●JC
なんとまぁ、ペリエ騎手の魔法なのか?今までのレース振りからは想像できない程大人のレースをしたジャングルポケット。
馬にストレスを掛けない。馬の最大の能力を発揮させる。とんでもない騎手である。
『2回目、超〜、ハッピー!』はおまけだが・・・(笑)
4角を回った時には、TMオペラオーが優勝すると確信したが、叩き合う馬がいなかったので・・・いつもならメイショウドトウがいるはずなのに・・・少し馬が遊んだのかもしれない。
しかし、最後の100mの追比べは迫力があった。ペリエの鬼気迫るムチにジャングルが応えたという事なのであろう。
遠く離れた(笑)3着にはナリタトップロードが入線。
私は”良馬場なら”という条件でこの馬からのワイドを買っていたので、何とか負けを少なくする事が出来ました。^^;
ステイゴールドは精一杯のレースをしたが、4着止まり。やはり、坂のあるコースでは最後の伸びに期待は出来なかった。
香港シャティン競馬場には坂はないと思うので、好走が期待できるでしょう。
さて、第2コーナー付近でゴーランにぶつけられて進路を失ったメイショウドトウは痛い。
自力があるのでかろうじて5着に入る事が出来たが、ゴーラン君、あれはマズイよ!
メイショウからも馬券を買っていたんだからね!^^;
そのゴーランは、6着に終わり、掲示板は日本馬で独占された。
前日のJCダートも上位は日本馬で独占。日本馬が強くなったのか、外国馬が情けないのか?
このJCについても・・・エミレーツ・ワールド・シリーズの第11戦であることもある・・・海外では既に報道されている。
日本のHPに比べても詳しく述べられているのでここにUPします。
※英レーシングポスト紙のHP
エミレーツ・ワールド・シリーズ第11戦のG1ジャパンC(東京・芝2400m)はスリリングな決着となりました。
TMオペラオーの連覇を阻止したのはジャングルポケット。
日本ダービーとJCを同一年に制したのは同馬が初。
1番人気は昨年同様TMオペラオーであったが、鞍上のペリエ騎手の効果でジャングルポケットが2番人気に。
前日のJCダートには2頭のアメリカ馬が参戦したが、(OTEF注:実際は3頭)JCに参戦したウイズアンティーシペイションとティンボロアの2頭が第1コーナーに向けて激しい先頭争いを演じた。
最終コーナー付近では馬群は1かたまりとなり、抜け出したTMオペラオーにとっては絶好のレース運びとなった。
しかし、ペリエ騎手は東京競馬場の長い直線を追いまくり、ゴール直前でクビ差だけTMオペラオーを差し切っていた。
3馬身半差の3着には1999年の菊花賞馬(日本のセントレジャー)ナリタトップロードが入線。
ステイゴールドはそこからクビ差の4着。5着にはTMオペラオーのかつてのライバルメイショウドトウが入った。
1〜5着まで日本調教馬が独占。
2000ギニー馬ゴーランは遠征馬の中では最高の6着。
『良く走ってくれたと思う。ちょっと掛かり気味だった。直線では良く伸びていたと思う。』
と管理するM.スタウト師はコメント。
優勝したジャングルポケットとペリエ騎手は、ファンの大合唱に迎えられた。(ファンはペリエ騎手の名前を連呼した)
有頂天のペリエ騎手は(OTEF注:ペリエ騎手は英国マスコミにはウケが悪い)
『世界の頂点に立った気分です。長い間日本で騎乗していて、JCに勝つという事は僕にとってとてもスリリングな事だった。
だから、とても嬉しいです!ジャングルポケットはダービー馬だし、今日の勝ち方は誇りに思えます。
スタート後、少し躓いて後ろからの競馬になったけど彼は落ち着いていたし良い走りが出来ました』
とコメント。
ジャングルポケットは来年も現役を続行するために調教されます。
※米ブラッドホース誌のHP
ジャングルポケットはトニービン産駒で母はヌレイエフ産駒のダンスチャーマー。
生産者は吉田勝巳氏のノーザンファーム。
当歳時に斉藤四方司氏に購買された同馬は渡辺栄師によって調教されました。
J.ベイリー鞍上のティンボロアが先行したが、ジャングルポケットは10番手を進んだ。
400m通過が23秒9、800mを49秒0、1200mを1分13秒1で通過。
ウィズアンティシペーションは2番手。
が、向こう正面にさしかかるとトゥザヴィクトリーが敢然と先頭に立った。結果として1600mの通過タイムが1分35秒9となり、この間の400mを22秒8で走破した事になる。
先頭の2頭(トゥザヴィクトリーとティンボロア)の走りが鈍ってくると、ウィズアンティシペーションが先頭に立ちアドバンテージを築こうとするが、あっと言う間にTMオペラオーに追いつかれてしまった。
この時、恐らくTMオペラオー(単勝1番人気:2.8倍)が優勝するだろうと思われたのだが・・・。
ペリエ騎手とジャングルポケットが猛然と追い上げてきた。
そして、ゴール直前でクビ差だけ先着し優勝。良馬場の芝2400mの勝ちタイムは2分23秒8。
2000mの通過タイムは2分0秒6であった。
3着にはナリタトップロードが馬群を抜け出して入線。
その後ろにステイゴールド、メイショウドトウ、ゴーラン、インディジェナスと続き、アメリカ馬ホワイトハートとウィズアンティシペーションが8着、9着。
以下、アメリカンボス、ダイワテキサス、キャグニー、パオリーニ、トゥザヴィクトリーと続き、最下位はティンボロアだった。
勝ち馬ジャングルポケットの人気は2番人気で単勝オッズは4倍。
彼はこれで通算9戦5勝。今シーズ右は休養し2002年に備える。
同馬の関係者は海外遠征をにおわせているが、恐らく来年の夏か秋、どこに行くかははっきりさせなかった。
ジャングルポケットは、日本産の3yo馬としては初のJC制覇である。他に3yoで優勝したのはアメリカ産馬のエルコンドルパサーだけ。
JCは日本馬が4年連続で制覇し(OTEF注:エルコンドルパサー、スペシャルウィーク、TMオペラオー、ジャングルポケット)、過去10年では7回目の勝利(OTEF注:トウカイテイオー、レガシーワールド、マーベラスクラウン)。
最初の11年間では日本馬は2回(OTEF注:カツラギエース、シンボリルドルフ)しか優勝していなかった。
渡辺師は日本馬が強くなってきた事を認めながらも『まだまだ、世界一のレベルだとは思わない。』とコメントしました。
日本の秋としては時季はずれの暖かさに恵まれたこの日には11万5196人の観衆がつめかけました。
グランドスタンドの改修工事中にも関わらすである。
ということで、来年のJC・JCダートは中山競馬場で行われます。・・・時計回りのコースであるのでアメリカ馬には馴染みはないが・・・
本年のJCの売り上げは昨年比-4%の253億円でした。
2001/11/26
Japan Cup (Grade 1) | |||||||
2001/11/25 東京競馬場 芝2400m 3yo以上 馬場:良 15頭立て | |||||||
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着順 | 着差 | 馬名 | 馬番 | 調教師 | 馬齢 | 騎手 | 人気 |
1 |
2分23秒8 | Jungle Pocket |
(6) |
S Watanabe |
3 |
O Peslier |
32/10 |
2 |
nk |
T M Opera O |
(4) |
Ichizo Iwamoto |
5 |
R Wada |
18/10F |
3 |
3 1/2 |
Narita Top Road |
(10) |
H Yamaji |
5 |
K Watanabe |
134/10 |
4 |
nk |
Stay Gold |
(8) |
Y Ikee |
7 |
Y Take |
71/10 |
5 |
34 |
Meisho Doto (IRE) |
(1) |
I Yasuda |
5 |
Y Yasuda |
39/10 |
6 |
nse |
Golan (IRE) |
(7) |
Sir Michael Stoute |
3 |
J P Murtagh |
23/1 |
7 |
1/2 |
Indigenous (IRE) |
(11) |
I W Allan |
8 |
W Mawing |
114/1 |
8 |
1 1/4 |
White Heart (GB) |
(9) |
N Drysdale |
6 |
G Stevens |
62/1 |
9 |
3 |
With Anticipation (USA) |
(13) |
J E Sheppard |
6 |
M Ebina |
22/1 |
10 |
1 |
American Boss (USA) |
(2) |
F Tago |
6 |
T Eda |
117/1 |
11 |
2 |
Daiwa Texas |
(15) |
S Masuzawa |
8 |
Y Shibata |
140/1 |
12 |
2 1/2 |
Cagney (BRZ) |
(3) |
R Mandella |
4 |
M E Smith |
25/1 |
13 |
nse |
Paolini (GER) |
(14) |
A Wohler |
4 |
A Suborics |
17/1 |
14 |
dist |
To The Victory |
(5) |
Y Ikee |
5 |
H Shii |
33/1 |
15 |
2 1/2 |
Timboroa (GB) |
(12) |
R J Frankel |
5 |
J D Bailey |
25/1 |
※共同記者会見 質問:日本産3yo馬による初のJC制覇ですが? 齋藤オーナー:ありがとうございます。非常に嬉しいです。日本産の3yo馬でもこのような世界のトップレースを勝つ事ができるということが分かった事は大きいですね。 質問:ダービーの時と比べてどちらが興奮しましたか? 齋藤オーナー:どちらのレースも嬉しかったですよ。比べる事はできません。 質問:ジャングルポケットは前走で4着に敗れてましたよね?JCに出させようと思った理由はなんですか? 齋藤オーナー:この馬は東京のコースを得意としている事が1番の理由です。来年の天皇賞、JCは中山で行われますから、是非ともその前に走らせたかったんです。 質問:東京コースは改修工事に入りますが、海外への挑戦はどの様に考えていますか? 齋藤オーナー:調教師と相談するつもりです。昨日のクロフネを見てからというもの、とても興味があります。日本馬のレベルが上がっている事が分かりました。挑戦はしたいですが、春では少し早いので、秋頃にはと考えています。 質問:ペリエ騎手に何かアドバイスはしましたか? 渡邊調教師:ジャングルポケットはゲートに入る前に頭を上げる癖があるのでリラックスさせる事に集中してくれと言いました。 また、直線で遊んでしまうので、追い続けてくれとも言いました。ペリエ騎手は”任せておいてください”と言ってくれました。 質問:ペリエ騎手の乗り方については? 渡邊調教師:ワールドクラスの騎手がこの馬に乗ってくれるんです。幸せですよ。騎乗はバランスも取れているし、美しいです。 質問:コンディションはどうでしたか?前走から特にした事は? 調教師:前走から良く立ち直ってくれました。JCに出たのはとても良いタイミングだったと思います。 質問:日本でワールドクラスのレースに勝った感想は? ペリエ騎手:JCはワールドクラスのレースです。何度も日本に来ていて、アスコットや香港やアメリカのレースを勝つのと同様に、この国で大レースに勝てて嬉しいです。 質問:レース中はTMオペラオーをマークしているようにみえましたが? ペリエ騎手:常にTMオペラオーをマークしていました。去年は僕の好きな馬でしたよ。TMは強い馬です。僕の馬は良く戦ってくれました。嬉しいです。 質問:2週間連続でG1レースに優勝できた秘密は? ペリエ騎手:馬が素晴らしかったからです。 質問:貴方は優れた馬に沢山乗っていますが、ジャングルポケットの能力についてはどう思いますか? ペリエ騎手:彼はスピードがあり、闘争心かあり、力強い。そうしろと言えばずっとしていられるでしょう。 ダービー馬が強さを維持していられる事は素晴らしい事ですね。とにかく日本馬でJCに勝つ事ができて嬉しいです。 質問:日本のオーナーが欧州の騎手を乗せたのは初めてだと思いますが、違いはありますか? 齋藤オーナー:私のポリシーとして、馬は色々な騎手に乗ってもらった方が良いと言うのがあります。ペリエ騎手で3人目になります。2月にペリエ騎手の騎乗に惚れ込んでしまいまして、それで今日の騎乗を依頼しました。 質問:1998年は1〜3着。昨年は1,2着。今年は1〜5着まで日本馬でした。日本馬は欧州でも成功を収めています。 日本馬が世界で最も優秀だと思いますか? 渡邊調教師:レベルの向上は認めますが世界1だなんて思いません。 質問:貴方は今日、7つの異なる調教師の馬で8レースに出走しました。騎手の間での貴方の評判は? ペリエ騎手:調教師達には限られた数の馬しかいませんから、依頼があればどの調教師の馬にだって乗ります。 質問:2頭の3yo馬、エリシオとジャングルポケットを比較してください。 ペリエ騎手:比べる事はできません。エリシオは先行型の馬で長い脚を使う事ができました。コース上ではボスでしたよ。 ジャングルポケットは驚くほど幼いのですが、闘争心は豊富だし、良い気性をしています。 質問:有馬記念を使いますか? 齋藤オーナー:JCが今年最後のレースになります。 質問:海外挑戦するとしたら、どのレースに出しますか? 齋藤オーナー:来年の春は天皇賞・春に出走させます。その後、ペリエ騎手や私の師匠吉田勝巳氏と相談して、目標のレースを決めたいと思います。 質問:過去2年に渡って、TMオペラオーが君臨していたわけですが、彼をうち破った感想は? 渡邊調教師:彼のここ3走を見るに、ベストな状態ではなかったと思う。また、あの馬を見くびってはいけません。 追比べでは負けない馬だったからです。 私達の馬が追比べで勝てた事はとても嬉しいのです。 質問:貴方の意見で結構ですが、クロフネとジャングルポケットではどちらが優れていると思いますか? 渡邊調教師:クロフネはダートで素晴らしい結果を出しました。ジャングルポケットはダートではクロフネに敵いません。 しかし、芝ならジャングルポケットの方が優れていると思います。 齋藤オーナー:私もそう思います。 質問:天皇賞・春に向かうわけですが、菊花賞ではベストな走りができませんでした。ペリエ騎手が言っているようにまだまだ子供です。春までにどの様な調教をしますか?放牧しますか、それとも厩舎に置いておきますか? 渡邊調教師:栗東に置いておきます。夏は放牧しましたが、冬の寒い時期は暖かい栗東に置いておこうと思います。 質問:私にはこの馬の肉体的コンディションは今が最高のように見えますが? 齋藤オーナー:精神的成長はレース毎に上がっています。精神的成長こそ最大のチャレンジなのです。 質問:春もペリエ騎手で行きますか? 齋藤オーナー:それは調教師との相談次第です。 質問:殆どのオーナー達は3yo馬チャンピオンを3yo時に引退させてしまいます。そんな中、来年も現役を続行させる事には賞賛を贈りたいと思います。ところで、5yo時も走らせますか? 齋藤オーナー:渡辺師がこの馬を発掘してくれたんです。師が現役のうちは走らせたいと思います。できるだけ長く調教してもらいたいですね。 |
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※各騎手のレース後コメント (週刊競馬ブックより引用)
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※ジャングルポケット 牡・3yo 鹿毛 1998年5月7日生まれ 父:トニービン 母:ダンスチャーマー(ヌレイエフ) 通算成績:9戦5勝 G1ジャパンC、G1日本ダービー。 オーナー:齋藤四方司 生産者:ノーザンファーム 調教師:渡邊栄 |
2001/11/26