BHBサマートリプルクラウン
●遅くなってしまいましたが、今年から始まる英国夏の三冠馬シリーズ及びグランドスラムについてUPしたいと思います。
まず、これは何なのかと言いますと、英国のブックメーカー側と主催者側で大きな契約の変更があり、主催者側に大金が転がり込む事になったことから始まります。
大金を得た主催者のBHBは英国競馬をよりグレードの高いものにするため、本シリーズを発起しました。
3yo以上の馬による3冠シリーズ、及びグランドスラムと言われる4冠馬に対するボーナスシリーズとなります。
*第1ステージ・・・以下の4レースのうちどれかに勝利する。
英オークス(エプソム競馬場6月6日):3yo牝馬限定・・・今年の勝ち馬:カジュアルルック(牝・3yo)
コロネーションC(エプソム競馬場6月6日):4yo以上・・・ワールサン(牡・5yo)
英ダービー(エプソム競馬場6月7日):3yo馬限定・・・クリスキン(牡・3yo)
プリンスオブウェールズS(アスコット競馬場6月18日)4yo以上・・・ネイエフ(牡・5yo)
*第2ステージ・・・更に以下の2レースを連勝すると3冠馬となり100万ポンドのボーナスが与えられます。
エクリプスS(サンダウン競馬場7月5日)3yo以上
キングジョージS(アスコット競馬場7月26日)3yo以上
*第3ステージ・・・3冠馬となった馬が以下のレースに優勝した場合グランドスラムとなり500万ポンドのボーナスを得ます。
インターナショナルS(ヨーク競馬場8月19日)
●過去の名馬を照らし合わせるとこの3冠馬に相当する馬が9頭います。
1993年・・・オペラハウス(コロネーションC、エクリプスS、キングジョージSに優勝)
1989年・・・ナシュワン(英ダービー、エクリプスS、キングジョージS)
1988年・・・ムトト(プリンスオブウェールズS、エクリプスS、キングジョージS)
以上3頭はモハメド殿下の馬達。
1980年・・・エラマナムー(プリンスオブウェールズS、エクリプスS、キングジョージS)
1972年・・・・ブリガディアジェラード(プリンスオブウェールズS、エクリプスS、キングジョージS)
この馬はその後にベンソン&ヘッジスGC【現インターナショナルS】に出走し、ロベルトにまさかの2着と敗れた。
現在までで最もグランドスラムに近づいた馬と言えるでしょう。
20世紀の英国調教馬ナンバー1に選ばれた同馬を基準としてグランドスラムが決められたのではないかと思われます。
1971年・・・ミルリーフ(英ダービー、エクリプスS、キングジョージS)
言わずと知れた70年代最強馬!同馬はこの後凱旋門賞を制し最高の人気を博した。
3yo時にブリガディアジェラードと1回だけ対戦したのが英2000ギニー。
ここは世紀の名マイラーのブリガディアジェラードに軍配が上がったが、その後G1レース6連勝を達成した。
この2頭は本当に凄い馬だった。
1968年・・・ロイヤルパレス(プリンスオブウェールズS、エクリプスS、キングジョージS)
1958年・・・バリーモス(コロネーションC、エクリプスS、キングジョージS)
1952年・・・タルヤー(英ダービー、エクリプスS、キングジョージS)
最近の3yo馬の動向を見た場合、英ダービー馬は愛ダービーに向かうことが多いのでローテーション的にかなりきついです。
愛ダービーが6月29日ですから有力な3yo馬:例えばクリスキンなどは愛ダービーとエクリプスSのどちらに向かうか迷うところです。
そして、最後のインターナショナルSは普段の年だと休養に当てている馬などが多いので、どれだけレベルの高い馬が揃うのかというのが課題となります。
500万ポンド欲しさに、馬に無理をさせるのか、馬の状態を考えて回避するのか・・・見物ですな。