●早いもので、もうフェブラリーSの時期になってしまいました。
ダートのG1レースなんて、しかもドゥバイWCへの叩き台的レースでしかない。
今までの勝ち馬も芝で通用しなくなったなまくら馬ばかりだし・・・。
みたいなことを言われていた当レースですが、今年から大きく状況が変わりつつあります。
正確には昨年からと言った方が良いかもしれないが・・・。
昨年の同レース3着馬だったトゥザヴィクトリーのドゥバイWCでの成功。
言わずと知れたクロフネのダートレースにおける大パフォーマンス。
ダート重賞を勝ちまくるだけでなく、天皇賞や国際G1の香港Cを制してしまったアグネスデジタル。
もはやダートのレースを低く見る人はいなくなったと言っても良いでしょう。
強い馬は馬場に関わらず強いのだ!
そのアグネスデジタルとトゥザヴィクトリーはフェブラリーSの後、ドゥバイWCに出走を予定しているので楽しみです。

さて、今年の出走馬は全16頭。その中で国内外のG1勝ち馬がなんと8頭!!!過去最高のメンバーとなっています。
昨年、一昨年の同レース優勝馬ノボトゥルー、ウイングアローら古豪、エリザベス女王杯を制し有馬記念では3着に粘って見せた姉御トゥザヴィクトリー、若いときには暴れん坊だったが今はちょっとおとなしいイーグルカフェ、JBCスプリントを制しダートスプリンター王に君臨しているノボジャック、ポストクロフネの座を眈々と狙っているリージェントブラフは川崎記念を勝ったばかり。
G1レース全制覇を目論み古いしきたりなど気にしない織田信長的アグネスデジタルがドカッと控えております。
しかし殴り込んでくる(笑)地方馬勢のメンバーも凄いです。
昨年の大井3冠馬トーシンブリザード。G1南部杯でアグネスデジタルの2着し、暮れのG1東京大賞典を制したトーホウエンペラー。
はっきり言ってこの後に控えている高松宮記念や天皇賞・春などに比べて数段上のレースであると言えるでしょう。
もし、クロフネが出ていたら・・・。と考えると恐ろしいです。^^;

勝ち馬を予想するのは非常に難しい。
敢えてケチをつけるとすれば、ノボジャックは1600mは長すぎる。リージェントブラフには1600mは短すぎる。
ウイングアローは前走の東京大賞典で負けすぎている(10着)。イーグルカフェはローテーションがきつい。
トーホウエンペラーは左回りは全然ダメ。トーシンブリザードは骨折による長期休養の影響が気になる。(全走の東京大賞典は3着だった)
まあ本命になるのはアグネスデジタルだと思うが、東京のダートに関してはウイングアローの方が安定している。
昨年の勝ち馬ノボトゥルーは鞍上ペリエで絶好調だということだし、武騎手も今年は何か手を打ってくると思う。

ミスタープロスペクター系にとってこのレースは鬼門であるし・・・予想は困難だ。(^^ゞ

希望としてはレース後に引退式を予定しているウイングアローに優勝してもらいたいところではある。
岡部翁にとりあえずこのレース3勝目を飾ってもらいましょう!(ペリエ騎手も勝つと3勝目だったりする)
う〜〜ん、タイキシャトルの時と同じ結果にならなきゃ良いけど〜〜。

2002/2/15  

第19回 G1フェブラリーS
2002/2/17 東京競馬場ダート1600m 4yo以上 コースレコード:1分33秒3(クロフネ)
馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 調教師 備考
1 イシヤクマッハ   牡 4 57.0kg 本田 田所 前走のG3根岸Sではスピードについていけず10着。力不足である。
2 ノボトゥルー    牡 6 57.0kg ペリエ 昨年の同レース以来勝ち星がない。G1南部杯ではアグネスデジタルの3着。G1JCダートはクロフネの4着。前走G3根岸Sではサウスヴィグラスの2着。
昨年のような勢いはないが鞍上がペリエ騎手となるので軽視はできない。
3 トゥザヴィクトリー 牝 6 55.0kg 武豊 池江 G1JCの惨敗を除けば非常に安定している。武マジックが炸裂すれば勝ち負けもあり得る!逃げるのかためるのかそこが問題だ!
4 ゲイリーイグリット 牝 7 55.0kg 松永幹 増本 G3兵庫GTにレコード勝ちし、G3ガーネットSでは後方から追い込んでの5着。
先行力が無ければ辛いだろう。
5 サウスヴィグラス  牡 6 57.0kg 横山典 高橋 前走ではノボトゥルーを敗って優勝。前々走のガーネットSは2着だった。
こういう上がり馬は注目しなくていけないが、1600mは長すぎるかもしれない。
G3武蔵野Sでは逃げバテて14着に惨敗している。因みにこの時の鞍上は菊沢。
前走・前々走は善臣だった。
6 イーグルカフェ   牡 5 57.0kg 田中勝 小島 3yo時のG1NHKマイルC以来勝ち星無し。今では単なる穴馬に成り下がってしまった。(笑)
馬込みに弱いのでプレッシャーのかかる展開になると惨敗する恐れあり。
しかし、ワイドの対象としてはおいしいかも。
7 ウイングアロー   牡 7 57.0kg 岡部 南井 一時代を築いてきた同馬もこのレースをもって引退する。
岡部翁の復帰が間に合って良かった!
クロフネには敵わなかったとは言え、まだまだ馬券からは外せない。
8 トーホウエンペラー 牡 6 57.0kg 菅原勲 千葉 1600mという距離、軽い東京のダート、左回りは苦手・・・不安材料は多いが先行できれば粘るだけのガッツとスタミナはある。
9 アグネスデジタル  牡 5 57.0kg 四位 白井 もっか重賞4連勝中、G1レースは3連勝中。脚質は自在。かつては馬込みで競馬するとコロッとこけたが精神面の成長も著しくその心配は無くなった。
ド本命となるだろうが、馬券的に面白くないので消しです!(激笑)
根拠は血統のみ!(ミスプロ系はこのレースに弱い)と言っても連には絡んでいるが・・・。
10 スノーエンデバー  牡 8 57.0kg 村田 2年と1ヶ月の休養は長すぎた。前走のG2名古屋GPでは大差でしんがり負けしている。
レースを思い出すまではもう少し時間が掛かりそうである。
11 ゴールドティアラ  牝 6 55.0kg 江田 松田 かつての勢いは無くなった。馬券でお世話になったので頑張って欲しい。
次走のドゥバイの方が期待できるかもしれない。
12 トーシンブリザード 牡 4 57.0kg 石崎 佐藤 昨年度大井3冠馬。しかも無敗で達成した。大井のシンボリルドルフである。
骨折で5ヶ月休養して前走のG1東京大賞典では3着に頑張った。
さすがに最後はバテバテだった。軽い東京の馬場でどれだけ先行できるかがカギだと思う。血統的には"砂の鬼神"配合である。
13 ワシントンカラー  牡 8 57.0kg 後藤浩 松山 この馬は難しい。1600mでは長すぎるし1200mは短すぎる。と言って1400mでも勝てない。(^^ゞなまくら馬なので無茶苦茶追える騎手が良いと思う。
14 リージェントブラフ 牡 6 57.0kg 吉田 大久保 2001年度は3戦しか出ていないがクロフネショックのG1JCダートで6着した後G1東京大賞典で2着に突っ込んできた。
今年緒戦のG1川崎記念に見事優勝。上がり馬だが1600mは短いと思う。
15 プリエミネンス   牝 5 55.0kg 柴田善 伊藤 先行して抜け出すのが彼女のスタイル。今回は強力な先行馬が多いので非常にきつい!
16 ノボジャック    牡 5 57.0kg 蛯名正 昨年のG1JBCスプリントまで破竹の勢いで重賞6連勝。
その後は斤量と距離に悩まされて2着、8着。
父のフレンチデピュティはクロフネと同じ。この馬の場合は母父アフリートの影響が強くて1200mが限界のスプリンターになったのかもしれない。
エビショーの騎乗降りが楽しみである。
●結果と反省
アグネスデジタル、あんたは凄い!おそらく、クラフティプロスペクターの最高の産駒だと思う。
ミスプロ系にありがちな直線的なレースしかできない産駒からは一段も二段も飛び抜けている。
これは、母父のチーフズクラウンの自在性や母母父のアレジドからの遺伝と名調教師白井師陣営の努力の賜物だと思う。
怪我無く、無事に行けばエルコンドルパサーを越えることも可能だろう。
また、陣営の尊敬に値するところは、考えられる限りの最高のレースに出走させようとするところである。
ドゥバイ=>香港=>安田記念という路線が予定されていると聞くが、このような柔軟かつ勇気のある決断はそうそうできるものではない。
最高のレースに出てこそ価値がある!
多分、白井師はスペシャルウィークの経験で大きく学んだのだと思う。
全てのレースに勝算をもって臨み、仮に負けたとしても不本意(恥)だとは考えない。これが大事なのだ。
そして、そのことをファンが一番望んでいることを師は知っている。いっそう応援したくなりましたよ。ホントに。

そのアグネスデジタルに食らいついて2着に入ったトーシンブリザードも強い。
デュラブ産駒で母父がブレイヴェストローマンというダートの鬼神配合の彼は、元来瞬発的なスピードがないので追走に手間取ったようであるが持ち前のスタミナと根性が発揮できた。
アグネスがスケートの清水ならブリザードはヤン・ボスって感じかな(^^ゞ
4yoの今年はもっと強くなっていくでしょう。楽しみです。
ノボトゥルーは昨年と同様の良いレースができたと思う。ミスもなかったし状態も良かった。
しかし、昨年より強い馬が2頭いた。
トゥザヴィクトリーはやはり元来が芝馬なので脚抜けの悪い馬場では力が発揮できなかったようだ。
ドゥバイの馬場は本物のダートなので期待できる。状態も良さそうだしね。
さて、私の本命馬だったウイングアローはどうしたことか、後方のまま直線少し追い上げただけの9着だった。
岡部翁が言っていたように、前走長い距離のレースを使っているので馬が渋くなっていたのかもというのが原因なのか。
TMオペラオーが段々ズブくなっていったのも頷ける理論ではある。>余談だけど

馬券は大外れだったけれど、レースは大当たりだった第19回フェブラリーSでした。
第19回フェブラリーS結果
2002/2/17 東京競馬場 ダート1600m 馬場:良 16頭立て
着順 馬番 着差 馬名
1 9 1分35秒1(レースレコード) アグネスデジタル
2 12 1 トーシンブリザード
3 2 1/2 ノボトゥルー
4 3 1/2 トゥザヴィクトリー
5 8 1/2 トーホーエンペラー