●クラシック第2弾皐月賞が今週末に中山競馬場で行われます。
昨年はアグネスタキオンの独壇場だったこのレースですが、今年はどうでしょうか?
現在、3yo馬で最も強いと思われるのはタニノギムレット(松田国厩舎)。同馬は重賞を3連勝中で5戦4勝、2着1回。
前走では中山競馬場に遠征し、G2スプリングSに優勝した。
このまま皐月賞も獲ってしまえば、重賞4連勝となってこれはナリタブライアン以来となると思う。
12月の阪神で未勝利を勝ち上がって、1月のG3シンザン記念に格上げ挑戦。有力馬の1頭チアズシュタルク(山内厩)を2着に沈めているのだから相当の素質馬には違いない。次走のG3アーリントンCの走りも素晴らしかった。
しかし、G2スプリングSの時は少しズブさが感じられた。これが疲れなのか、レース距離・コース形態に因るものなのかは分からないが、一杯に追われてやっと勝ったという印象を受けた。
私はこの馬はマイルでこその馬だと思っている。まあ、この時期の3yo馬のレースなら2000mのレースでも十分通用すると思うが・・・。
そして、問題なのはトライアルレースの成績が全然参考にならないこと。
G2弥生賞もG2スプリングSも若葉Sも全部スローペース。2yoチャンピオンのアドマイヤドン(松田博厩舎)は1戦しかしていないし、モノポライザー(橋口厩舎)はトライアルに出ていない。
丁度、サニーブライアンが勝った1997年に似ている様な気がする。
1番人気だった追い込み一手のメジロブライトが馬群に沈み、人気薄のサニーブライアンがまんまと逃げ切ったあのレースだ。
そうすると(かなり強引だが)シゲルゴッドハンド(坪憲厩舎)やダイタクフラッグ(鹿戸厩舎)が怖い存在になる。
シゲルゴッドハンドの父は桜花賞馬アローキャリーと同じラストタイクーンであるところも怖い。
バランスオブゲーム(宗像厩舎)も逃げることはできるが、有力馬の1頭なので一か八かの勝負にはでないと思う。
今回は固いレース運びをするだろう。
そして、今回最も気楽に乗れるのはモノポライザーである。
同馬はトライアルを熱発で回避したわけだが、重賞級のメンバーとは顔合わせをしていないし、3ヶ月ぶりのレースになる。
陣営もこの状態では優勝のプレッシャーがあるはずもなく、無事に走ってきてくれればOK程度だと思う。
この馬はダービーを見据えているので出走権が取れれば(4着までにはいる)御の字。
潜在能力は素晴らしいので気持ちよく走らせて欲しい。後藤騎手が緊張していなければ大丈夫。
反対に力が入りすぎているのがタイガーカフェ(小島厩舎)。
この馬は斬れる脚が無いので、なるべく前々で競馬をしたいタイプだ。小島師は騎手時代から"吹いている時"は買えない。
弥生賞2着のローマンエンパイア(古川厩舎)は素晴らしい末脚を持っているが道中の位置次第だと思う。
その辺りは鞍上の武幸騎手も心得ている。
その他有力馬ヤマノブリザード(藤澤厩舎)、チアズシュタルクは外枠になってしまい、これは大きな不利。
追い込み、差し馬だからあんまり関係ないとはいえ、中山の様に小回りなコースだと内外の差は大きい。
かえって先行・逃げ馬の方が外枠に向いているとも言える。
アドマイヤドンはマイル向きで明らかに早熟。ウッドマン系は3yoクラシックでは買えない。
ということで私の買い馬はモノポライザーからシゲルゴッドハンド、ダイタクフラッグ、ローマンエンパイアとなる。
2002/4/12
●レース結果と感想
ドイル騎手って面白い。G1レースを勝ったのにあのクールさはなんだろう?
本人は、後になって実感が湧くだろうと言っていたが、おそらくそれはないと思う。
ペリエ騎手やデムーロ騎手の様に日本の競馬を良く知っていてクラシックの有力馬に騎乗することがどんなに大変かを知っていたのなら感動もひとしおだったと思うが・・・。
来日初年度でしかも馬は抽選で滑り込んだ人気薄のノーリーズン。騎乗前には武騎手から色々と情報を得たようであるが"無欲の勝利"に近いモノがある。
無欲の勝利の場合、得てして感動は少ない。
それにしてもノーリーズン(池江厩舎)は強かった。インコースを無駄なく回れたことも大きいが、先行し抜け出した勝ち方は王者のものだった。
勝ちタイム1分58秒5は皐月賞レコード。
おめでとうございます。ドイル騎手も良い想い出ができて良かったね!
2着のタイガーカフェはもう少しだった。小島師の叫び声が聞こえてきそうな雰囲気(笑)
3着のタニノギムレットは予想通りの競馬。やはりあの様な競馬しかできないようであれば勝つことは難しい。
外外を回っての不器用な競馬ではコース不利がありすぎ。東京に替わってのダービーでは力が発揮できそうに見えるが多分無理だろう。
全くもってメジロブライト2世(メジロライアン2世も可)だ。
さて、私の買い馬であるが、ダイタクフラッグが何とか掲示板に載った。
モノポライザーや他の有力馬達は思いの外の惨敗。ジョッキーの談話を聞きたいところだ。
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ジョッキー談話をみて興味を引いたのは"レースのペース"について。
優勝ジョッキーのドイル騎手は"ペースが速かったので予定より後ろからの競馬になった"とコメントしているに対して、2着タイガーカフェ鞍上のデムーロ騎手は"ペースも遅かったし、理想的なレースができたと思う。"とコメントしている。
12着のチアズシュタルク鞍上のエビショー騎手は"平均的に速い流れで馬も戸惑ったかな。"。
14着ローマンエンパイア鞍上の武幸騎手は"淀みのない今日のような流れは初めてで・・・"
最下位メジロマイヤー鞍上の中館騎手"このくらいのペースならもっと粘っていいはずなんだけどね。"
実際の時計上のペースは・・・1000m通過が59秒2、1200mが1分11秒、1600mが1分34秒4。
1000m通過時は普通か少しスローだったが、そこから1600mまでは35秒2で進んでいて厳しい流れとなっている。
あと2秒時計が掛かっていればメジロマイヤーももっと粘れたかもしれない。
第62回 皐月賞 2002年4月14日 中山競馬場 芝2000m 馬場:良 18頭立て 着順 着差 馬名 騎手 1 1分58秒5(レースレコード) ノーリーズン ドイル 2 1 3/4 タイガーカフェ デムーロ 3 ハナ タニノギムレット 四位 4 アタマ ダイタクフラッグ 江田照 5 1 1/2 メガスターダム 松永 単勝 A:11,590円 枠連:1-5 2,040円 複勝 A:1970円 馬連:A-H 53,090円 H:450円 ワイド: J:130円 A-H 10,450円 A-J 5,050円 H-J 1,180円
<ノーリーズン> 牡・鹿毛 1999年6月4日生まれ
父:ブライアンズタイム
母:アンブロジン(ミスタープロスペクター)
通算成績:4戦3勝
主な勝ち鞍:皐月賞。
母父ミスタープロスペクターのブライアンズタイム産駒のクラシック馬にはチョウキャイキャロルがいる。
オーナー:前田晋二
生産者:ノースヒルズマネジメント(新冠)