2002年度 インターナショナルクラシフィケーション!



2002年度インターナショナルクラシフィケーション(International Classification以下IC))が1月15日にロンドンで発表されました。
2002年度の世界最高のパフォーマンスを発揮されたと評価された馬はロックオブジブラルタル(3yo・牡)でした。
与えられた評価は128ポイント。
なんと、低い評価なんでしょうか!昨年のポイントギブンが130。ガリレオが129ですからなんか非常に低い気がする。
G1レース7連勝という大記録を達成し、引退レースのBCマイルこそ2着と取りこぼしてしまったが、立派な成績である。
強い馬だと思う。ただ、クラシックよりも低いと見られがちなマイル路線であったことと、勝ち方が派手でなかったという理由で128という評価にとどまったのだと思う。
2002年は日本はもとより、世界中で有力馬の途中リタイヤが目立った。
1頭の抜きんでた馬がいなかった。ドングリの背比べだったのか、それとも非常にレベルが高かったのか。
それは2003年度のレースではっきりするだろう。
欧州・アメリカ共にスター馬がいなかったこともあるが、今回のICの扱いは昨年に比べると雲泥の差がある。
英レーシングポスト紙などは発表の翌日にはランキングに載った全ての馬を一覧表にしてHPにアップしてくれた。(昨年は)
しかし、今年は上位の10頭ほどを箇条書きでUPしているだけである。(この扱いの差はなんだろう?)
時間が経てば、ちゃんとUPしてくれるのだろうけど・・・まてねーよ!(笑)
米国のブラッドホース紙もトップにはロックオブジブラルタルが立ちました!と発表し、上位10頭をUPするにとどまっている。
もしかして、情報元が同じなのか!?
そんな中、昨年度躍進著しい香港JCはやってくれました!^^
殆どの馬のランキングをエクセルのファイルでUPしてくれています。
ただ、馬齢がゴチャゴチャで見にくい。(笑)てなことで、私が少し見やすくまとめてみましたので参考にして下さい。
● 2002年 Internationa Classifications 3yo馬部門 主な競走馬 ●( )の国名は調教国
※赤字は牝馬
 
レート S 5 - 6F M 7 - 9F I 9 1/2 - 10 1/2F L 11 - 131/2F E 14F〜
128 Rock of Gibraltar(愛)
126 High Chaparral(愛)
Sulamani(仏)
124 War Emblem(米)
123 Wher Or When(英) Act One(仏)
Hawk Wing(愛)
122 Hawk Wing(愛)
121 Came Home(米) Came Home(米)
Medaglia d'Oro(米) Medaglia d'Oro(米)
120 Came Home(米) Buddha(米) Bright Sky(仏) Islington(英)
Gygistar(米) Harlan's Holiday(米) Islington(英) Next Desert(独)
Thunderello(米) Landseer(愛) Moon Ballad(英) Sarava(米)
Repent(米)
119 Sunday Break(米) Kazzia(英) Kazzia(英)
Magic Weisner(米) Pearly Shells(仏)
シンボリクリスエス(日) シンボリクリスエス(日)
118 Farda Amiga(米) Farda Amiga(米) Ballingarry(愛/米)
Gossamer(英) Proud Citizen(米) Bandari( 英)
117 Booklet(米) アドマイヤドン(日) Quarter Moon(愛) Bollin Eric(英)
Imperial Gesture(米/UAE) Perfect Drift(米)
Sopphisticat(愛) Sholokhov(愛)
116 You(米) Dress To Thrill(米) Riskaverse( 米) Black Sam Bellamy(愛)
Riskaverse( 米) Margarula(愛)
You(米)
115 Captain Rio(米) Bowman(仏) ゴールドアリュール(日) ファインモーション(日)
Officer(米) Johar(米) ノーリーズン(日)
Zenda(英) Zenda(英)
114 テレグノシス(日) Chiselling(米)
Kaieteur(英)
Khalkevi(仏)
Marotta(仏)
113 Carson Hollow(米) Fraulein(英) Jilbad(米)
112 Johannesburg(愛) Guadalupe(独)
ローエングリン(日)

3yo馬部門

A.オブライエン軍団恐るべし!
上位にランキングさせているアイルランド調教馬は殆どがA.オブライエン厩舎の馬である。
元々、欧州発信のクラシフィケーションなので欧州馬に有利なのだが、これほど上位に来るとは驚きだ。
アメリカ馬よしっかりしろ!と言いたい。欧州の芝のレースを馬鹿にしないで挑戦すべし!!
英仏海峡を挟んで対峙したハイチャパラルとスラマニが126ポイントで並んだ。
米国2冠馬のウォーエンブレムは124ポイント。BCクラシックでの惨敗が無ければもう少し高評価されただろう。
日本産馬のサンデーブレークが119ポイントの結構高い評価を受けている。
同じく119ポイントにはシンボリクリスエスもいるが、JC優勝馬のファルブラヴが120ポイントなので妥当なとこだろう。
両馬共にG1勝ち(この場合国際G1のこと)が無いわりにちゃんと評価されていると思う。
118ポイントのバリンガリーがG1馬なのだから、おそらくJCのパフォーマンスと天皇賞・秋、有馬記念の優勝も評価されてるのであろう。
アドマイヤドンが117ポイントというのは良くわからん評価である。
JBCクラシックの快勝ぶりが評価されたのかな。
ファインモーションは日本馬の牝馬としての平均的な評価にとどまった。
有馬記念なんぞに出ないで香港に行くべきだったな。一応ロングディスタンス部門での評価となっているが、この馬は中距離馬だ。
2003年の飛躍を期待する!
あと、皐月賞馬のノーリーズンはランクインしているのだが、ダービー馬のタニノギムレットや菊花賞馬のヒシミラクルらは110ポイント以上にはランクインしていない模様だ。
ICの評価対象レースが良くわからんけど、これは大きな見落としだろうと思う。
日本の委員は何をしとるのか!
笑えるのは2001年度の最優秀2yo馬で天才と言われたヨハネスブルグとローエングリーンが112ポイントで仲良く並んでいるところかな。^^;
● 2002年 Internationa Classifications 古馬部門 主な競走馬 ●馬齢( )の国名は馬齢と調教国
※赤字は牝馬
レート S 5 - 6F M 7 - 9F I 9 1/2 - 10 1/2F L 11 - 131/2F E 14F〜
127 Marienbard(5UAE/英)
126 Keltos(4仏) Grandera(4UAE/英) Golan(4英)
125 Azeri(4米) Nayef(4英) Nayef(4英)
Volponi(4米)
124 Orientate(4米) Domedriver(4仏) Northerly(6豪)
Street Cry(4UAE/米) Street Cry(4UAE/米)
123 Califet(4仏)
122 Good Journey(6米) Beat Hollow(5米) Ange Gabriel(4仏)
Left Bank(5米) Starine(5米) With Anticipation(7米)
121 Astra(6米) Astra(6米) Falcon Flight(6米)
Congaree(4米) Best of The Bests(5UAE/英)
Swept Overboard(5米) Storming Home(4英)
120 Xtra Heat(4米) Forbidden Apple(7米) Defier(5豪) Boreal(4独)
Ladies Din(7米) Evening Attire(4米) Falbrav(4伊)
Lido Palace(5米) Falbrav(4伊) Zindabad(6英)
Noverre(4UAE/英)
119 Crafty C.T.(4米) Banks Hill(4仏/米) Banks Hill(4仏/米) Anabaa Blue(4仏) Vinnie Roe(4愛)
Kalookan Queen(6米) Golden Apples(4米) Golden Apples(4米) Aquarelliste(4仏)
Kyllachy(4英) Mizzen Mast(4米) Momentum(4米) Denon(4米)
Nayyir(4英) Sarafan(5米) Sarafan(5米)
Sunline(7NZ) Sky Jack(6米) The Tin Man(4米)
Val Royal(6米)
118 Caller One(5米) Hap(6米) Bach(5愛) Ekraar(5UAE/英) マンハッタンカフェ(4日)
Invincible Spirit(5英) No Excuse Needed(4英) エイシンプレストン(5日) Kutub(5英)
Snow Ridge(4米) Shogun Lodge(6豪) Indian Creek(4英)
Spain(5米) Milwaukee Brew(5米)
Rebelline(4愛)
117 All Thrills Too(5香港) アグネスデジタル(5日) アグネスデジタル(5日) ジャングルポケット(4日)
Continent(5英) Olympic Express(4香港) Lonhro(4豪)
ナリタトップロード(6日)
Paolini(5独)
Precision(4香港)
116 Bahamian Pirate(7英) アドマイヤコジーン(6日) E Dubai(4UAE/米) マグナーテン(6日) Royal Rebel(6英)
Raging Fever(4米) イーグルカフェ(5日) サンライズペガサス(4日) Yavana's Pace(10英)
Nuclear Debate(7米) Electronic Unicorn(6香港)
ショウナンカンプ(4日) Raging Fever(4米)
Nuclear Debate(7米)
トウカイポイント(6日)
115 ダンツフレーム(4日) Indigenous(9香港) ダンツフレーム(4日) Warrsan(4英)
Terre A Terre(5仏) Sei Mi(6サウジ)
114 Super Molly(5香港) エアシャカール(5日) コイントス(4日)
ツルマルボーイ(4日)
113 ビリーヴ(4日) Falvelon(5豪) Housemaster(6香港)
Falvelon(5豪) ノボトゥルー(6日) カネツフルーヴ(5日)
Firebolt(4香港) リキアイタイカン(4日) トーホウシデン(5日)
Slickly(6英)
112 エアトゥーレ(5日) ダイタクリーヴァ(5日) Helene Vitality(6香港)
Charming City(6香港) ゴッドオブチャンス(4日)
グラスワールド(6日)
ミレニアムバイオ(4日)
111 ブレイクタイム(5日) Cheers Hong Kong(5香港) Cheers Hong Kong(5香港) キングザファクト(5日)
メイショウラムセス(4日) Industrial Pioneer(5香港) マチカネキンノホシ(6日)
トーホウエンペラー(6日)
110 Thunder(4香港) アメリカンボス(7日) イブキガバメント(6日) ダイヤモンドビコー(4日)
テンザンセイザ(4日) TMオーシャン(4日) ホットシークレット(6日)
Red Papper(5香港)

古馬部門

まさかマリエンバードがトップにランキングされるとは想像もつかなかった。
とは言え、凱旋門賞の勝ち方は素晴らしかったので数字上トップにランクされるのは驚きはしない。
春のドゥバイ開催でアッと驚く勝ち方をしたストリートクライやネイエフ、そしてサキーなどのドゥバイ軍団が年間を通じて活躍できなかったのが痛い。
ワールドチャンピオンのグランデラはレースのペースに注文が付くため、優勝したレースも辛勝が多い。
その為パフォーマンスとして評価されにくい。
ゴーランはキングジョージに優勝しただけだし、ヴォルポニはBCクラシックで番狂わせを演じた。
ドームドライヴァーは2002年に唯一ロックオブジブラルタルに勝った馬として名を残すであろう。
オーストラリアの雄ノーザーリーは女帝サンラインに引退への引導を渡し、王者になった。
ランクの数値は昨年度よりも数段落ちてしまったが、群雄割拠の年だとこの様になりがちである。
正直な話、低レベルだったと言ってしまうのは簡単だが、ワールドシリーズの勝ち馬はバラエティーに富んでいたし面白いレースが多かった。
また、暮れの香港開催で大爆発した香港馬は大躍進したようだ。
香港スプリント勝ち馬のオールスリルストゥーが117ポイントを与えられました。
国際G1レースだったとは言え、ローカルなレースを勝っただけにしては高評価だと思う。
香港開催が世界に認知されていることがよく分かる。今年は海外のレースにも挑戦して欲しいと思う。
香港馬は史上最多の馬がランクインしており、今年いっそうの発展が期待される。
さて、日本馬だが、春のドゥバイ開催と香港のクイーンエリザベス2世Cでのパフォーマンスにより、エイシンプレストンとアグネスデジタルが118、117ポイントを与えられている。
海外挑戦を表明していたジャングルポケットのリタイヤや海外に遠征した馬の数が少なかったのは痛かった。
特にクロフネの引退は大きかった。
凱旋門賞で惨敗したマンハッタンカフェの118という評価はちょっと理解できない。高すぎると思う。
ナリタトップロードは昨年の116ポイントから117ポイントにUPしている。
面白いのはマグナーテンがL部門でランクされているところだ。
● 2002年 Internationa Classifications 2yo部門 主な競走馬 
 レーティング 馬名 性別 調教国
123 Oasis Dream
122 Tout Seul
121 Six Perfections
119 Elusive City
Tomahawk
118 Dalakhani
Somnus セン
117 Airwave
Hold That Tiger
Zafeen


2yo馬部門

2yo部門はさっぱりわからんです。
トップのオアシスドリームの数値は平均的なトップの馬の数値に落ち着いている。
この中からクラシック馬が出る確率は非常に高いと思うが、過度な期待はすまい。
昨年のヨハネスブルグの様にガックリとしてしまうと辛いものがある。

総評・・・トップの馬の数値が128というのは近年希にみる低評価である。
何馬身離して勝ったかが重要視されるこの様なランキングでは得てして、馬の絶対的評価を見誤りがちである。
また、ムラ駆けする馬が多かった事も数値に反映したかもしれない。
大レースは番狂わせが多かったし、大勝と大敗を繰り返す馬が多かった。
IC委員の皆さんも頭を悩ませただろうと思う。
しかしだ、彼らはプロである。この様に年度毎にころころと評価が変わるようでは問題大有りである。
古馬の上位陣は引退してしまったので、検証する事は不可能だが、今年古馬となる3yo馬部門の上位馬のハイチャパラルやスラマニは今年も現役を続行する。
果たして、この評価で良かったのかどうかが今年のレースを通して少しは解るだろう。

2003/1/17 UP