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2001年度凱旋門賞馬、サキー。 |
凱旋門賞後・・・毎度毎度の喧々囂々(笑)
その1・・・
サキーの次走はどうやらG1チャンピオンSの様である。
レーシング監督のサイモン・クリスフォード氏の言によれば、G1チャンピオンS、BCターフ、JCが候補であり、どのレースに出ても勝つ事はできるだろうと豪語している。
言うは易しと人は言うが、何とも軽い口だ!(笑)
凱旋門賞の前から、サキーをG1チャンピオンSに出走させるというのはオーナーの希望だった。
レース後も調教師のサイード・ビン・スルール師は多分チャンピオンSの方に行くだろうと言っていた。
チャンピオンSの冠スポンサーがドゥバイなのだから必然の事なのだろう。
中1週間でG1に出走する。しかも移動をはさんでだ!>日本では考えられない事である。
陣営は楽に勝てると思っているし、一体どういう人達なのだろうか!?(*_*)
しかし、その後、中1週間でアメリカまで行ってBCに出ると言う事は非常に確率は低い。
Qちゃんでもできまい!(核爆)
という事は、そのまま今年のシーズンを終わらせる可能性が高い。
一部、日本の新聞ではJCに参戦!などと書いてあったが、その根拠はない。
それよりは、G1香港Cに行く可能性の方が高いと思う。
サキーは強い。並の馬ではない。
が、JCはもっと並のレースではない。凱旋門賞馬にとっては鬼門のレース。
しかも、馬場が固い。スピードがないと先ず話にならない。
それよりは、香港の馬場の方がサキーには合う。
サキーがクールモアーの馬ならば、100%香港に行くだろう。(と言うか、このまま引退させるだろうけれど)
チャレンジ好き&日本好きのモハメド殿下なので、もしかしたらはある。
***PS***
サキーの次走はBCに決定したようです。どういう理由でこうなったかは分からないが、オーナーのモハメド殿下直々に発表したようです。
BCターフ、クラシックの両方にエントリーするらしいが、どちらに出るかはまだ決まっていないようです。
あれほど、出す出す!といっていたG1英チャンピオンSは回避。
僚友、ファンタスティックライトとの活躍が期待されているようです。
(2001/10/14 追記)
その2・・・
サキーは凱旋門賞のパフォーマンスでレース前の131ポンドから133ポンドに評価を上げました。
BHBハンディキャッパーのナイジェル・グレイ氏は133ポンドの実力を年内にもう1回は見る事ができるだろうと考えている。
2着馬のアクアレリストはここまで無敗だった。その馬に付けた着差は6馬身。
133ポンドという数値は、昨年度の勝ち馬シンダールよりも1ポンド上回った。
シンダールは英ダービーではサキーに勝っているのにだ。
『この様に(3yo時だけでなく)調教され続けて実力を発揮するというのは良いものだね。年内には沢山のトップクラスのレースがあるからもっと評価は上がるかもしれませんよ。』
とグレイ氏はコメントしている。
実は、G1インターナショナルSに後で付けられた131ポンドという数値に対しては幾つか疑問があった。
それは、何でG1愛チャンピオンSに勝ったファンタスティックライトの130ポンドや無敗の(だった)ハットトリッカー馬ガリレオの129ポンドよりも高評価だったのかということだった。
しかしながら、凱旋門賞のパフォーマンスは全てを黙らせてしまったようである。
英国調教馬には評価が甘い!という伝統は守られているようである。(笑)
因みに、今回の凱旋門賞の上位馬のレイティングは・・・
アクアレリスト---120ポンド(2UP)
サガシティー---121
ゴーラン---121
ミラン---119
リトルロック---117
となっている。
その3・・・
サキーの凱旋門賞の走りについてプロの目から見ると次のようになるらしい。
@J.ムルタ騎手・・・昨年の英ダービーでサキーを敗り、愛ダービー、凱旋門賞と制したシンダールの主戦騎手。
『結果的に、サキーの勝利はシンダールが真のチャンピオンだった事を証明したね。サキーもシンダールと同じで自分から勝ちに行くタイプの馬だった、ジョッキーにしてみれば本当に楽な馬だよ。
G1インターナショナルSの走りからして、凱旋門賞を勝つ事は分かっていたよ。距離も12Fなら問題ないし。
既に、サキーには証明すべきものはないよ。ダービーで2着となり凱旋門賞は優勝したわけだからね。最近のスタミナ馬はとても素晴らしいね。30〜40年前の馬の方が本当はスタミナがあったかもしれないけれど。
それにもまして、鞍上が(デットーリ騎手)素晴らしい!
たった30歳にしてG1レースに100勝もしてしまうのだから。』
※アガ・カーン殿下の主戦騎手であるムルタ騎手がモハメド殿下の馬を誉める事はないだろうと思ったが、想像通りである。
競馬に”たられば”は無いわけで、昨年のシンダールが今年走っていたらとか、昨年のサキーの実力がシンダールよりも低かったから、平行移動させてシンダールが凄い!などというのはナンセンスだ。
まあ、そのナンセンスが面白いのだけどね。^^;
AB.J.マクグラス氏・・・競馬記者。タイムフォーム誌。チャンネル4。
『サキーのこの素晴らしいパフォーマンスを見たのは今年2度目だ。
彼は、私の中のベスト10凱旋門賞馬・・・ラインゴールド、エリシオの後にランキングされる可能性がある。
しかし、ミルリーフやダンシングブレーヴ達はもっと凄いパフォーマンスを見せてくれた。
サキーの付けた着差はレコードに並ぶものでシーバードと同じなのだが、シーバードの凄いところは、2着馬と3着馬の着差が5馬身もあったというところなんだよ。
もちろん、2着馬は今年のアクアレリストの様に無敗の馬だったんだよ。
私が言いたいのは、今年の凱旋門賞のレベルは最強ではなかったということなんだ。
その分、スペクタクルな展開になるんだけどね。素晴らしい走りだった事には違いはないよ。
できれば来年も彼の走りを見てみたいね。それは競馬界にとっても良い事だと思うよ。』
※長年競馬を見てきている記者の目から見れば、こんなものだろう。
はっきりって、今年の凱旋門賞はレベルが低かった。3yo、古馬のチャンピオンが参戦しなかったし、昔のように大陸を越えて参戦するような事もなかった。(シーバードの時はアメリカからトムロルフやソ連からアニリンらが参戦した)
その時代のレベルは明らかに世界最強レベルだったのかもしれない。
優勝馬をけなしてはいけないが、過剰評価も禁物である。
BW.スウィンバーン騎手・・・オールアロングで1983年の凱旋門賞を制す。
『サキーは私が見た中では最高の凱旋門賞馬だ。あんな風に楽に勝った馬は見た事がないよ。
かなり後ろから行ったし、力強かったし、”見せかけの直線”では2頭を抜いた。
フランキーが言ってたけど、サキーが行ってしまわない様に抑えなければならなかったらしいんだよ。
直線では、私は”ちょっと早く出すぎじゃないの?”と思ったけれど、全然そんなことはなかった。
レース結果はショックだったね。他の馬達がまるでハンデ馬みたいだったもの。
リボーやシーバードと同レベルの馬だと認めざるを得ないでしょう。
去年の勝ち馬(シンダール)よりは数段素晴らしい馬だよ。
何しろ、ヒザの具合が100%ではなかったんだからね。おそらくずっと完治はしてないのだろうけれど、それを考えるとこのパフォーマンスは信じがたいものがあるね!』
※楽に勝った馬と言えばエリシオやパントンセレーブルがそうだし、当時のレースの方がメンバーはそろっていたと思う。
ラムタラだって、本当に楽に抜け出して勝ったし・・・。
はっきり言って、この馬場状態じゃ、馬の実力は見極められないよ。
スウィンバーン騎手がここまで無条件で持ち上げる理由はよく分からん。<-ヘ->
CJ.ハモンド調教師・・・2度の凱旋門賞制覇。(1991年にスワーヴダンサー。1999年はモンジュー。)
『サキーは凄い。おそらくフランスで最強と思われていた3yo馬アクアレリストに6馬身もの差をつけたんだからね。
彼には明らかに馬場が合っていたね。ま、どんな馬場でも大丈夫だろうけど。
私は鑑定士ではないけれど、その道のエキスパート達がレイティングしたものを見るのは好きだよ。
馬には常にどこか改良されるべきものがある。サキーはずっと調教され続けているが、これは凄い事だ。
3yo馬達が翌年も調教され、良くなっていく事は実に素晴らしい事だ。』
※さすが、調教師!
”たられば”を言わないところが偉い。
本来は、馬の強さ(相対的・絶対的に)を1番分かっているのは調教師だと思う。
サキーの調教師であるサイード・ビン・スルール師もデカい事は言ってないし、サキーには10Fのレースこそ最適だ!とまで言っている。
そう思うと・・・アグネスタキオンって最強だったんだろうなぁ〜〜と思う今日この頃である。^^;