2001年度カルチェ賞

●今年で11回目となるカルチェ賞が11月14日、ロンドンのフォーシーズンズホテルで発表されました。
重賞レースの獲得ポイント・英国の競馬記者投票・デイリーテレグラフ紙の読者投票によって選出されました。
受賞者(馬)は次の通り・・・

欧州年度代表馬・・・ファンタスティックライト 【牡・5yo】

父:Rahy
母:Jood
S.ビン・スルール厩舎
2001年度戦績:6戦4勝 2着2回
G1タタサルスGC、G1プリンスオブウェールズS、G1愛チャンピオンS、G1BCターフ
2年連続のエミレーツワールドチャンピオン。
シーズンを通しての活躍が認められた様子。最優秀古馬のタイトルも同時に受賞しました。
ガリレオ・サキーらは一歩及ばず・・・。


最優秀3yo牡馬・・・ガリレオ 【牡・3yo】
父:Sadler's Wells
母:Urban Sea
A.オブライエン厩舎
2001年度戦績:7戦5勝 2着1回
G1英・愛ダービー、G1キングジョージ6世&クイーンエリザベスS
結果的にレベルが低かったと言わざるを得ない欧州3yoの中長距離路線。
その中でも抜けていた存在のガリレオが無敵の快進撃。
母は凱旋門賞馬のアーバンシー。アーバンシーにはラムタラと交配した姉(メリカー)がおり、彼女もオークス3着、愛オークス2着の好成績を示していた。
これで、間違いなく名牝の仲間入り!
管理するA.オブライエン師も大ブレイクしてしまって、G1を23勝も勝ってしまった。
調子に乗って参戦したBCクラシックでは高速ダートに対応できず惨敗。
結局、そのまま引退種牡馬入り。
本当に強かったのかどうかは分からず仕舞いだぜ!


最優秀3yo牝馬・・・バンクスヒル 【牝・3yo】
父:デインヒル
母:Hasili
A.ファーブル厩舎
2001年度戦績:7戦3勝 2着3回
G1BCフィリー&メアターフ、G1コロネーションS

主にマイル路線で活躍。
北米まで遠征し、G1に勝ったのは立派でした。
が、同期の牝馬にはアクアレリストという恐ろしく強い牝馬がいたが、無視されたかな!?
因みにアクアレリストは5戦4勝2着1回。仏オークス、ヴェルメーユ賞に優勝。
G1凱旋門賞ではサキーの2着に入った女傑。
ま、ラムタラの年にリッジウッドパールを年度代表馬に選んでしまうような人達じゃ仕方がないかも・・。


最優秀2yo牡馬・・・ヨハネスブルグ 【牡・2yo】
父:Hennessy
母:Myth
A.オブライエン厩舎
2001年度戦績:7戦7勝
G1BCジュヴェナイル、G1ミドルパークS、G1フィーニクスS、G1モルニ賞

文句なく、2001年度最優秀2yo馬である。
欧州で優勝したレースはあまり威張れるレースではなかったが、G1BCジュヴェナイルに優勝したことで、そんなひねくれ者もケチの付けようがなくなった。
同厩舎にはロックオブジブラルタルというG1デューハーストS、G1仏グランクリテリウムの勝ち馬がいたのだが、陣営は遙かにヨハネスブルグの方がハイクラスな馬だと認識していた。
アグネスタキオンとアグネスゴールドの関係に似ているかも?
2002年シーズンはG1ケンタッキーダービーに挑戦するらしいが、血統はアメリカンだし、良い勝負をして欲しいものである。
が、2yoチャンピオン馬がケンタッキーダービーに優勝したのは遠い昔の話。

最優秀2yo牝馬・・・クイーンズロジック 【牝・2yo】
父:Grand Lodge
母:Lagrion
M.シャノン厩舎
2001年度戦績:4戦4勝
G1チェヴァリパークS

無敗の2yo牝馬チャンピオン。

最優秀ステイヤー・・・パーシャンパンチ 【セン・8yo】
父:Persian Heights
母:Rum Cay
D.エルスワース厩舎

2001年度戦績:7戦2勝 2着1回
欧州1の長距離レースアスコットGCの勝ち馬ロイヤルレベルがその他のレースではさっぱり。
同馬はアスコットGCは2着だったが、G2グッドウッドCに優勝。また豪に遠征したG1メルボルンCでも3着に好走した。
アメリカンボスの様な馬だ!

最優秀スプリンター・・・モーツアルト 【牡・3yo】
父:デインヒル
母:Victoria Cross
A.オブライエン厩舎
2001年度戦績:7戦3勝 2着1回
G1ジュライC、G1ナンソープS
古馬の有力馬、ヌクリアーデベートがどうも調子が出ず、主要スプリントレース2つに優勝した同馬で決まり。
止せばよいのに参戦したBCスプリントでは速い流れに付いていけず11着に惨敗。


功労賞・・・J.マグナー氏
2001年度の欧州競馬を独占した感のあるクールモアグループ。
その総帥としてマグナー氏の野望は衰えることを知らない。
手下の(笑)M.テーバー氏と共に2002年の競馬界を席巻するだろうと思う。
ケンタッキーダービー制覇の野望が達成されるかどうかはわからないが・・・・。
※まとめ
全8部門中4部門を独占したクールモアグループ。
これが、アカデミー賞とかなら、来年の顔ぶれは変わるだろうから楽しみだね!なんて言ってられるのだが、2yo馬のレースにも勝ちまくっている同グループだけに、2002年度は全部門を独占してしまうかもしれない。
2001年度のA.オブライエン厩舎2yo馬のG1勝ち馬は6頭で、11のG1レースに優勝しているのだ!
とんでもない厩舎だよ、マジで・・・。
有力馬が重ならないようにレースに出しているのだろうけど、良くもまあ、こんなに勝てるもんだ。
かつてのロバート・サングスターとV.オブライエン師コンビのように帝国を築いてしまったようだ。
面白くするには、チーム・ゴドルフィンに頑張ってもらうしかないね!
後は、アガ・カーン殿下の出してくる一発大物に期待だ!