2003年度 インターナショナルクラシフィケーション!


●1月12日に2003年度のインターナショナルクラシフィケーション(International Classification)が国際競馬統括機関連盟(the International Federation of Horseracing Authorities)以下IFHAより発表されました。
今年からレイティング115未満の馬は評価対象から外されました。
よって、殆どの日本馬は評価対象外となっております。
2003年にトップのパフォーマンスを発揮した馬は・・・・なんとホークウィング(4yo・牡)!
なんじゃ、そりゃ?って感じですね。
G1ロッキンジSで11馬身差のレコードで勝ったのが評価されたようなのですが、そんなのは相手関係・馬場状態によるだろ?
しかも、付けられたレーティングが133。
しかもだ、次走のG1ナンソープSでは故障を発症したらしく惨敗しているのだ。
この時の他のメンバーがこの後のレースで芳しい成績を上げられなかった為、137から133に下方修正されたらしい。
2002年度のロックオブジブラルタルが128だったことを思うと、おかしいよな〜。
133って言うのは、2001年のサキーと同じ。これは、なにか狂っている。
日本で言えば、G2京王杯SCで圧勝した馬が、G1安田記念で故障発生で敗退した様なものだし。
しかも、1回きりのパフォーマンスで決めて良いんでしょうか?
ちょい前にも、インティカーヴが当時G2のクインアンSでのパフォーマンスでトップにレイティングされたが、インターナショナルクラシフィケーションって、いかにも身内びいきだし、腹立たしいモノがある。
しかも、この評価って、種牡馬としての評価に影響するんだよね。
自分の展開に持って行けたとき、素晴らしい勝ち方をする馬は結構居ます。
が、その時だけを切り取って評価しちゃうと言うのはおかしいよ。
昔、ダンシングブレーヴがトップにレイティングされたときは異論が出なかった。(この時は国際ハンデだったけど)
文句のないトップホースだったからに他ならない。
従ってこの様なクラシフィケーションの数字の一人歩きは危険だ。軽い気持ちで目を通した方が良いと思う。
他は凱旋門賞を圧勝したダラカニ(3yo・牡)が132。愛ダービー・キングジョージを快勝したアラムシャール(3yo・牡)が131。
米2冠馬のファニーサイド(3yo・セン馬)がずっと離れて122。
G1を5勝もしたファルブラヴ(5yo・牡)は127。
スプリント部門ではG1ジュライCとナンソープSをブッコ抜いたオアシスドリームが125でトップに。
3yo牝馬部門はG1BCフィリー&メアターフでイズリングトンの2着したランクレースが119でトップ。
古馬牝馬は2002年度のエクリプス賞馬アゼリが123でトップだった。
BCクラシックに出なかったものの、米国最強馬と言われていたマインシャフトキャンディーライドが仲良く127ポイントだった。
日本馬は3yo馬部門で2冠馬のネオユニヴァースが117。古馬部門でシンボリクリスエスが124。
国際G1に優勝していない割には高評価だった。JCを圧勝したタップダンスシチーは123。
てことは、タップダンスシチーは有馬記念に出ていなければ、もっと高評価だったんだろうね。
この様な、出ない方が有利だと思わせるような、国際クラシフィケーションはもはや意味はない。
国際フリーハンデの復帰を望む!

1昨年から成長著しい、香港馬ですが、今回は110以上に22頭がリストアップされている。
これは、2002年度から8頭の増加になる。
そして、無敗のスプリンターのサイレントウィットネスが121の高評価を受けている。
これはショワジールコンガリーと並ぶ古馬スプリント部門のトップだ。
因みに香港馬でこれまで最高の評価を受けた馬は2000、2001年度のフェアリーキングプローンの122。
● 2003年 Internationa Classifications 3yo馬部門 主な競走馬 ●( )の国名は調教国
※赤字は牝馬 調教国が欧州(英・愛・仏)に関しては調教国を青色にしてみた。
 
レート S 5 - 6F M 7 - 9F I 9 1/2 - 10 1/2F L 11 - 131/2F E 14F〜
132 Dalakhani()
131 Alamshar()
125 Oasis Dream()
122 Fanny Cide(米) Empire Maker(米)
Dai Jin(独)
Kris Kin()
121 Zafeen() Alamshar() Doyen()
Mgistretti()
120 Cajun Beat(米) Empire Maker(米) Ten Most Wanted(米) Roosevelt(愛/香)
Peace Rules(米) Ten Most Wanted(米)
Trade Fair()
119 Kalaman() Dynever(米) The Great Gatsby()
L´Ancresse() Next Desert(独)
Vespone(仏)
118 Refuse to Bend() Super Celebre()
117 Airwave() Bird Town(米) Atswhatimtalknbout(米) ネオユニヴァース(日) Brian Boru()
Somnus() Indian Haven() Ikhtyar() Norse Dancer() Powerscourt()
Russian Rhythm() Ransom O´War(独) Powerscourt()
Nebraska Tornado() Russian Rhythm()
Six Perfections()
Strong Hope(米)
116 Ghostzapper(米) Buddy Gil(米) Balestrini()
Composure(米) High Accolade()
Elloluv(米) Vintage Tipple()
Le Vie dei Colori(伊)
Maiden Tower()
Martillo(独)
Stroll(米)
Yesterday()
115 Bel Esprit(豪) Clodovil() Dimitrova() Dynasty(南ア)
Lady Tak(米) France() Look Honey() Kalabar()
Valid Video(米) ギャラントアロー(日) Mingun() Mezzo Soprano()
Hold That Tiger() ゼンノロブロイ(日) Ocean Silk(英/米)
Indian Express(米) Osorio(独)
Lady Tak(米) Phoenix Reach()
Soto(米) Policy Maker()
Spoken Fur(米) Rhythm Mad()
ゼンノロブロイ(日)

3yo馬部門

今年はランキングされた競走馬の調教国について、欧州馬(英愛仏)の国名を青色にしてみた。
見て貰えれば分かるように、殆どがそれらの国の競走馬だ。
元々、クラシフィケーションが英国から始まっているので、仕方がないと言えばそれまでだが、これはまずいだろ!
あんたら中心に世界が回っているとでも思っているのか!と言うか・・・思っているのだろう。
トップのダラカニはG1凱旋門賞に強い勝ち方で優勝し凄いとは思う。
しかし、今年のメンバーは貧弱だったと思わないか?古馬のトップホースは出ていなかったんだからね。
日本の3冠牝馬のスティルインラブは115までには入らなかったみたいだ。
こう言っては失礼だが、ギャラントアローが115なら十分入っていてもおかしくないと思うぞ。
日本や米国の委員の方々は、どう思っているのか。それが知りたいところだ。
高評価を受けたからと言って有り難がる必要もないし、悔しがる必要も無いってことですな。
いつの日か、日本馬が欧州のクラシックに出走し、ぶっちぎりで勝つことを希望する。
そして、クラシフィケーションをボイコットしよう。『そんなものに興味はありません。』とね。(笑)
● 2003年 Internationa Classifications 古馬部門 主な競走馬 ●馬齢( )の国名は馬齢と調教国
※赤字は牝馬 調教国が欧州(英・愛・仏)に関しては調教国を青色にしてみた。
レート S 5 - 6F M 7 - 9F I 9 1/2 - 10 1/2F L 11 - 131/2F E 14F〜
133 Hawk Wing(4
130 Mubtaker(4)
127 Mineshaft(4米) Candy Ride(4米) High Chaparral(4)
Falbrav(5 Johar(4米)
126 Moon Ballad(4UAE/英)
125 Dubai Destination(4) Nayef(5) Sulamani(4UAE/英)
124 Pleasantly Perfect(5米) シンボリクリスエス(4日)
123 Azeri(5米) Ange Gabriel(5)
タップダンスシチー(6日)
122 Good Journey(7米) Congaree(5米) Storming Home(5米)
Medaglia d'Oro(4米) Medaglia d'Oro(4米)
121 Aldebaran(5米) Rakti(4) Bollin Eric(4)
Choisir(4豪)
Congaree(5米)
Silent Witness(4香)
120 デュランダル(4日) Islington(4) ヒシミラクル(4日)
Lonhro(5豪)
Perfect Drift(4米)
Redattore(8米)
Sightseek(4米)
Special Ring(6米)
119 Xtra Heat(5米) Domedriver(5) ツルマルボーイ(5日) Denon(5米) Bollin Eric(4)
Ipi Tombe(5UAE/米) Wild Spirit(4米) Leadership(4) Mr Dinos(4)
ローエングリン(4日) Mamool(4UAE/英) Vinnie Roe(5)
Wild Spirit(4米) ツルマルボーイ(5日)
Vinnie Roe(5)
118 Tates Creek(5米) Black Sam Bellamy(4) Black Sam Bellamy(4)
エイシンプレストン(6日) Ekraar(6)
Harlan's Holiday(4米) Next Desert(4独)
The Tin Man(5米)
117 Affluent(5米) アドマイヤドン(4日) アドマイヤドン(4日) Indian Creek(5) Gamut(4)
National Currency(4南ア) Adoration(4米) Carnival Dancer(5) Millenary(6) Westerner(4)
Golden Apples(5米) Fleetstreet Dancer(5米) Warrsan(5)
Lucky Owners(4香) Imperial Dancer(5)
Nayyir(5) Kaieteur(4)
Special Kaldoun(4) Olden Times(5)
テレグノシス(4日) Paolini(6独)
Tillerman(7) Volponi(5米)
Touch of the Blues(6米)
Volponi(5米)
Voodoo Dancer(5米)
116 Grand Delight(6香) アグネスデジタル(6日) Ana Marie(4) Highest(4) Persian Punch(10)
Shake You Down(5米) Bright Sky(4) Aquarelliste(5) Polish Summer(6)
Century City(4米) Dublino(4米) Strut the Stage(5加)
Dublino(4米) Fair Mix(5)
Electronic Unicorn(7香) Fields Of Omagh(6豪)
ゴールドアリュール(4日) Heat Haze(4米)
Perfect Soul(5加) Milwaukee Brew(6米)
Soaring Free(4加) Perfect Soul(5加)
Starrer(5米) テンザンセイザ(5日)
Victory Moon(4南ア)
115 Avanzado(6米) アドマイヤマックス(4日) Defier(6豪) Balto Star(5米) ダイタクバートラム(5日)
Beau's Town(5米) Allamerican Bertie(4米) Elegant Fashion(4香) ダイタクバートラム(5日) サンライズジャガー(5日)
Cape Of Good Hope(5香) バランスオブゲーム(4日) Grammarian(5米) Dano-Mast(7デン)
Patavellian(5) Blatant(4) Grandera(5UAE/英) Maktub(4伊)
Shine Again(6米) Bowman's Crossing(4香) Irish Warrior(5米) Sabiango(5独)
State City(4UAE) Clangalang(4豪) Kudos(6米)
Zipping(4) Designed for Luck(6米) Northerly(6豪)
Got Koko(4米) Nysaean(4独)
Passing Glance(4) Zee Zee Top(4)
Priors Lodge(5)
Reel Buddy(5)
Right Approach(4)
Take Charge Lady(4米)
Where or When(4)
With Reason(5)

古馬部門

●ホークウィングがトップにランクされているところからして、見るのもアホらしいが、見ていこう。
130ポイントを得て2番目にランキングされたマブタケルは評価対象レースが凱旋門賞の2着だって言うのだから笑える。
G1ドゥバイWCを圧勝したムーンバラッドが126ポイント。
これって、ドゥバイWCの後、情けないレースをしてしまったためにこの評価なのだろうね。
ホークウィング同様、この後レースに出ていなければ、130は軽く越えてたと思われる。
米国古馬最強と言われたマインシャフトやキャンディーライドらは127ポイントなのだが、米国ダートに出走経験のあるムーンバラッドを物差しにすれば、130を越えていても良いと思うな。
ファルブラヴを127ポイントにしたために、ハイチャパラルとジョハールが同じポイントで並ぶことになった。
ドゥバイディスティネーションがマイル部門で3番目の125ポイントと言うのもよく分からない。
英国人はこの馬を普段から高く評価するのだが、理由は何だろう?
シンボリクリスエスが有馬記念のパフォーマンスで124ポイントを得た。
9馬身差のレコード勝ちが効果的面というところか。BCクラシックに快勝したプレザントリーパーフェクトも124ポイント。
同じく9馬身差の大差勝ちをしたJCのタップダンスシチーは123ポイント。
この1ポイントの差はなんだろう?国際G1よりローカルの限定馬G1の方が評価されて良いのか!?
有馬記念はハッキリ言えば、レースとしての価値はないぞ。賞金は高いけどね。
そのシンボリに勝っているヒシミラクルは120ポイント。これはマイルのデュランダルと同じ。違和感がある。
まったくもって理解しがたいのは、ビリーヴが115までに入っていないことだ。
スプリンターズSとマイルチャンピオンSをブッコ抜いたデュランダルが、日本馬としては高評価の120を得た理由は、欧州で走ったローエングリンとテレグノシスの影響があると思う。
この2頭はあちらのG1レースで好走した経験があるため、無闇に低い評価にすれば、自分たちのG1レース自体を低評価することになって、これはプライドが許さないのだろう。
G1ジャックルマロア賞、安田記念、マイルチャンピオンSを完勝した4yo時のタイキシャトルの評価が122しかなかったことを思えば尚更、その様に勘ぐりたくなる。
3yo馬のクラシフィケーションに比べて、欧州馬が上位を独占と言うわけでもないのは、古馬になると交流レースが増えるからだろう。
逆に言えば、3yo時に交流レースがあれば、似たような分布になるとも言えるのだが。

10yo馬のパーシャンパンチがランクインしているのはとても微笑ましい。

2yo馬部門

2yo部門はさっぱりわからんです。と言うか、クラシフィケーション自体欧州馬だけなので意味がないです。
一応、書いておくと:
121ポイントでバゴ(2仏)がトップにランキングされています。
牝馬は119ポイントでアトラクション(2英)がトップ。

おまけ:
今年から英国競馬公社(BHB)は独自に年度代表表彰制度をスタートさせました。
これは、我が国のJRAアワードや米国のエクリプス賞に相当するものです。
と言っても、投票とかで決まるわけではなく、ICの最高レートを獲得した英国調教馬及び英国で出走した外国馬がそのまま選出されます。
なんだかな〜って感じ。
騎手、調教師、見習い騎手、馬主は全て最多賞金額獲得者が受賞するようです。
しかしながら、年度代表馬だけは選考委員会の投票で選ばれるようです。

第1回 BHBアワーズ
【BHB年度代表馬】 ファルブラヴ・・・まあ異論のでないところですね。
【BHB最優秀2yo牡馬】 ラッキーストーリー、ミルクイットミック、スリーヴァレーズ・・・何で最優秀が3頭?おかしいよな〜。
【BHB最優秀2yo牝馬】 アトラクション・・・G1勝ちはないがG2、G3レースに勝ち5戦5勝。
【BHB最優秀3yo牡馬・中距離馬】 アラムシャール・・・愛ダービー、キングジョージに優勝しているので異論はない。
【BHB最優秀3yo牝馬】 ラシアンリズム、エアウェーヴ・・・やっぱ2頭ってのはしっくりこないよ。
【BHB最優秀古牡馬・マイラー】 ホークウィング・・・絶対おかしいよ。
【BHB最優秀古牝馬】 イズリングトン・・・BCフィリー&メアターフにも優勝したし文句はない。
【BHB最優秀スプリンター】 オアシスドリーム・・・問題ないな。
【BHB最優秀ステイヤー】 ボーリンエリック、ミスターディノス
【BHB最優秀見習い騎手】 R.ムーア騎手
【BHB最優秀騎手】 K.ファロン騎手
【BHB最優秀調教師】 M.スタウト師
【BHB最優秀馬主】 K.アブデュラ殿下

これって、殆ど意味のないアワードなんですよね。
大体、どの部門にも選ばれていないファルブラヴが年度代表馬になってしまう。
しかもファルブラヴは異論の出ない馬だけに、各部門は一体何なのだ?という大きな疑問が湧きます。
それなのに、制定してしまったのは、おそらくクラシフィケーションに大きな意味を持たせたいという思惑があったからでしょう。
何という強引さなんだろう・・・。
そんなことをしても、英・愛の馬のレベルが上がるわけでもないし、已然として米国産の馬が世界1には変わりは無いのだよ。

2004/1/21 UP