G1JCダート・・・とんでもないレースでした。クロフネ、強すぎ〜〜〜〜!
何だかんだと考えていたのがバカのようです。1〜7着馬は全部日本馬。アメリカ最強馬の1頭リドパレスは8着。
やはり、日本のダートで行う限りは、日本馬が有利だ!・・・というか、日本馬のレベルが数段アップした事もあるのだろう。
持ったまんまでリドパレスを軽く抜いていくと、後は無人の野を行くが如く差を広げたクロフネ。
2着のウイングアローがJRAダート2100mのレコードを更新する走りを見せたのだが、クロフネはそれよりも1.1秒も速い2分5秒9で走破してしまった。
単純に計算すれば2000mのダートで2分を切ってしまう速さだ!(◎-◎)
もはや、国内に敵はいない。ドゥバイでもBCにでも挑戦する資格は十分である。
JRAのG1レースにおいて芝・ダート両レースに優勝した馬はクロフネだけである。
さてこのクロフネの勝ちっぷりは、既に世界中に知れ渡っている。
英レーシングポストはトップ記事で報道しているし、米ブラッドホースも大きく扱っている。
アメリカ産馬という事もあるのだろうが、クロフネの父フレンチデピュティは既に北海道の社台ファームで繋養中。
吉田勝巳氏の先見の明である。
●各騎手(調教師)レース後コメント (週刊競馬ブックから引用)
※ブラッドホースのHPから抜粋
米国産サラブレッドのクロフネは日本では”怪物(スーパーホース)”と呼ばれているが、その理由は11月24日に東京競馬場で行われたG1JCダートを見れば明らかである。
クロフネは2着馬に7馬身もの差を付けてこのレースに優勝した。
レース序盤は中段に付けていたクロフネは、第3コーナー辺りで前に進出。そのままアメリカ軍団のリドパレスを軽く抜き去っていった。
直線に向いたクロフネはそのまま差を広げレースレコードで優勝。
優勝タイムはダート2100mで2分5秒9。以前のレコードホルダーだったウイングアローがよく頑張って2着に入着しました。
3着:ミラクルオペラ、4着:ノボトゥルー、5着:プリエミネンス、6着:リージェントブラフ、7着:ワールドクリーク。
1〜7着馬は全て日本調教馬。リドパレスは8着に敗れ、着差は11馬身と3/4。

クロフネは前走のG3武蔵野Sを9馬身差で圧勝し、この時も1600mのコースレコードを更新しました。
そのため、G1JCダートでは圧倒的な1番人気になりました。
しかし、不安な点もあり・・・それは2100mという距離を克服できるか?というものであったのだが、レース結果によって全てを払拭してしまいました。

クロフネはファシグティプトン2yo調教馬セールで、吉田勝巳氏に43万ドルで落札されました。
元々はキーンランド9月イヤリングセールで7万ドルで購入されていたのであるが、ニール・バレナン厩舎によって調教されたのである。
クロフネの現在は金子真人氏と吉田勝巳氏との共同所有となっています。
また、2yo時のクロフネの能力に並々ならぬモノを感じ取った吉田勝巳氏はクロフネの父フレンチデピュティをケンタッキーから購入し、北海道の社台ファームで繋養しています。

リドパレスの鞍上J.ベイリー騎手は8着という結果に対しては言い訳をしなかった。
道中5番手という良い位置に付けながら、クロフネが進出した時に付いていけなかった。
『クロフネに楽に置いて行かれたよ。僕の馬を抜いた時も何の労力も使っていなかった。リドパレスはクロフネに対しては白旗を揚げた状態だった。』
調教師R.フランケル師は10月の熱発による調教不足を理由にあげた。
『思ったようには馬体が絞れていなかった。とてもタフなレースだったし、勝ち馬はとても強い馬だった。是非、クロフネをアメリカに連れて行って欲しい。どんなレースをするか見てみたいものです。』

クロフネの遠征計画・・・・ドゥバイWC、BCクラシック制覇であることは明らかである。

2001/11/25  

※レーシングポスト紙追記(11/25)
ジェネラルロッシの鞍上G.スティーヴンス騎手のコメント
『レース序盤はとても上手くレースを運ぶ事が出来たが、勝ち馬が強すぎたよ!』
アメリカ産馬のクロフネはG1BCジュヴェナイルフィリーズで3着に入ったベラベルッチの全兄。

クロフネの秋シーズンは、G1天皇賞(東京・芝2000m)に出走する事から開始されるはずであった。
しかし、外国産馬の出走制限・・・2頭まで・・・に阻まれて出走を諦めざるを得なくなった。
クロフネの優先順位が3番目であったからである。
そこで、ターゲットをG3武蔵野S(東京・ダート1600m)に定めたわけであるが、彼は初ダートのこのレースで大成功を収めた。(9馬身差・コースレコードで圧勝)
クロフネの次なるターゲットはJCダートに定められたのであった。
管理する松田師のコメント:
『2走連続のレコード勝ちとなりました。我々は来年のドゥバイWCに向けて慎重に準備していくつもりです。』
鞍上の武騎手のコメント:
『今日の馬の状態は最高だった。スムーズにレースが出来たし、自信はありました。
ドゥバイWCに出走できれば良いと思う。僕は今まで通り良い仕事を続けていくだけです。そうすればドゥバイでクロフネに乗る事もできるでしょう。』

さて、欧州馬にとっては非常に辛い結果となった。
アエスクラップ(独)の鞍上、シュタルケ騎手:『最終コーナーを回った時には、何の余力も残っていなかった。』
キングオブタラ(仏)の鞍上、テュリエ騎手:『スタート後は良い位置に付けられたのだが・・・』


Japan Cup Dirt (Grade 1)
2001/11/24 東京競馬場 ダート2100m 3yo以上 馬場:良 16頭立て
他馬を突き放すクロフネ
着順 着差 馬名 馬番 調教師 馬齢 騎手 人気

1

2分5秒9

Kurofune (USA)

(9)

K Matsuda

3

Y Take

7/10F

2

7

Wing Arrow

(8)

K Minai

6

N Yokoyama

5/1

3

1/2

Miracle Opera

(1)

M Ryoke

4

H Miyuki

137/10

4

3/4

Nobo True (USA)

(3)

Hideyuki Mori

5

O Peslier

25/1

5

1

Preeminence

(4)

K Ito

4

M Ebina

91/1

6

1

Regent Bluff

(11)

Y Okubo

5

Y Yoshida

75/1

7

1 1/2

World Cleek

(2)

H Arai

6

H Goto

350/1

8

1 3/4

Lido Palace (CHI)

(14)

R J Frankel

4

J D Bailey

5/2

9

3/4

Generous Rosi (GB)

(10)

Niall M O´Callaghan

6

G Stevens

50/1

10

3/4

Hagino High Grade

(16)

K Matsuda

5

Katsuhara Tanaka

87/1

11

nk

Dig For It (USA)

(7)

B Headley

6

M E Smith

127/1

12

3

Mitsuaki Silence

(5)

T Awatsu

4

S Kawahara

300/1

13

4

Onward Saint

(6)

N Abe

5

M Katsuura

300/1

14

9

Regular Member

(15)

S Yamamoto

4

Mikio Matsunaga

27/1

15

6

Aeskulap (GER)

(12)

H Blume

4

A Starke

200/1

16

10

King Of Tara (IRE)

(13)

F Doumen

3

T Thulliez

100/1

 
クロフネ 3yo 芦毛
父:フレンチデピュティ
母:ブルーアヴェニュー(クラシックゴーゴー)
通算成績:10戦6勝 G1JCダート、G1NHKマイルC、G3武蔵野S(レコード勝ち4回)
オーナー:金子真人
生産者:Nicholas M Lotz
調教師:松田 国師
レース後共同会見(JRAの日本語HPには掲載されていないが海外向けの英語ページには掲載されています。また、各騎手の談話なども掲載されている。)
質問:レコードの勝利でしたが、来年は海外遠征などはお考えですか?

金子オーナー:今年の春からその様に考えています。3月に所有するトゥザヴィクトリーがドゥバイWCに出走するのでドゥバイにいたのですが、その時日本からクロフネが毎日杯に優勝したという電話をもらいました。
この電話を受けた時、海外遠征をさせてみようと思いました。幸いな事に期待に応えてくれまして、武蔵野SとJCダートに優勝してくれました。
クロフネに怪我が無く健康なら遠征してみたいと思います。

質問:現在、有馬記念の人気投票でクロフネは第2位ですが?

金子オーナー:彼の目標はドゥバイWCです。調教師と話し合ってからそれの準備と最適なトライアルレースを決めようと思います。
ドゥバイで最高の状態に持っていけるようにです。

質問:クロフネの勝利をどの辺りで確信しましたか?

松田調教師:幾つかのチェックポイントがあって、先ずスタート。次に第1コーナーまでの位置取り、3番目は向こう正面で一息入れられるかどうか。この3点がクリアできた時点で勝利を確信しました。

質問:レース前には2100mは持たないのでは?と言われていましたね。ところが、結果は上がり3Fが35秒8というものでした。
スタミナの心配は無くなりましたが、ドゥバイWCに向けてトライアルレースはどれを予定していますか?


松田調教師:クロフネは2戦連続でレコード勝ちを収めました。だから、オーバーワークにならないように注意しなくてなりません。
怪我を予防する上でも重要です。オーナーからはドゥバイWCに出走するに当たってどのレースがベストなのかを考えてくれと早い頃から言われています。
と、同時に熱烈なファンの要望にも応えなくてはならないので、よく考える必要があります。

質問:クロフネの特徴とレベルアップの為にすべき事は?

松田調教師:春は落ち着きがあり、素直でリラックスした馬でした。まるで古馬のようでした。
シーズンが進むに連れて、闘争心が漲り、肉体的によりパワフルになって馬体重は520〜530Kgに増えました。
そのパワーを維持していければ良いと思います。今まで、怪我をすることなく来れました、調教のやりすぎをせず、怪我に繋がるどんな細かい事にも気をつけていこうと言ってきました。

質問:今日のクロフネの様子はどうでした?

武騎手:パドックでは少し入れ込んでいたようです。コースに出た時はとてもパワフルだったので、落とされないように注意しました。
最高の状態でしたし、スタートも1コーナーまでの位置取りも上手く行き、スムースにレースできました。
前走の結果から、優勝する自信はありました。ゴーサインを出すだけで良かったんです。

質問:あなたは海外でも優れた馬に乗っていますが、クロフネを評価するとどのくらいですか?

武騎手:このレースに限れば、クロフネが1番だと思います。しかも、この馬には成長の余地がまだあります。
とても楽しみです。

質問:ドゥバイWCの為に必要な事は?勝算は?

武騎手:彼にも勝つチャンスはあると思います。僕は自分の仕事をしていくだけですが、そうすればドゥバイでクロフネに騎乗できるでしょう。

質問:3yo時と4yo時ではどちらがベストだと思いますか?

金子オーナー:春先には精神的な弱さが心配でしたが秋までにはかなり大人になってくれました。まだまだ成長の余地があります。

質問:ドバイ遠征については?

松田調教師:元々、アメリカで調教されて持ち込まれていますので、移動に関しては心配していません。
が、遠征先での事、例えば、コンディションの維持とかが心配です。

2001/11/26