第224回オークス
前日からの雨で、重馬場で行われたオークス。
優勝したのは、ドイツ生まれのカッツィア(父ジナード)だった。
彼女はG1英1000ギニー、G1英オークスを連勝し、秋にはG1セントレジャーに向かうプランもあることを関係者が表明したそうです。
そうなると、変則だが3冠馬となる。
チーム・ゴドルフィンは11度目の英クラシック制覇を達成したことになりました。

レースは終始先行したカッツィアが残り2Fで先頭に立ちそのまま押し切るかと見えたときに、M.キネーン鞍上のクォータームーンただ1頭だけが戦いを挑んできました。
しかし、カッツィア鞍上のL.デットーリの巧騎乗によって半馬身だけ先頭でゴールイン。
2着クォータームーンと3着シャドウダンサーとの差は14馬身!
2頭だけ力が違っていたとも言えるが、馬場状態が悪すぎたとも言える。
勝ちタイムが2分44秒も掛かっているもんね・・・。
ところで、1000ギニーの時にも書いたが、カッツィアは昨年の秋にドイツのA.ヴェラー師の元からゴドルフィンにトレードされています。
『彼女のレースを見て走りが気に入ったのです。』と改めてコメントしました。
見たと言っても、ビデオなんですけどね。^^;
そして、
『スリックリーには大きな借りができましたね。なぜなら彼がミラノのヴィットリオ・ディ・カプリア賞に優勝したお陰で彼女を知ることができたわけですからね。それまで私は彼女のことを何も知りませんでした。
彼女は良い根性をを持っているし、もっと良くなるはずですよ。』

と続けました。
気が早いが、カッツィアの次走はどうなるのだろう?
チーム・ゴドルフィンのレーシング監督S.クリスフォード氏のコメント:
『カッツィアはG1セントレジャーに向かうのが良いと思うが、様子を見ることが大事だ。その前にはG1愛オークスもヨークシャーオークスもあるからね。
もし、セントレジャーに向かうことになればそれは素晴らしいことだね。3冠が掛かるからね。
とにかく、1000ギニーがキーポイントでしたよ。オークスは取れると思ってましたから。
レース前には十分な打ち合わせをして積極的にレースを進めようと決めていました。
これは彼女の(うちに来る前の)スタイルでしたから。最後は燃料切れになるかと思ってましたが、鞍上のL.デットーリ騎手が上手く乗ってくれました。』

当のL.デットーリ騎手は自信があったようです。
『初めから言っているように、彼女はスーパースターだったでしょ!』とにこやかだ。
『終始先行していたので、集中力が少し切れかかっていたし、バテ気味でした。最後はアクセルを踏みっぱなしでしたが1着でゴールインしてくれましたね。』
と言うことです。
さ〜〜て、またもや2着に破れたクォータームーンはG1愛オークスに向かうようです。
オーナーのR.ヘンリー氏は『とてもエキサイティングなレースだった!』とコメントし、次走の予定は調教師のA.オブライエン師に一任する構えである。
2番人気に押されていたK.ファロン鞍上のイシリングトンは馬場が合わず8着に大敗した。
『血統からこの馬場でも大丈夫だと思ったんだっけど、全然ダメでした。彼女は泳いでましたよ。』
とはK.ファロン騎手のユーモアあるコメント。

このカッツィアにプライベート戦とはいえ、勝っているサイレントオナーってどんな強さなんでしょうか?
非常に気になりますね〜〜〜^^
Vodafone Oaks (Group 1)
2002/6/7 エプソム競馬場 芝1マイル4F10yrd 3yo・牝馬 馬場:重(Soft) 14頭立て
力強い走りでゴールに向かうカッツィア・・・ゴドルフィンブルーの勝負服
 
着順 着差 馬名 枠番 調教師 騎手 人気

1

2分44秒52

Kazzia (GER)

(13)

Saeed Bin Suroor

L Dettori

100/30F

2

1/2

Quarter Moon (IRE)

(10)

A P O´Brien

M J Kinane

15/2

3

14

Shadow Dancing

(3)

M P Tregoning

Martin Dwyer

14/1

4

nk

Starbourne (IRE)

(14)

A P O´Brien

J P Murtagh

16/1

5

1

Red Rioja (IRE)

(4)

E J O´Neill

J F Egan

100/1

6

hd

Mellow Park (IRE)

(1)

J Noseda

D Holland

7/2

7

1

Alexander Three D (IRE)

(9)

B W Hills

M Hills

16/1

8

1 3/4

Islington (IRE)

(8)

Sir Michael Stoute

K Fallon

7/2

9

2

Persian Lass (IRE)

(5)

P W Harris

T Quinn

100/1

10

4

Snowfire

(11)

J L Dunlop

Pat Eddery

20/1

11

12

Kournakova (IRE)

(6)

A P O´Brien

K Darley

33/1

12

14

Maryinsky (IRE)

(2)

A P O´Brien

R Hughes

33/1

13

11

Esloob (USA)

(12)

M P Tregoning

R Hills

12/1

14

大差

Spinnette (IRE)

(7)

J Noseda

J P Spencer

14/1

 
<カッツィア> 牝・3yo 鹿毛 1999年4月12日生まれ
父:ジナード(シャーリーハイツ)
母:コルナ(ラグナス)
通算成績:4戦4勝
主な勝ち鞍:G1英1000ギニー、G1英オークス
オーナー:Godolphin
生産者: Mrs R Grunewald
調教師: Saeed Bin Suroor


第223回ダービー
A.オブライエン帝国が完璧に築かれつつある。
第223回ダービーは師の管理馬の1-2フィニッシュだった。
昨年はオークス(イマジン)、ダービー(ガリレオ)のダブル優勝。驚くべき事に、過去7つの英クラシックレースにおいて5勝をあげている。
この独占状態は何なんだ?
まあ、昨年の2yo戦線で独占状態だったからこれは十分予想できたことだけど、面白くない。
だいたい、桁違いの大金持ちが優秀な産駒を買い占めて(生産して)、全部A.オブライエン師に預けていれば勝てるわな〜。
日本で言えば、社台ファームが全ての馬を預けた厩舎がほとんどのレースに勝ってしまうようなモノである。
さて、優勝したのはハイチャパラル。
これで、アイルランド調教馬の3年連続優勝となった。(2000年:シンダール、2001年:ガリレオ)
優勝ジョッキーのJ.ムルタ騎手はシンダールに続いて2度目の制覇となった。おめでとう!

レースはゴドルフィンのムーンバラッド引っ張るかたちで進んだが、残り4Fで後ろにいたハイチャパラルが前方に進出を開始する。
直線、残り2Fでムーンバラッドを交わしたハイチャパラルが先頭に立った。
ここで、同厩舎のホークウィング(鞍上M.キネーン)が食い下がったが、残り100ヤード地点でスタミナ切れ。
結局、ハイチャパラルが2馬身差でゴールインし完勝した。
3着のムーンバラッドとの差は12馬身。馬場状態が相当悪かったのだろう。
サドラーズウェルズの仔(ハイチャパラル)に取っては絶好の馬場状態であったし、スタミナのないウッドマン産駒(ホークウィング)にとってはスローの流れだったのが良かったのだろう。
仮に良馬場で行われていたら、この結果は大きく変わったと思う。
少なくともホークウィングが2着来ることはなかったはずだ。
どうも、A.オブライエン師はホークウィングを勝たせたかったらしく、悔しい表情だったが、それは無理だ。
2yo時の7Fのレースで見せた素晴らしいパフォーマンスの事は忘れてしまった方がよい。
我が国のスピードワールドも2yo時に凄い走りを見せてくれたが、3yoになったらただの馬になっていた(笑)
これを追いかけて痛い目にあった馬券師も多かっただろうと思う。

L.デットーリ騎手はまたもやダービーに勝てず・・・。
ナヒーフは7着に惨敗してしまった。
しかし、チーム・ゴドルフィンにとってムーンバラッドの走りは好材料で、メドが立ったようである。
次は良馬場で期待したいところだ。
さて、直線で左前脚を骨折して落馬し予後不良となってしまったコショクトンだが、鞍上のP.ロビンソン騎手には加賀はなかった模様である。

今回は、勝利者陣営のコメントは割愛させていただきました。m(。、)m
お互いに素晴らしいを連呼し、天下を取った様なコメントにはヘドが出そうです。(--;)

ストップ・ザ・オブライエン!・・・・次は愛ダービーだ!!
Vodafone Derby Stakes (Group 1)
2002/6/8 エプソム競馬場 芝1マイル4F10yrd 3yo・牡牝 馬場:稍重(Good to Soft) 12頭立て
直線での叩き合い!・・・最内がハイチャパラル
 
着順 着差 馬名 枠番 調教師 騎手 人気

1

2分39秒45

High Chaparral (IRE)

(9)

A P O´Brien

J P Murtagh

7/2

2

2

Hawk Wing (USA)

(12)

A P O´Brien

M J Kinane

9/4F

3

12

Moon Ballad (IRE)

(4)

Saeed Bin Suroor

J P Spencer

20/1

4

1

Jelani (IRE)

(3)

Andrew Turnell

F Lynch

100/1

5

5

Fight Your Corner

(5)

M Johnston

K Darley

8/1

6

17

Where Or When (IRE)

(10)

T G Mills

J Fortune

66/1

7

2

Naheef (IRE)

(7)

Saeed Bin Suroor

L Dettori

5/1

8

12

Bandari (IRE)

(11)

M Johnston

R Hills

9/2

9

7

Louisville (IRE)

(2)

A P O´Brien

K Fallon

25/1

10

6

Tholjanah (IRE)

(1)

M P Tregoning

W Supple

14/1

11

6

Frankies Dream (IRE)

(8)

T G Mills

Pat Eddery

100/1

競走中止

Coshocton (USA)

(6)

M A Jarvis

P Robinson

28/1

 
<ハイチャパラル> 牡・3yo 1999年3月1日生まれ
父:サドラーズウェルズ
母:カソラ(ダルシャーン)
通算成績:6戦5勝
主な勝ち鞍:G1英ダービー、G3愛ダービートライアル。
オーナー:M Tabor & Mrs John Magnier
生産者: S Coughlan
調教師: A P O'Brien

2002/6/9