第24回JCターフ&第5回JCダート
●HPの更新をさぼること数ヶ月・・・・気づけば既に11月も終わろうとしているじゃありませんか!!
今週末には東京競馬場でG1ジャパンCとジャパンCダートが行われます。
今年はJRAが創設されて50周年と言うことで、日曜日に2つのG1レースを行うそうです。
しかし、例年土日でやっていたモノを、1日繰り下げただけでは、殆ど意味はない。
50周年を記念するなら、先週のマイルチャンピオンやエリザベス女王杯を土曜日と日曜日に巧く割り振って、ジャパンカップ・ミーティング自体を盛り上げて欲しかった。
土日でG1レースが4つ、距離もコースもバラエティーに富んでいれば、もっと多くの外国馬たちが来たことでしょう。
JRAのお偉いさん方の錆びた頭じゃ、無理だろうけどね。
大体、今回のJCに参加する外国馬たちも、12月に香港開催があるから、そのついでに来ているに過ぎないと言うことに気づかないとアカンわ。
何度も言ってるが、国際化は絶対にするべきものである。
今すぐにでも、全てのG1レースを外国馬に解放するべきである。
賞金を全部持って行かれるかもしれない。まあそれは覚悟の上だ。
国際舞台で日本産馬が走ると言うことが重要なのであって、直ぐに結果は出なくても宜しい。
そうした過程がないと、本当の意味での種牡馬及び繁殖牝馬の選定ができない。
内国産限定のレースに勝った馬を種牡馬にしても成功しないのは、『本来は種牡馬にすべきでない馬』を種牡馬にしているからに過ぎないからである。
そして、高レベルのレースを開催するには、多くの外国馬及び内国馬にでて貰う必要がある。
結局のところ、開催のプログラムをもう少し考えれば済むことなのだが、主催者側は馬券の売り上げのことしか考えていないようだ。
理想としては、ジャパンカップ開催は、木曜日あたりから日曜日まで連続開催にして、短距離から長距離までの王者決定戦とすべきだと思う。
JRA版のブリーダーズカップみたいにね。
とは言え、12月に香港開催があるお陰で、今年も数頭の外国馬が出走してくれるようだ。
中でも注目すべきは、あのA.オブライエン師が初めて日本に来ると言うこと。(だったが本人は来日しない予定になった)
クールモアグループが本格的にアジア進出を目論み始めたようだ。
勝てない競馬には絶対に出走させない、負けた場合でもプライドが傷つかないような言い訳を用意している同師が連れてきたのはパワーズコート(4yo・牡)。
3yo時はG1愛ダービーがアラムシャールの6着。G1愛セントレジャーが3着。というイマイチ君ぶりだったが、
今年になってG1レースばかり7回出走するまでに出世。緒戦の5月のタタサルスゴールドCになんと優勝。
まあ、このレースは日本で言うと大阪杯とか日経賞に相当するレース。
そして大本番のG1プリンスオブウェールズSはラクティーの2着だが2馬身差も離された。
エクリプスSでは復活したリヒューズトゥーベンドの5馬身差5着。ドイツに遠征したバイエルン賞も勝ちきれず2着。
左回りのアーリントンミリオンでは1着入線も降着してしまったし、このレースは空き巣狙い的に絶対に勝たねばならないレースだったのに・・・。
その後、愛チャンピオンSとBCターフに出走し両方共に3着に終わっている。
着順だけみれば安定しているが、今年は欧州の芝路線はレベルが低かったとも言えなくもない。
能力があることは認めざるをえないが、非常に癖のある馬なので信用度は低い。
また、アーリントンミリオンで芝10Fを2分00秒で走破しているので、時計勝負に強い様な感じもするが、日本の馬場に合いそうな血統でもない。
ハッキリ言って、A.オブライエン軍団にしてはB級の馬である。
この馬で、仮に優勝して、種牡馬として日本に買って貰えればOKみたいな魂胆が丸見えだし。
負けたとしても、『まあ、一線級じゃないし』みたいな言い訳を用意していること間違いなし。
『攻め馬手によれば動きも良いし落ち着いていると言うことだ。今年は忙しいシーズンだったが、まだ元気はあるようです。』と師はコメントしている。
英国馬のワールサン【JRA表記だとウォーサン】(6yo・牡)は叩き上げの親父馬。3yoの5月にデビューし、初優勝が4戦目のハンデ戦。
4yoの5月まで条件戦をうろうろしていたが、ロイヤルアスコット開催のG1ゴールドCに出走し、ロイヤルレベルの8着に大敗。
この年、G1愛セントレジャーにも挑戦するが4着に敗れた。
5yoになり緒戦のG3ジョンポーターSを勝つと続くG2ジョッキークラブSに連勝。もう一叩きして出走したG1コロネーションCになんと優勝!
このレースはG1英ダービーと同じ起伏の激しいエプソムの12Fで行われるのだが、6yo時の今年も優勝しており、大好きなようだ。
カーリアン産駒の重戦車タイプなので、馬場が昨年のJCの様になれば浮上してくるだろうが・・・。
時計勝負になると、不利だろう。尚、管理するC.ブリテイン師は18年前にジュピターアイランドでJCに優勝経験有り。
G1サンクルー大賞典2着で、G2フォア賞に優勝し、G1凱旋門賞でもダークホースの1頭にみられていたポリシーメイカー(4yo・牡)。
しかし19頭立ての19着最下位に敗れ去った。イメージとしては同じフランス馬のアンジェガブリエルを2回りほどスケールダウンしたような感じ。
同じフランス馬ならリュヌドール(3yo・牝)の方が面白い存在。
今季6戦して4勝。G1ヴェルメーユ賞ではスイートストリームの10着に惨敗したが、毎月1レースというローテーションが守られており前走の伊G1リディアテシオ賞には優勝している。
JCに勝つことは難しいが、3着までならあるかもしれない。
昨年のG1カナディアン国際の勝ち馬フェニックスリーチ(4yo・牡)はどうだろう。
今季はG1レースばかり3戦しているが掲示板には載らず。G1キングジョージでドワイエンの大差10着以来のレースとなる。
尚、外国馬のうちパワーズコートとウォーサンはJRAの認める報償レースに勝っているため、JCに2位以上なら特別ボーナスが出る。
この辺りも馬券を買うときの参考になりそうだ。
受けてたつ日本馬だが、キングカメハメハ引退以来大将格は存在していない。
天皇賞・秋に優勝したゼンノロブロイ(4yo・牡)は2400mは明らかに長い。スローからの上がりのレースになれば着の可能性もあるが、JCはそんなに甘くない。
ハイレベルだった(?)3yo世代からは5頭も参戦。
クラシックを賑わせたコスモバルク、菊花賞馬デルタブルース、ダービー2着のハーツクライ、同じくダービー3着のハイヤーゲーム、そして菊花賞2着のホオキパウェーブ。
戦績をみれば、現3yoの最強所が出てくることになる。
ここに京都大賞典勝ち馬のナリタセンチュリー(5yo・牡)と昨年の古馬最強の1頭だったヒシミラクル(5yo・牡)が絡んでくる。
考えられるレース展開としては:
外国馬のポリシーメイカー、フェニックスリーチ、パワーズコートが先行馬。
マグナーテン(8yo・セン)、トーセンダンディー(6yo・牡)が逃げて、そこにコスモバルクが掛かり気味に上がっていけば、その後ろに控えるデルタブルースは非常に楽。
ハイペースでレースが進めば、差し馬有利となってナリタセンチュリーが浮上してくる。
なので、我が輩の予想としては:
ナリタセンチュリー、デルタブルース、パワーズコート、ヒシミラクル・・・この4頭で決まると読む。
人気になるであろうゼンノロブロイはやはり2400mは長い。京都大賞典でナリタセンチュリーに勝てなかったことからもそれは分かる。
第24回JCターフ 2004/11/28 東京競馬場芝2400m 3yo以上 16頭立て 馬番 馬名 脚質 性齢 負担
重量騎手 調教師 1 [外] ポリシーメイカー 先行 牡 4 57.0kg S.パスキエ E.ルルーシュ 2 [外] リュヌドール 追い込み 牝 3 53.0kg T.ジャルネ R.ギブソン 3 ハーツクライ 追い込み 牡 3 55.0kg 武豊 橋口弘次郎 4 (市) ナリタセンチュリー 差し 牡 5 57.0kg 柴田善臣 藤沢則雄 5 [外] フェニックスリーチ 先行 牡 4 57.0kg M.ドワイヤー A.ボールディング 6 (外) マグナーテン 逃げ せん 8 57.0kg 岡部幸雄 藤沢和雄 7 (父) デルタブルース 先行 牡 3 55.0kg 安藤勝己 角居勝彦 8 エルノヴァ 追い込み 牝 5 55.0kg 藤田伸二 藤沢和雄 9 (市) ゼンノロブロイ 差し 牡 4 57.0kg O.ペリエ 藤沢和雄 10 [地] コスモバルク 逃げ 牡 3 55.0kg C.ルメール 田部和則 11 (父)(市) ヒシミラクル 追い込み 牡 5 57.0kg 角田晃一 佐山優 12 ハイアーゲーム 追い込み 牡 3 55.0kg M.デムーロ 大久保洋吉 13 (市)(地) トーセンダンディ 逃げ 牡 6 57.0kg 江田照男 森秀行 14 (市) ホオキパウェーブ 差し 牡 3 55.0kg 横山典弘 二ノ宮敬宇 15 [外] パワーズコート 先行 牡 4 57.0kg J.スペンサー A.オブライエン 16 [外] ウォーサン 差し 牡 6 57.0kg K.ファロン C.E.ブリテン
●第5回JCダート
今年で5回目を迎えるこのレース・・・世界1不可思議なG1レースでもあります。
だって、ダートのJCと言うモノの、アメリカの一線級はまず来ないし、ここで優勝したからと言って、ドゥバイや北米から評価(で活躍)されるわけでもない。
そもそも、本来のダートとは全然違うモノをダートと呼んでいるだけなのが問題。
北米では最強馬はダート馬である。それは何故かというと、ダートの方がスピードが出るから。
欧州のチャンピオンがBCにマジに挑戦する場合もダートの方に出走する。
それが、世界の常識だからである。その点我が国では、芝のレースに足りない・・・一段落ちる・・・馬達のためのレースであると認識が強い。
ハッキリ言えば、北米の一流馬が何故に欧州の芝のレースに出ないか?それと同じである。
我が国では芝のレースの方がステータスは高いし、ダートの質をアメリカ並みに変更する気がないのなら、闇雲にJCダートに北米の一流馬を招待するのはやめた方が良い。
距離の2100mというのも非常に中途半端だしね。
さてさて今年は、北米王者のプレザントリーパーフェクトが出走するはずであったが、BC後に怪我をしてしまって引退することが決まった。
シガーの賞金記録を更新するために出走するはずだったのだが、まあ来なくて良かったと思う。
その代わり、トップクラスの1頭トータルインパクト(6yo・牡)が出走する。今季のG1ハリウッドGCの優勝馬である同馬は、2001年のチリのチャンピオン馬。
な為に、BCへの登録がされておらず、高額な追加登録料を払うのを嫌ってBCを回避し、JCダートに挑戦する。
と言えば、2001年のリドパレスを思い出す。
この馬は、東京競馬場で行われた公開調教で実際に見たのだが、筋骨隆々として非常に力強い馬に見えた。
ところが、馬場に適応できずクロフネから遠く離された着外に敗れ去った。
今回も同じようになることは間違いないだろう。昨年のように大雨で路盤が剥き出しになればスピードが活きるが、今年はおそらく良馬場。
先輩リドパレス同様馬場に苦しむだろう。
他2頭の招待馬、ドイツ馬のオミクロン(3yo・牡)はG1ドイツダービー3着の実績があるが、いわゆるダートは初。
父系はトランポリーノを経由するエタン系。この父系は欧州では芝の長距離に強い。日本では穴血統であり、ダートには適応を示さない。
穴という響きだけで軽く抑えておくのも良いだろう。
さっぱり分からないのがヴォルテクス(5yo・セン)。英国のダートコース(オールウェザーコースと言う)のハンデ戦で5連勝したこともあるこの馬。
今季のシャガーCでは武騎手が乗ってアスコットの1マイル戦を1分41秒3で走破している。
日本で言うところの1000万クラスの条件馬が、JCダートでどの様な走りをするのかは非常に興味深い。
さて、迎え撃つ日本陣営だが:
ここには我が国のダート王アドマイヤドン(5yo・牡)が待ち受けている。
今季5戦3勝。G1ドゥバイWCでは意味不明の大惨敗を喫してしまったが、2000mのダートでは無類の強さを発揮している。
国内には敵なし。重戦車の如く府中の直線を駆け上がっていくだろう。他の日本馬とは既に勝負付けは終わっているので脅かされることも無いと思う。
JCダートに活路を見いだすべく出走してくるローエングリン(5yo・牡)は全くの未知数。
シングスピール産駒は日本では芝に適正があって、ダートには向かない。2100mという距離も長すぎる。
1800mのダートなら、ギリギリ逃げ切れるかもしれんなぁ〜。
第5回JCダート 2004/11/28 東京競馬場ダート2100m 3yo以上 16頭立て 馬番 馬名 脚質 性齢 負担
重量騎手 調教師 1 [地] ナイキアディライト 逃げ 牡 4 57.0kg 石崎隆之 出川龍一 2 クーリンガー 先行 牡 5 57.0kg 和田竜二 岩元市三 3 スナークレイアース 差し 牡 9 57.0kg 小野次郎 川村禎彦 4 (外) ジンクライシス 先行 牡 3 55.0kg 蛯名正義 土田稔 5 (市) ユートピア 逃げ 牡 4 57.0kg M.デムーロ 橋口弘次郎 6 (外) イーグルカフェ 追い込み 牡 7 57.0kg 田中勝春 小島太 7 [外] オミクロン 差し 牡 3 55.0kg A.スボリッチ M.ホーファー 8 (父) シロキタゴッドラン 先行 牡 5 57.0kg 柴田善臣 中尾秀正 9 (市) ハードクリスタル 差し 牡 4 57.0kg 岡部幸雄 作田誠二 10 アドマイヤドン 差し 牡 5 57.0kg 安藤勝己 松田博資 11 [外] トータルインパクト 先行 牡 6 57.0kg M.スミス L.ドゥスルー 12 [外] ヴォルテクス 先行 せん 5 57.0kg K.ファロン G.ケレウェイ 13 (市) トップオブワールド 先行 牡 3 55.0kg 四位洋文 藤岡健一 14 タイムパラドックス 差し 牡 6 57.0kg 武豊 松田博資 15 ホーマンベルウィン 差し 牡 7 57.0kg O.ペリエ 西園正都 16 ローエングリン 逃げ 牡 5 57.0kg 横山典弘 伊藤正徳
2004/11/27 UP