第24回JCターフ&第5回JCダート

11月28日に東京競馬場で行われた2つのG1レース・・・JCダートとJCターフ・・・の上位3頭は全て日本馬だった。
晴天に恵まれたこの日の競馬場には11万9362人の観衆がつめかけましたが、これは昨年比で約145%増、やはり2つのG1レースを同日に開催するというイベント性の効果は大いにあった。
まあ、小川選手のハッスル〜〜!の効果は無かったろうな(笑)。
しかしながら売り上げは3.3%減。これは私が予想していたよりも遙かに高い数値だった。下手すれば10%、いや20%は減るだろうと思ったが、杞憂だったようだ。
G1レースを小出しにして開催した方が売り上げが伸びるなんて言うセコイ考え方は早くやめるべきだ。
もはや、馬券の売り上げよりも、スポーツとして国際イベントとして盛り上げるべきであって、この流れは止められないと思う。
なのだが、2005年は再び土日で1レースずつやることになっているらしい・・・変更は効かないのかな!?

さ〜て、JCダートでは武騎手が単勝12倍の穴馬タイムパラドックスを巧騎乗で優勝させ、2着にはド1番人気(単勝1.7倍)だったアドマイヤドン、3着にジンクライシスが入り、アメリカ馬のトータルインパクトは4着に入るのが精一杯だった。
JCターフは1番人気(2.7倍)だったゼンノロブロイとコスモバルク(2番人気で単勝6.2倍)の1-2。3着にアンカツ騎乗のデルタブルース、4着にE.ルルーシュ厩舎のポリシーメーカーが入った。
両レースの勝ち馬共に社台ファームの生産馬であり、総帥の吉田照哉氏は万々歳のご様子でした。

武騎手はタイムパラドックスに騎乗するのはこれが2回目。前走のG1JBCクラシックではアドマイヤドンの3着にやぶれていた。
両馬共に管理するのは松田博師。アドマイヤドンは昨年に続いての2着。・・・昨年は気絶するような番狂わせで単勝51倍のフリートストリートダンサーが優勝した・・・
レースは大外から発走したローエングリンが1コーナ前で先頭に立って、ペースを作った。少し速い流れ。
【というか、1000m通過59秒7はJCターフの59秒4と殆ど差がない。そりゃ、ばてるわな〜。】
タイムパラドックスは中段に構え、トータルインパクトはやる気満々の3番手を進む。
直線に入ると、先頭にいたローエングリンには既に脚はなくズルズルと後退。トータルインパクトが自然の流れで先頭に立つ。
このまま押し切ったら、さすがアメリカのG1馬、すごいな〜!となるところであったが、府中の直線は長い。
最内から強引に抜け出してきたタイムパラドックスにかる〜く抜かれ、ゴール前怒濤の如く上がってきたアドマイヤドンとジンクライシスにもかわされて4着に終わった。
勝ち馬と2着馬の差は2馬身半もあり、快勝或いは楽勝と言える勝ち方だった。ダート2100mの勝ちタイムは2分8秒7。
『位置取りは完璧だったし、仕掛け所も問題なかった、しかし、今日は勝った馬が強かった。』
とは、トータルインパクト鞍上のM.スミスのコメント。

ゼンノロブロイは藤澤師に初のJC優勝という栄誉をもたらした。同師は過去8度、ここ最近ではバブルガムフェロー、シンボリクリスエス(共に3着)で臨んだが美酒を味わう事はできなかった。
大っぴらには公言していなかったが、同厩舎であるマグナーテンに岡部翁を騎乗させペースメーカー役をやらせていたとしたら・・・これは画期的な勝利であると言える。
岡部騎手はレース後のコメントで『良いペースメーカーだったね〜。』と言っていて、まんざらでもなさそう(笑)。
馬群はばらけて縦長になり、第3グループにゼンノロブロイは位置取りした。800mを47秒60、1200mを1分11秒40、1600mを1分36秒50だからどちらかというと緩い流れ。
さすがにこのまま逃げ切るのはマグナーテンには無理。直線にはいると各馬一斉に追い出す。
今回ルメール騎手に乗り換わったコスモバルクは終始2番手で折り合い、直線でもなかなか垂れない。
ゴール前でデルタブルース、ポリシーメーカーを差し返しての2着はエライ!力のあるところは十分に見せつけた。
この馬はまだ3yoだし来年が楽しみだ。本年の菊花賞馬デルタブルースが直線で長い脚を使い3着に。
さすがダンスインザダークの仔は鋭くはないが長い脚が使える。
それにしても優勝したゼンノロブロイは強かった。鞍上ペリエ騎手が巧く乗ったこともあるが、3馬身差というのは楽勝だろう。
この馬には2400mは長すぎると思っていたが、全然大丈夫だった。
秋の天皇賞を勝ってから一皮剥けて所謂名馬になってしまった感じがある。京都大賞典の時とはハッキリと別の馬に見えた。
2400mの勝ちタイムは2分24秒20だった。キングカメカメハのレコードには届かなかったが良い走りだったと思う。
3yo馬が2−3着に入ったことを受けて
『それにしても3yo馬は本当に強い。キングカメカメハがいたら楽に勝っていたね。』というアンカツのコメントは興味深い。
しかしだ、それが競馬というもの。勝った馬を素直に誉めてあげよう。
私が期待していたナリタセンチュリーとヒシミラクルは見せ場はあった。
ミラクルは直線ではトップにさえ立てた。しかし、まだ呆けているのだろう・・・本来の走りにはほど遠かった。有馬に期待。
ナリタは前半少し行きすぎたらしく、直線では頑張ったが5着まで。ヨシトミのミスだろう。
A.オブライエンの刺客パワーズコートは前半の馬群がばらけた流れに戸惑っていたというかあの流れだと付いていけてなかった。
どうせなら、バルクと同じ位置に付けてスタミナ勝負に出ていればもう少し上位にきていたかもね。
ハーツクライと同着の10着に敗れた。クールモアーももう少しマシな馬を連れてこないとJC制覇は遠い夢だろうな〜と思った。
ウォールサンはパドックで既にねむそ〜な顔していたし、直線の追い比べでは脚が殆ど使えてなかった。15着。
ゼンノロブロイの全弟はキーンランドのセプテンバーイヤリングセールに出されたが、売れなかったので日本に戻っているらしい。
まあ、米国で走らせても多分意味はないだろうから、海外に在住の人にも日本での馬主資格が与えられるようにならない限り、買ってはくれないだろうと思う。
積極的に海外に(特に北米)撃って出るか、国内の競馬を解放するか、どちらか或いは両方行うべきだな。
これは、ファンの為でもあるし、生産者及び全て競馬に関わる人の為にでもあると思う。

2004/11/30 UP