第19回ジャパンカップ!!


*第一夜・・・凱旋門賞馬には鬼門なのか?・・・
11月28日(日曜日)東京競馬場で・芝2400mで行われるジャパンカップ
待ちに待った感があります。
本年の参加メンバーはJC史上最高の豪華さ!
何しろ、日・英・愛・仏・独の5カ国のダービー馬が一同に会します。
凱旋門賞馬にして欧州最強馬の誉れ高いモンジュー。
英・チャンピオンS連覇を達成したアルボラーダ。
独・バーデン大賞を連覇してドイツ最強馬に君臨しているタイガーヒル。
本年は成績が芳しくないが一発大駆けのある昨年の英ダービー馬ハイライズ。
迎え撃つ日本陣営は・・・
春・秋天皇賞を連覇し日本最強馬のスペシャルウィーク。
東京競馬場にやたら強いオークス馬ウメノファーバー。
昨年の3歳牝馬チャンピオンのスティンガー。
何と、15頭の出走馬の内8頭がG1勝ち馬。
非常に楽しみな1戦になりました。
こうなったのも、ドゥバイの王子様が今年から始めたワールドシリーズの中にJCが組み込まれたことが大きいと思います。
しかしながら本当の理由は、エルコンドルパサーの欧州遠征によって日本馬のレベルの高さを認めた外国勢が
もはや、日本の競馬を本気に考え出した。と言うことではないでしょうか!
来年からは賞金額がアップし、世界最高賞金額の芝レースにリニューアルされます。
もっと強力なメンバーの集結が予想されますが・・・
さしあたっては、本年はその予行演習となるでしょう。
運営側も馬券を買う側もしっかりと勉強したいものです。

さて、JCは1番人気が勝てないレースとして有名です。
よって高配当が望めるレース。
しかし、レースに臨んでの各馬の状態を的確につかんでいれば獲れるレースなのです。
実績だけで1番人気になった馬達が無惨に敗れ去って行くのを何度見たことか・・・。
その最たるのが”凱旋門賞馬”。
かつて・・・JCに参戦してきた凱旋門賞馬達・・・その全てが敗れ去っています。
とすると・・・エルコンドルパサーをロンシャンの直線で切って捨てたモンジューも敗れ去るのか!?
・・・と言うことで、第1夜は凱旋門賞馬とJCについてです!(o^^o)

過去12年間の凱旋門賞馬 JC勝ち馬
1999 モンジュー
1998 サガミックス エルコンドルパサー
1997 パントンセレーブル ピルサドスキー
1996 エリシオ シングスピール
1995 ラムタラ ランド
1994 カーネギー マーベラスクラウン
1993 アーバンシー レガシーワールド
1992 スポーティカ トウカイテイオー
1991 スアーヴダンサー ゴールデンフェザント
1990 ソーマレツ ベタールースンアップ
1989 キャロルハウス ホーリックス
1988 トニービン ペイザバトラー
上の表は過去12年間における凱旋門賞とJCの勝ち馬を並べたものであるが、赤字はJCに出走した馬である。
では・・・振り返ってみよう!

1996年・・・・エリシオ。
4歳馬ながら、重馬場の凱旋門賞を見事逃げ切り楽勝!鞍上はO.ペリエ。もちろんJCは1番人気に押された。
天皇賞・秋を制したバブルガムフェローが2番人気。
レースは先行したファビラスラフインが直線になってもばてず、好位から抜け出したシングスピールと叩き合った。
エリシオは3番手から直線に向いたが進路が狭められるという不利を被りいっぱいに追われたがストラテジックチョイスと同着の3着に終わった。
直線のたたき合いをハナ差制したシングスピールがJC制覇。鞍上のF.デットーリ、してやったり!!
尚、バブルガムフェローは良いとこなしの13着だった。
エリシオは同年の仏ダービーこそ不覚の2着と破れたがそのほかのレースは圧勝!
凱旋門賞もペンタイアなどの追撃も何のその5馬身差で圧勝していた。
普通これだけの馬を欧州のレースシーズンが終わった11月の末にレースさせることはないし、それまでの傾向からいってもそのまま引退して繁殖入り!
と言うのが恒例であった。
しかし、エリシオは父こそ人気種牡馬のフェアリーキングであったが、母馬エリスは全くの無名馬であり血統的な魅力に乏しかった。
そのため、日本の馬産界への売り込みを含めた参戦であったとおもわれる。
その結果3着に破れたとはいえ、力通りに走ったと言えよう。
彼は翌年も走り、凱旋門賞連覇を狙ったが・・・失敗。
勝ったのはシーバード級と言われたパントンセレーブル!
その後電撃的に日本の社台ファームとのトレードが成立。日本での種牡馬入りが決定した。

1999年、英ダービーを制したオース(父フェアリーキング)の日本導入が決定。その直後フェアリーキングが急死!
主な産駒は日本にいるのだが、欧州からの買い戻しの話は来ていないらしい。
1993年・・・アーバンシー。
コマンダーインチーフが一番人気の凱旋門賞。不良巧者のアーバンシーは人気にはならなかったが、得意の不良馬場を制し勝利!
2着には追い込んだホワイトマズルが入った。
JCには2頭とも参戦してきたが、前走の勝利をフロック視されたアーバンシーは10番人気。多分フランス人がみたら怒るぞ〜〜〜!(^^ゞ
ホワイトマズルは2番人気。
1番人気は、BCターフを制して参戦してきたコタシャーン。
レースは終始2番手を進んでいたレガシーワールドが直線に入っても粘り続けた。そこに後ろから追い込んできたコタシャーンが追いつき差しきったのだが・・・。
何を思ったのか、鞍上のK.デザーモはファロン棒とゴール板を間違えるという大チョンボ!!
せっかく抜いたレガシーワールドに再び差されて2着に破れた。
アーバンシーは中段のまま良い所なしの8着。ホワイトマズルは13着に終わった。
馬場が合わなかった事と、JCの速い流れに着いていけなかったことが敗因にあげられる。
1989年・・・キャロルハウス。
稍重の凱旋門賞をなんとか粘り込み優勝。この時2着に入ったベヘーラに不利を与えたが降着にはならなかった。
その後日本の社台ファームの購入が決定!
急遽JCに参戦することになった。
レースは空前絶後のハイペース、イブンベイの大逃げにより刻まれたハイラップに後続馬は着いて行けない。
3番手4番手を折り合って進んでいたホーリックスとオグリキャップは直線に向いてもばてず壮絶な叩き合いに入る!
ゴール板でクビだけ前にでていたホーリックスが勝利。
その結果・・・2分22秒2というウルトラレコード決着となった。
3馬身はなれた3着には前年のJC馬ペイザバトラーが入った。
キャロルハウスはこのペースに全く着いていけずに14着。
日本の堅い馬場、レースのペース。顔見せ興行による調整不足・・・。

このレースから凱旋門賞馬にとってJCが鬼門となる。
1988年・・・トニービン。
日本でもおなじみのセリエAのペルージャのガウチ会長の持ち馬。(^^ゞ
イタリア4歳チャンピオン。5歳になって本格化した。ミラノ大賞、共和国大統領賞などに勝利。
イタリア国内では12戦10勝2着2回というほぼ完璧な成績。
サンクルー大賞でムーンマッドネスの2着。凱旋門賞はトレンポリーノの2着に好走。
6歳時はキングジョージSでムトトの3着。
連闘で臨んだ凱旋門賞は豪快に追い込んでムトトの追撃もかわし優勝、雪辱を果たした。
その後中1週でジョッキークラブ大賞に参戦したが2着。ここでシーズンを終われば良かったのだが・・・・。
日本購入が決定していたための顔見せにJCに参戦。
結果、直線良く追い込んだが、ペイザバトラーの5着に破れた。
ローテーションがきつすぎたのと日本の固い馬場に合わなかったのが敗因だと思われる。
さて・・・本年の凱旋門賞馬モンジューはどうであろうか???
エルコンドルパサーを差しきった凱旋門賞の走りから察すれば、参加馬中最も強いのは明らか!
ローテーション的には、今秋3戦目であり問題はない。遠征は愛ダービーで経験済み。
鞍上はM.キネーン。斤量は55Kg・・・裸同然!!
疑問があるとすれば・・・日本の固い馬場がどうか??ということだけである。
固い馬場で行われたリュパン賞で負けたのが唯一の敗戦。
奇しくもJC当日にはエルコンドルパサーの引退式が催される。
その強さを東京で見せつけることでライバルを讃えることができるのである。

さあ!見せてくれ!凱旋門賞馬の走りを!!

*第二夜・・・さて、結局どう買うの!?・・・
国際レースとなるJCではいつものようなスピード指数で比較可能なのは日本国内のレースに出走した馬だけになってしまう。
私の計算では、日本馬のうちでスピード指数の優秀な馬は・・・スティンガー、ステイゴールド、ラスカルスズカ、スペシャルウィークの順になる。
この中で、4歳馬のラスカルスズカには非常に疑問が残る・・・Gレースで連に絡んでないこと。3000mの菊花賞の疲れ。レース経験の少なさ。など
サイレンススズカの弟だけに勝って欲しいとは思うが、やはりこの馬は来年に期待したい。
スペシャルウィークは前走最後方から直線で素晴らしい末脚を使い天皇賞に勝利したが・・・。
サンデーサイレンス産駒にありがちなのらりくらりからの直線一気を得意としてる馬で、JCの様なよどみのない速い流れのレースには向かないと言える。
しかも、直線で進路を開けてくれるほどJCは甘くないのだ。
期待できるのは、前走中段から抜け出し、最後まで頑張り通したステイゴールド!勝つ可能性は少ないが2着に来る可能性は非常に高い。
また、スティンガーは東京コースを中心に使われており、馬自体もコースに慣れてきている。しかも、前走は先行してそのまま粘り切り4着に入った。
鞍上が岡部から横典に乗り替わるのは非常に問題だが・・・テン乗りなら大丈夫でしょう!(笑)

外国馬は全ての馬が日本で走るのは初めてであるので、固い馬場云々の影響はモンジューだけにあるわけではないと思う。
例えば、エルコンドルパサーが仮に出走していれば大本命に押されるであろうし、勝利すると思われる。
そのエルコンドルパサーに勝ったことがあるのはモンジューただ1頭だけであるのだから、単純にモンジューを本命に押しても良いように思う。
非常に残念な事に、私が密かに期待していたアルボラーダが出走回避。
ここ何年か牝馬が必ず連に絡んでいるだけに・・・マジにこの馬から行こうと思っていたのだが・・・・。(-_-)

前走のBCで不利を被り5着に破れてしまったボルジアは良馬場の方が向いている。
休養明け2戦目のフルーツオブラブは非常に怖い存在である。
飛び抜けて強いわけではないが上位にいつも来ている馬で、ステイゴールドに非常に似ている。(笑)
脚質が追い込みと言うのは気になるところだが・・・。

逃げ馬アンブラスモアがどの程度のラップを踏むかによってレースの結果は左右されるでしょう。
前残りになる可能性も無いわけではないので大荒れになる可能性もある。
結論!!
軸はモンジュー、そこからスティンガー、ステイゴールド、フルーツオブラブ、ボルジアにドカンと流す!
スペシャルウィークは今回は外す!
エビショー騎乗のウメノファイバーも記念に買っておこう!!


***結果と反省***

JCの7不思議・・・1番人気は勝てない。凱旋門賞馬は勝てない。・・・今年もこのジンクスは破れなかった。
しかし・・・
天皇賞・秋の勝ち馬はJCに勝てない!・・・というジンクスは見事に破れてしまいました。
武君、スペシャル君、厩舎のみなさん、おめでとうございます!m(_。_)m
またまたやってしまいました〜〜〜〜〜〜〜〜(T_T)
自信を持って外した馬が勝ってしまう・・・。非常にまずい展開です。爆発したい心境とはこの事か!?(笑)
ま、スペシャルウィークの強さは認めなければいけませんね・・・。反省しております。
しか〜〜〜し、有馬記念に出てきても絶対に買わん!!(▼▼) 初志貫徹あるのみ!!

それにしても、レースはスローに近い流れになりました。
そのため・・・人気薄のインディジェナスが前残りになってしまい大荒れ!!
逃げていたアンブラスモアが惨敗しているだけに、インディジェナスにも力があったことは認めなければいけませんが・・・。
期待のステイゴールド・・・やはり君は期待されると駄目なわけね!?(-_-) よ〜〜く解りました。次からは期待しないで買います。
スティンガ・・・やはり4歳牝馬にとっては厳しすぎるレースだったんでしょう。しかも2400mは彼女にとっては少し長すぎたかもね!
ウメノファイバー・・・オークスと同じレースでは勝てないよ〜〜〜!エビショ〜〜!(^^ゞ
モンジュー・・・この馬が強い事はわかるが、固い馬場、遠征、などの悪条件に負けたというべきか・・・。4着なら良く走った方ですね!
         来年も来てくれよ〜〜〜〜〜〜!(^^)
勝利ジョッキー武君のインタビュー・・・
『また一つ夢が叶いました。作戦は立てずに流れに任せて乗った。
向こう正面で折り合いも付いたし、最後は良い脚を使う馬ですから、それを信じていました。
良い手応えで直線も伸びてくれました。もう最高です。』
1番人気モンジューの調教師ハモンド師のインタビュー・・・
『フランスからの長距離輸送で、100%の体調ではなかったようだ。そのため、彼に必要な運動をさせることができなかった。』
人気薄で2着に突っ込み、万馬券の片棒をかついだインディジェナスのアレン調教師のインタビュー・・・
『非常に満足しています。このレースに招待してくれたJRAに感謝の言葉を言いたい。彼がワールドクラスの馬である事は誇れることであるし、
2着に入るなんて・・・ゾクゾクしちゃうよ!』


第19回ジャパンカップ(The 8th race in the Emirates World Series Racing Championship)結果.

Japan Cup - (Gr 1)

15.20 pm発走 (日本時間) 1999年11月28日(日曜日): 東京競馬場、日本

1着賞金:1億3200万円:2400m・芝 :馬場 良

着順

馬番

馬名

着差

オーナー

調教師

騎手

1

13

Special Week (JPN)

 2:25:5

H Usuda 

Toshiaki Shirai 

Y Take

2

7

Indigenous (IRE)

1 1/2 

Mr Pang Yuen Hing 

I Allan 

D Whyte

3

12

High-Rise (IRE)

nse 

Godolphin 

S bin Suroor 

Lanfranco Dettori

4

14

Montjeu (IRE)

3/4 

Michael Tabor 

J Hammond 

M J Kinane

5

6

Rascal Suzuka (JPN)

Kaiji Nagai 

Mitsuru Hashida 

Y Shibata

6

10

Stay Gold (JPN)

1/2 

Shadai Race H 

Yasuo Ikee 

S Kumazawa

7

8

Suehiro Commander (JPN)

nk 

Midori Jutaku Co Ltd 

Shigeki Matsumoto 

S Fujita

8

15

Borgia (GER)

nk 

Gestut Ammerland 

A Fabre 

O Peslier

9

11

Fruits Of Love (USA)

hd 

Mick Doyle 

Mark Johnston 

M Roberts

10

1

Tiger Hill (IRE)

1 1/2 

Baron G von Ullman 

P Schiergen 

T Hellier

11

3

Embrasser Moi (JPN)

3/4 

Hagimoto Kikaku Co Ltd 

Hikozo Sugai 

N Sugai

12

2

Umeno Fiber (JPN)

T Umezaki 

Ikuo Aizawa 

M Ebina

13

5

Osumi Bright (JPN)

H Yamaji 

Tadashi Nakao 

K Take

14

4

Stinger (JPN)

Teruya Yoshida 

Kazuo Fujisawa 

N Yokoyama

単勝:340円
複勝:160円、1580円、600円
枠連:4−7 1510円
馬連:7−13 23190円