見事に優勝しました。ボスの目は正しかったのです!』 『(エプソムの)馬場は少し速すぎる(固すぎる)かもしれませんね。柔らかい馬場なら十分に彼女の力が発揮できると思います。』 |
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<カジア> 牝・3yo 鹿毛 1999年4月12日生まれ ドイツ産 父:ジナード(父シャーリーハイツ) 母:コルナ(ラグナス) オーナー:Godolphin 生産者: Mrs R Grunewald 調教師: Saeed Bin Suroor |
2002/5/7 UP
※追記:カジア(KAZZIA)の発音をドイツ語的に"カッツィア"と改めます。(2002/5/14)