シンガポール国際開催

国際Cに優勝したグランデラ
●5月11日の夜に行われた2つの国際レースの結果です。
クリスフライヤー・スプリントに出走した日本のエアトゥーレはよく頑張って3着に入着しています。
芝に適応できれば大楽勝だと思っていたコラーワンはまさかの最下位。しかも20馬身以上も離されています。(笑)
さて、ワールドシリーズ第3戦に組み込まれた国際Cはユニバーサルプリンスの落馬などがありましたがUAEのグランデラが優勝。
香港での雪辱を成し遂げました。武騎手鞍上のアトランティスプリンスは9着。
クイーンエリザベス2世Cで古豪の意地を見せたインディジェナスがここでも3着に入線!頑張ってます〜〜。
ドイツ馬パオリーニが2着。期待していたテルアテルは回避した模様。
勝ちタイムが2分1秒も掛かるところから、多少重い馬場だということが想像されますね。

レースは国際Cの方が単勝2.6倍の1番人気に押されたUAE代表のグランデラが後方からのレース。
ウエスタンプライドが高速で逃げたため、レースはハイペースとなりました。
外枠から発走したドイツのパオリーニが内側にコースを横切る。鞍上は名手A.シュボリクス。
残り300mで猛然とダッシュ。
しかし、グランデラが後方にとりつくと鞍上L.デットーリ騎手のゴーサインで素早く抜き去り、ゴールしたときには2馬身の差をつけていました。
香港の老雄インディジェナスはペースに遅れることなく普段通りの3着に入線。4着には同厩舎のオリンピックエクスプレスが入りました。
英国のホークアイはワンペースの5着。6着には地元のパレスライン。
直線の入り口でオーストラリアのユニバーサルプリンスが落馬したが、運良く馬も人にも怪我はありませんでした。
フランスからやってきたテルアテルは午前中の血球数検査で異常な数値が出たためにレース回避となりました。

G3クリスフライヤー・スプリントは出走馬中唯一の3yo馬だったノースボーイが優勝。
残念だったのは1番人気のコラーワンが12頭中の最下位に終わったことだ。
鞍上のG.スティーヴンス騎手はただ単に芝に適応できなかったとコメントしている。
日本からやってきた牝馬エアトゥーレは良く追い込んで3着に入った。
4着にはこれも後方3番目から追い込んできたフランス馬デンジャーオーバー。
勝ち馬ノースボーイは昨年の同レースで優勝したフランス馬アイアンマスクに続く2番目の3yo馬によるこのレースの勝ち馬。
<追記>
たった今、両レースの映像を見ました。(香港ジョッキークラブのHPで配信しています。是非どうぞ!)
さすが国際レース。前半のペースが半端じゃないよ。あれじゃ、前に行ってた馬は脚が保たない。
国際Cで武騎手は直線に入ったところまでは2番手を走っていましたが、前半脚を使いすぎていたのでバテてしまったようですね。
あと、大外発走のパオリーニ鞍上のA.シュボリクス騎手のウルトラテクニックは凄い!
スタートをわざと遅らせて、内側にギュィ〜〜〜ンと切り込んでいます。
それと、ユニバーサルプリンスの落馬は直線での追い出しの最中に起こってます。
近くにいた馬は相当の影響を受けていると思われます。
全馬ともコース幅をいっぱいに使って追い出していたので大事には至らなかったようですが、本当に無事で良かったですね。
スプリントの方は、勝ち馬が異常に強い!先行してそのまま逃げ切ってしまうというショウナンカンプ型の強さ!
エアトゥーレはスタートも最高。折り合いも最高。最後はコースのど真ん中を駆け上がっての3着でした。
ただ、1着馬との実力差は相当あるように見えました。
1番人気だったコラーワンは本当に馬場に苦しんでました。直線で全馬追い出しを開始したとたん、1頭だけ後ろに下がってしまってます。
最後は鞍上も追うのを止めたようです。
馬場発表は"良"と言うことでしたが、直線の叩き合いの最中、馬が水滴を蹴上げていたように(私にはそう見えた)見えたので厳しい馬場だったようです。
ただ、グランデラは重馬場には非常に強そうに見えました。
JRAさんも、香港JKを見習って、レース映像くらい配信してよね!>少なくとも日本馬が出てるレースくらいはお願いします。
競馬場に行けば、モニターでやるだろうけれど・・・『見たけりゃ、競馬場に来い!』みたいな官僚的・お役所的な事は止めて欲しい。
映像をUPする事などは簡単なのだからね。<-ヘ->
SINGAPORE AIRLINES KRISFLYER SPRINT (G3)
2002/5/11 クランジ競馬場 芝1200m 3yo以上 12頭立て 馬場:良
着順 馬番 馬名 騎手 調教師 着差
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
12
6
11
4
8
10
5
1
3
7
9
2
NORTH BOY
SUPERB EFFECT
AIR THULE
DANGER OVER
TOLEDO(AUS)
YORICK
FIREBOLT
BLIZZ BLESS
CHARMING CITY
TIT FOR TAAT
TRILLION WIN
CALLER ONE
G CHILDS
J SAIMEE
武 豊
THIERRY T
S ARNOLD
WH LAO
W MARWING
J GEROUDIS
D DUNN
M DU PLESSIS
O CHAVEZ
G STEVENS
A MCEVOY
C LECK
H MORI
P BARY
R CAMERON
C LECK
IW ALLAN
P SHAW
D HAYES
I HERBERT
MP THWAITES
J CHAPMAN
1分9秒0
3.50
5.80
6.30
6.60
6.70
7
9
9.30
9.80
13.60
20.90
※レース後の騎手・調教師のコメント
T.マッケヴォイ師:優勝馬ノースボーイ
「凄うスリルのあるレースでした。ここに出走したのはちょっとした賭けだったのですが、良い成績を国に持って帰ることができます。
この様なハイレベルなメンバー達に勝つことができ、非常にファンタスティックな気分です。
スタートも位置取りも良かったし何よりもチャレンジする姿勢が良かった。コースレコードというおまけまで作りましたからね。
この競馬場の施設は素晴らしいし、レースに必要なものは何でも揃っていますね。」

G.チャイルド騎手:優勝馬ノースボーイ
「僕にとってシンガポール復帰の大きなお土産になりました。僕はコースも馬も良く知っているし、もちろん調教師のトニーのこともね!
今日の優勝はチームワークの勝利です。これは納得のいく勝利です。(レースでは)2枠というのはとても重要です。
ノースボーイは経験が浅い馬なので余計なトラブルは避けたいところでした。スタートも位置取りも思った通りにいきました。
でも、オーストラリアではこんなに上手くいったことはなかったんです。遠征が良かったのでしょう。」

J.サイミー騎手:2着スパーブエフェクト
「良く走ってくれました。彼はレースの度に私に色々と教えてくれます。今日も勝ち馬から1つ良いところを盗みましたよ。」

武豊騎手:3着エアトゥーレ
「とっても良く走ってくれました。いつものように一生懸命に走ってましたよ。高温多湿なこの土地でも彼女は頑張っていたし良いレースでした。」
森師:3着エアトゥーレ
「彼女の走りにはとても喜んでいます。最後は飛んでいるように見えましたよ!」

T.テュリエ騎手:4着デンジャーオーバー
「あの枠番からではとても厳しかった。前半遅れたが良く走っていると思う。コーナーのあるコースは初経験だからね・・・。」

I.アラン師:7着ファイヤーボルト
「この馬には直線の1000mの方が合っている。」

D.ダン騎手:9着チャーミングシティー
「彼は前走の様に火を噴くことはなかった。勝ち馬を脅かすこともなかった。枠も道中も完璧だった。運がなかったとしか言いようがない。」

G.スティーヴンス騎手:12着コラーワン
「最初の2Fは大丈夫だったが、内側に砂が載っていたので馬場に苦しんでいたようだった。ゴーサインを出してからは本当にもがき苦しんでいたよ。」
J.チャップマン師:12着コラーワン
「午前中は外側の芝の調教では楽そうだったので、どうしてコラーワンが馬場に対応できなかったが理解できません。
しかし、この結果によって予定が変わることはありません。次は英国(ロイヤルアスコット)に向かいます。」
SINGAPORE AIRLINES INTERNATIONAL CUP (G1)
2002/5/11 クランジ競馬場 芝2000m 3yo以上 13頭立て 馬場:良
着順 馬番 馬名 騎手 調教師 着差
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
7
3
2
9
8
14
11
12
6
4
10
1
5
GRANDERA
PAOLINI
INDIGENOUS
OLYMPIC EXPRESS
HAWKEYE
PALACE LINE
HOEBERG
TAPILDO
ATLANTIS PRINCE
SADDLE UP
WESTERN PRIDE
BOCELLI
UNIVERSAL PRINCE
L DETTORI
A SUBORICS
O DOLEUZE
W MARWING
G STEVENS
J GEROUDIS
K SHEA
L INNES
武 豊
J SAIMEE
F SANCHEZ
L CASSIDY
J SHEEHAN
S SUROOR
A WOHLER
IW ALLAN
IW ALLAN
M JARVIS
P SHAW
L LAXON
L LAXON
S SUROOR
L LAXON
J CHAPMAN
P BUSUTTIN
EB MURRAY
2分1秒3
2
4.50
6.80
8.10
8.20
9
11
11.30
12.80
15.80
26.10
落馬中止
※騎手・調教師・オナーなどのレース後のコメント・・・
チーム・ゴドルフィンレーシング監督サイモン・クリスフォード氏:
「とても嬉しい!我々が思ったとおりにレースができました。グランデラは香港遠征からここに来ましたが、ワールドクラスの馬として立派になっていくでしょう。
特にこの競馬場は素晴らしいです。シンガポール・ターフ・クラブの皆様の世話が行き届いていると思います。
まだ、確実なことは言えませんがグランデラの次走はおそらくG1アーリントンミリオンになるでしょう。」

L.デットーリ騎手:勝ち馬グランデラ
「グランデラは昨年、欧州で競馬をしましたがとても安定したレースをしてきました。
今回のレースは彼にとってとても都合良く流れていきました。それに昨年の良かった状態に戻ってきたと思います。
残り300mの所では先頭のパオリーニとの差は1馬身半もあったけど、ゴーサインを出したら見事に応えてくれました。
ここで、また勝つことができてとても嬉しいです。」

A.シュボリクス騎手:2着のパオリーニ
「外側から内側に入り込まなくてはならない外枠発走だったが、完璧なレースができました。
馬場にも良く対応していたし、リードも奪うことができた。でも勝ち馬は最後のつめが上手かった。能力の差はほとんどないと思う。」

O.ドレーズ騎手:3着のインディジェナス
「最高のレースができました。遅れずに付いていけたし馬もよく頑張った。彼からはレース毎に何か新しいものを学ばされます。
この馬には凄いハートがあるね。僕はこいつを愛してます!」

I.アラン師:3着のインディジェナス、4着のオリンピックエクスプレス
「2頭の活躍はとても嬉しいです。オリンピックエクスプレスの成長ぶりが分かりました。昨年はグランデラとの差が数馬身もあったんだけど今日の活躍を見ると差は縮まってますね。
インディジェナスも称賛に値するレースをしてくれました。彼のハートを3yo馬達にも見習わせたいものだね!」

M.ジャーヴィス師:5着ホークアイ
「そんなにがっかりする結果でもないよ。今の彼なら1マイル半(2400m)のレースに行った方が良いかもしれませんね。」

G.スティーヴンス:5着ホークアイ
「まあまあ上手くいきました。直線では良く走っていると思います。12Fの距離は問題ないと思うけど、素早い脚がないからね・・・。」

A.スミス氏:ホークアイのオーナー、G.タナカ氏のマネージャー
「我々はホークアイには12Fのレースに出走させることにします。ロイヤルアスコット開催のハードウィックSに出走させる予定です。」

J.ジェローディス騎手:6着パレスライン
「良いレースはできました。2000mのレースに勝ったことはないですから。まだまだ子供ですが、彼に乗ることはとても楽しいです。
半年後、成長を遂げたパレスラインをお見せできると思います。良いレースでした。」

Kシャ騎手:7着ホーベルグ
「ペースがとても速かったのでペースメーカーが下がってきました。ユニバーサルプリンスが差を開こうとしていたのは見えました。彼が落馬してしまった時、危うくこっちも落ちそうになりました。その為2馬身ほど失ったと思うので勝てないにしても4着はあったと思います。」

武豊騎手:9着アトランティスプリンス
「指示は前に行ってくれということでした。でもとても速いペースだったのでリードを奪うことができませんでした。
回りの馬のレベルが違ってました。でも彼は良い馬ですし、乗れて良かったと思います。」

F.サンチェス騎手:11着ウエスタンプライド
「上手く走れていたが最後の2Fでバテてしまった。ユニバーサルプリンスは多分僕の馬の踵に引っ掛かったんだと思うよ。
叫び声が聞こえたけど何もする事はできませんからね。」

P.バスティン師:12着ボチェリ
「コーナーに差し掛かった時はプレッシャーがあったと思うけど、普通通りに走っていたよ。でもユニバーサルプリンスが右前方で落馬してしまったので、死を避けるために飛び跳ねてしまった。あそこが全てだ!」

B.マーレイ師:落馬したユニバーサルプリンス
「鞍上も馬も調子は良かった。特に午前中の調子はとても良かった。内側の馬が外によれて外側の馬が内側に接近してきたので馬は行き場がなかった。そして踵を引っ掛けてしまった。鞍上は揺られまくっていたが、彼は馬をどうすれば良いかだけを考えていたと思う。」

2002/5/12 UP