第22回 JC海外招待馬紹介
●1981年から始まったJCも2002年で22回目を迎えます。
過去21レース中、海外調教馬の勝利は12度。しかし、近年は1997年のピルサドスキー以来勝利がない。
昨年などは1〜5着まで全部日本馬が独占。最高位はゴーランの6着だった。
回を重ねるごとに外国馬にとって勝つことが非常に難しくなってきたJCですが、そろそろ爆発してもらいたいものです。
今年は、開催場所が中山競馬場となるので(芝2200m)最後の坂をこなせるだけの根性とスタミナを持った馬にチャンスは生まれるだろう。
では、招待馬を見ていこう。
JCターフに出走する外国馬がほぼ決まりました。
当初、登録のあった英・愛ダービー馬・BCターフ優勝馬のハイチャパラルはJCを回避し香港に向かう。
フランスの女傑アクアレリストもJCをパスして香港に向かうらしい。
一部のマスコミ(日刊スポーツ)では、有名所がJCを回避したので今年のJCの招待馬はちょっと寂しいなどと書いていたが・・・。
私に言わせれば、何言ってるの!?てな感じです。
だってね、ハイチャパラルはBCターフや英・愛ダービーに優勝はしてるけどね。
芝2400mで2分30秒以上掛からないと勝てない馬なんだよ。
こんなの日本のコースで走っても、多分準オープンクラスのレースでやっと勝ち負け程度だよ。おそらく・・・(ちょと言い過ぎか)。
まあ、管理するA.オブライエン師は勝てないレースには出ない!主義なので(まあそこがおもろないけどね)、香港を選んだんだろう。
さて、我がJCには昨年に引き続きゴーラン(牡・4yo)がやって来る。
昨年の英2000ギニー馬で今年のキングジョージSの優勝馬。管理するM.スタウト師は今年の目標にJC制覇をよく口にしていた。
良馬場でむしろ堅い馬場の方が得意な同馬は、凱旋門賞をスキップしてBCターフに出走したが、道悪の為力を発揮できなかった。(6着)
本来中距離馬のゴーラン(スタウト師も言っている)にとっては中山の芝2200mは最大のチャンスであると思う。
持ち味の斬れる末脚を活かすには馬場は良固が望ましいし、この季節、雨が降りにくいので馬場も良固で行われそうである。
通算成績は10戦4勝である。昨年のリベンジを期待する!
フランスのE.ルルーシュ師が連れてくるブライトスカイ(牝・3yo)は今年の仏オークス馬で10月の凱旋門賞当日に行われたG1オペラ賞(日本で言うところのエリザベス女王杯みたいなもの)にも1番人気で優勝している。
同厩舎にはアクアレリストという女傑がいたが、この馬は凱旋門賞の方に出走していた。(6着)
ブライトスカイはJC一本に絞って調教されており、陣営の気合いの入り方が違うようだ。(笑)
オペラ賞・芝2000mの勝ちタイムが2分2秒3(馬場は稍重程度)なのは優秀。
父ウルフハウンドはヌレイエフ産駒で母父はアリシーバなので、日本だと斬れると言うより力で勝負ということになるんかな。
通算成績は10戦5勝。
※追記※
B.コーニュ氏(E.ルルーシュ師の代理)のコメント:
『前走のG1オペラ賞から7週間開くが、状態は良いし食欲も旺盛だ。馬体重も問題ないし体つきはバッチリです。
中山で追い切りをする予定です。調教師と騎手は19日に(火曜日)に来日します。翌20日に追い切るつもりです。』
イタリアからはファルブラヴ(牡・4yo)がやって来る。
欧州でもトップクラスのスピード馬である同馬にとって日本の馬場は最高の舞台となる。
なんと言っても2000mを1分57秒台で走れるスピードが信条。
今季、イタリア最強古馬の同馬は英国に遠征しG1キングジョージに挑戦したが、如何せん重い馬場と高低差のあるハードなコースにいじめられて惨敗。
G1凱旋門賞で巻き返しを狙ったが、またもや馬場と距離に苦しめられて9着に敗れている。
春先の力がなくなってしまったとは思われないのでJCでは期待したい。
ひょっとしたらウルトラレコードが誕生するかもしれない。通算成績は15戦7勝。
尚、鞍上は丁度空いていたL.デットーリ騎手になる模様である。
香港からやってくるのは老雄インディジェナス(セン・9yo)。言わずとしれたI.アラン師の馬。
スペシャルウィークが勝ったレースで2着に突っ込み万馬券の片棒を担いだ奴!(笑)
昨年も参加し7着に入っている。
今年は春先のG1クイーンエリザベス2世Cでアッと驚く3着に入線したり、G1シンガポール航空国際Cでもグランデラの3着に入っている。
近年の日本でのレースでは着外が続いているので、馬場が渋るなどして時計が掛からないと辛いかな・・・。
でも私の好きな馬なので無事に走って欲しい。通算成績は65戦15勝!
3yo牝馬2頭目のチャレンジャーはイレシスティブルジュエル(牝・3yo)。
この馬はブライトスカイが勝ったG1オペラ賞で2着に入った馬で、春のロイヤルアスコット開催ではG2リブルスデールSに優勝している。このレースは残念オークス的なもの。距離的には中山の2200は問題無いように思える。
数年前のオールカマーでメジロドーベルがまんまと勝ってしまった様なことになるかもしれない。
父デインヒルは今や世界最強牝馬ではないかと言われているファインモーションと同じ。^^
通算成績8戦3勝。
北米から挑戦してくるのはサラファン(セン・5yo)。
レベルの低い米国芝路線ではトップクラスであるが、日本で言うとロサードクラスの馬である。
マイルから2000mくらいまでのレースに出走し、まずまずの成績(G1アーリントンミリオンでは2着)を上げているが、如何せん米国芝路線はお話にならんほどレベル低いです。
やっぱ北米馬でJCターフに挑戦するならダートで強い馬(スピードのある馬)じゃないと通用しないでしょうな。
通算成績27戦7勝。
最後に紹介するのは、やっと念願のG1勝利を飾ったストーミングホーム(牡・4yo)。
同馬はガリレオ世代の期待馬であったが、天才相手では分が悪くG1英ダービーは5着に敗れた。その後G1愛ダービーに行くのは諦めてロイヤルアスコット開催のG2キングエドワード7世Sに進んだが、なんとメンバーに恵まれたこともあるが(と言っても後にセントレジャーに勝つミランがいた)12Fのこのレースに快勝!
そして、再びガリレオに挑戦すべくG1キングジョージSに向かった。
まあ、この年のキングジョージはガリレオv.s.ファンタスティックライトの図式ができあがっており、おまけみたいな感じであったがなんとか4着に入ることができた。
秋シーズンはG1セントレジャーを狙いに行くはずだったが、前哨戦でミランに完敗したところで矛先を変えてG1凱旋門賞トライアルに出走。
しかし、G2ニエル賞では7頭立ての7着に惨敗。(優勝したのはゴーラン)
そして休養入り。今季は5月から始動。緒戦のG2ジョッキークラブS(12F)はマリエンバードの3着。
続くG1コロネーションC(12F)はボレアルに完敗の2着。ロイヤルアスコット開催でのG2ハードヴィックS(12F)もジンダバドの2着。
そして本番のG1キングジョージではゴーランの6着に惨敗。
まあ、はっきり言ってG1を勝つレベルにある馬ではなかったと言うことである。
ここで終わればナイスネイチャ級なのだが、陣営は是が非でもG1を勝たせたいらしく、ネイエフが回避ししかもBC前のため有力馬が皆無の(笑)G1英チャンピオンSに出走させた。
まあ、これで負けたらどうしようもないところだが・・・なんとか優勝し溜飲をなでおろした。
で、今季は休養入りする予定だったらしいのだが急遽JCに参戦決定。
柳の下に2匹目のドジョーはいないと思うよ。^^;
通算成績18戦5勝。
※追記※・・・中山競馬場に入ったストーミングホーム
G.スノック攻馬手のコメント:
『長旅で少し疲れていたようだがもう大丈夫です。中山競馬場の環境はとても良いですし食欲も旺盛です。
調教師と騎手は水曜日(20日)に来日の予定です。それまでは軽い運動にとどめておきます。
騎手が乗っての追い切りは木曜日になると思いますが、水曜日にならないと詳しいことは分かりません。
木曜日か金曜日に芝の本場馬で追い切りたいと思います。』
以上、今年の参戦馬を見てみると、本来は中距離馬と言うのが殆どである。
やはり2200mという距離を考慮してのものだろう。現に凱旋門賞馬のマリエンバードがJCに参戦しないで引退した理由は距離が合わない(短すぎる)と言うことだったし、ハイチャパラル、アクアレリストのJC回避の表向きな理由も同じである。
どうせなら思い切って芝2000mにしてしまえば、マイラーも参加できたし例のグランデラ(選手権ポイント第1位馬)も出走してくれたかもしれないね。
東京競馬場より勾配のきつい最後の坂が欧州馬にとってどう影響するかを見てみたい。
迎え撃つ日本馬の活躍も期待してます!!
2002/11/14 UP