Royal Ascot Meeting 1999


英国、初夏を彩るロイヤル・アスコット開催が6月15日〜19日に渡って行われました。
200年以上の歴史をもつロイヤル・アスコット開催ですが・・・本年もスターが誕生した模様です。
特に、春の4歳マイル王決定戦のセントジェームスパレスS(G1)では仏2000ギニー馬のセンダワールが圧勝!
4歳マイル王の座を確定致しました。
また、牝馬部門においても日本でお馴染みのマイケル・ロバーツ騎乗のバリサダコロネーションS(G1)を直線ゴボウ抜きであっと驚く大勝利!
単勝は17倍!相変わらずロバーツ・・・やってくれます(^^ゞ
世界一のステイヤー決定戦・・・アスコット・ゴールド・カップ(G1)はアガ・カーン殿下の所有馬エンゼーリが奪取!

アスコット競馬場ロゴ

1999年ゴールドカップ勝ち馬―エンゼーリ―アスコット競馬場の広〜いパドック!

淑女inロイヤル・アスコット


~ Cape Cross Not A Fake ! ~

― 第1日目 ―

ロイヤルアスコット開催の初日を飾るクイーンアンS(G2)が6月15日(火曜日)に行われました。
このレースはマイル路線を占う上で非常に重要なレースとなっており、昨年度の勝ち馬インチカーヴは年度代表馬に選ばれました。
さて、馬場状態・良で行われた今年のレースは、米国から移籍してきたG.スティーヴンス鞍上のケープクロスCape Cross)6歳・牡がまんまと逃げ切り勝ち!
勝ちタイムは1:39:72でした。
2着には人気薄ドックサイダー(Docksider)が良く追い込んで入線。3着にはO.ペリエ鞍上のアルムシュタラク(Almushtarak)。
本命ファエク(Fa-eq)F.デットーリ鞍上は残り1Fで力尽き4着が精一杯。人気を裏切りました。
なお、ケープクロスの次走は7月28日のG1サセックスS(Sassex Stakes)。

ケープクロス  父:グリーンデザート 母:パークアピール(アホヌーラ)1994年生 鹿毛 アイルランド産
          通算成績:17戦4勝
          オーナー : ゴドルフィン
          調教師  : S.ビン・スルール
          生産者  : モハメド殿下
          騎手   : G.スティーヴンス

6月15日(火曜日) アスコット競馬場
クイーンアンS(G2)(芝)8F 8頭馬場・良(good to firm)  4歳上
着順 馬名 馬齢 斤量 騎手 着差 厩舎
1 Cape Cross 6 133 G.スティーヴンス 1:39:72 Saeed bin Suroor
2 Docksider 5 128 M.ヒルズ
3 Almushtarak 7 131 O.ペリエ 11/2 Saeed bin Suroor
4 Fa-Eq 128 L.デットーリ 3/4
5 Perfect Vintage 128
6 Sorbie Tower 128
7 Fly to the Stars 133
8 On the Ridge 128

~ Sendawar Shows Real Class ~

全欧4歳マイル王決定戦・・・セントジェームスパレスS(St James's Palace Stakes)は英・愛2000ギニー馬が相次いで出走を回避したため
メンバー的には少し薄くなりました。しかし、レヴェルが決して低く無かったと言う事は明らかな様です。
前走仏2000ギニーを快勝してここに臨んだセンダワール(Sendawar)は予想通り1番人気!
レースは直線手前でアルジャブル(Aljabr)を楽に捕えて1馬身1/4を着けて楽勝!
4歳マイル王の称号を勝ち取りました。
着差以上に強いレース運びでした。勝ちタイムは1:39:99。馬場状態は良でした。
3着には5馬身差でゴールドアカデミー(Gold Academy)が入線しました。
なお、フランス調教馬の本レース制覇は1993年のキングマンボ以来6年振りのことでした。
センダワールの次走はG1・ジャックルマロワ賞、古馬との初対戦となります。

センダワール  父:プリオロ 母:センダナ(ダルシャーン)1996年生 鹿毛 アイルランド産
          通算成績:6戦3勝
          オーナー : アガ・カーン殿下
          調教師  : A.ド・ロワイユデュプレ(Alain de Royer Dupre)
          生産者  : アガ・カーン・スタッド
          騎手   : G.モッセ

6月15日(火曜日) アスコット競馬場
セントジェームスパレスS(G1)(芝)8F 11頭馬場・良(good to firm)  4歳牡馬
着順 馬名 馬齢 斤量 騎手 着差 厩舎
1 Sendawar 4 126 G.モッセ 1:39:99 Alain de Royer Dupre
2 Aljabr 4 126 L.デットーリ 1 1/4 Saeed bin Suroor
3 Gold Academy 4 126 D.オニール 5
4 Killer Instinct 4 126 K.ファロン 1
5 Raise a Grand 4 126
6 Alrassaam 4 126
7 Mujahid 4 126
8 Exeat 4 126
9 Orpen 4 126 M.キネーン
10 Debbie's Warning 4 126
11 Be the Chief 4 126

~ Lear Jets to Prince of Wales Upset ! ~

第1日目、注目の中距離G2・・・プリンスオブウェールズSも合わせて行われました。
このレースには日本のスーパースター、エルコンドールパサーも出馬登録していたほどでしたが・・・。
1997年度全欧3歳チャンピオン・・・ザール(Xaar)のレース振りも注目される所です。
しかしながら、レースは番狂わせな結果となり、勝ったのは単勝21倍のリアスピアー(Lear Spear)でした。
この馬、未勝利戦突破に9戦を要し、どこといって目立った馬ではなかったのだが、前走のダイオメドS(G3)で重賞初勝利をあげ勢いがあったようです。
日本で言うと・・・タマモクロスの様な存在でしょうか?(^^ゞ
なお、次走は強気にG1エクリプスSに臨む様です。(Colral Eclipse Stakes,Sandown,3rd,July)
人気になったH.セシル師のチェスターハウス(Chester House)は直線で脚が止まってしまい4着。
2着争そいは前走クラシックトライアル(G3)を勝って臨んだ4歳馬ファンタスティックライト(Fantastic Light)が頭差で先着。
さすが、サー・マイケルスタウト!いい馬持ってます!
注目のザールは直線で一旦先頭に立つも、惜しくも差されて2馬身半差の3着。
また、日本産馬として欧州G1初勝利をあげ、ここに望んだシーヴァ(Shiva)は2番人気に押されましたが硬い馬場に苦しみ良いとこなしの7着に沈みました。

リアスピアー  父:リアファン 母:ゴールデンゴース(ヒズマジェスティ)1995年生 鹿毛 アメリカ産
          通算成績:18戦4勝
          オーナー : R.トゥース
          調教師  : D.エルスワース(David Elsworth)
          騎手   : M.キネーン

6月15日(火曜日) アスコット競馬場
プリンスオブウェールズS(芝)10F 8頭馬場・良(good to firm)  4歳以上
着順 馬名 馬齢 斤量 騎手 着差 厩舎
1 Lear Spear 5 129 M.キネーン 2:04:37 David Elsworth
2 Fantastic Light 4 117 Sir Micheal Staute
3 Xaar 5 129 2 1/2 Saeed bin Suroor
4 Chester House 129 1
5 Handsome Rigde 132
6 Limpid 134
7 Shiva 5 131
8 Generous Rosi 129

― 第2日目 ―

~ Balisada Crowned Ascot Queen ~

ロイヤルアスコット開催に非常に相応しい華やかなレース・・・G1コロネーションS(Coronation Stakes)・・・ヨーロッパ4歳牝馬マイル女王決定戦!
当初、英・愛・仏の1000ギニー馬が揃う予定でしたが、英1000ギニー馬ヴィンスの回避により、残された仏・愛1000ギニー馬の一揆討ちの様相を呈していました。
しかしながら、競馬はそんなに上手く行くはずは無く、勝ったのは単勝17倍のバリサダ(Balisada)、鞍上は日本でお馴染みM.ロバーツ
いや〜〜〜〜、参りました。(^^ゞ
勝ち方もマイケルらしく、後方待機の大外強襲ゴボウ抜きだったらしいです。(^○^)
2着争いは好位から鋭く伸びた愛1000ギニー2着馬のゴールデンシルカ(8.5倍)が先着。
前走仏1000ギニーを楽勝して2番人気に押されていたバレンタインワルツ(4.5倍)は勝負所でゴールデンシルカに前を塞がれ、ワナビーグラウンド(3.75倍)と同着の3着。
一方、愛1000ギニー馬のヒューラエンジェルは硬い馬場に合わず8着に惨敗。
勝ち馬バリサダは英1000ギニーを怪我のため回避。前走のリステッドレースでは2着でした。
調教師のジェフ・ラッグ師(Jeoff Wragg)は本馬に自信をもっており1000ギニーを回避した事を非常に残念がったという・・・。
オーナーのオッペンハイマー氏(Oppenheimer)とジェフ・ラッグ師もコンビはレベッカーシャープ(Rebecca Sharp)に続いてこのレース2勝目。
なお、次走は強気にG1サセックスS(Sassex Stakes)に向かう予定。

バリサダ  父:クリス 母:バルナハ(ローモンド)1996年生 栗毛 英国産
          通算成績:5戦2勝
          オーナー : A.オッペンハイマー
          調教師  : J.ラッグ
          騎手   : M.ロバーツ

6月16日(水曜日) アスコット競馬場
コロネーションS(芝)8F 9頭馬場・良(good to firm)  4歳牝馬
着順 馬名 馬齢 斤量 騎手 着差 厩舎
1 Balisada 4 126 M.ロバーツ 1:41:43 Jeoff Wragg
2 Golden Silca 4 126 1 3/4
3 Valentine Waltz 4 126
3 Wannabe Grand 4 126 同着
5 Pescara 4 126
6 Choirgirl 4 126
7 Presumed 4 126
8 Hula Angel 4 126
9 Hawriyah 4 126

― 第3日目 ―

~ Enzeli Storms Clear to Win The Gold Cup ! ~

アガ・カーン殿下所有のエンゼーリ(Enzeli)5歳・牡はジーン・マータフを鞍上に残り3Fでスパート、スピリットオブラブ(Spirit of Love)を突き放し素晴らしい末脚を炸裂!
2着馬インベルマーク(Invermark)に1馬身半差をつけ快勝しました。
昨年の勝ち馬単勝8倍のカイフタラ(Kayf Tara)は2馬身半差の3着。
フランキー・デット^リの選んだ馬・・・昨年のセントレジャー馬・・・ナダウィーは4.5倍の1番人気に押されましたが着に入れず・・・5着。
エンゼーリはオーナーのアガ・カーン殿下にとって今年のアスコット開催2頭目のG1ウィナーとなりました。
(1頭目はセントジェームスパレスSを勝ったセンダワール)
以下、興奮覚めやらぬアガ・カーン殿下のインタビュー・・・
『この馬(エンゼーリ)はとても強いファミリーで、晩成だったのだ。2歳の時に見たときから解っていたよ!調教師のジョンは上手くやってくれたよ。
この馬はまだまだ強くなるよ。今は発展途上だからね!それは調教師も騎手も知っていたと思うんだ・・・。ただ、今回のレースに限っては馬場だけが心配だった。
でも、母親は3頭のG1馬を生んでるし、大いに期待はしていたよ!』
『今後はステイヤーの最高峰のレースに限って使っていくよ。』

と、超ご機嫌なアガ・カーン殿下でした。
なお、エンゼーリの服色はアガ・カーン殿下のものでは無く父親の故アリ・カーンのものでした。
これに関しても・・・
『この服色は私の父親のものだが私が使っている・・・。この服色で最後に英国で走らせたのはカーヤジ(Kahyasi)だ!』
ちなみに、エンゼーリはカーヤジの息子である。
また、騎手マータフにとってこの勝利はロイヤルアスコット開催における2度目の勝利となりました。
(リッジウッドパールのコロネーションSが最初の勝利)

エンゼーリ  父:カーヤジ 母:エバジヤ(ダルシャーン1995年生 鹿毛 アイルランド産
          通算成績:8戦5勝
          オーナー : アガ・カーン殿下
          調教師  : J.オックス
          騎手   : J.マータフ