Queen Elizabeth II Stakes (Group 1)
2001年9月29日 アスコット競馬場 芝1マイル 馬場:柔 3yo以上 8頭立て
着順 着差 馬名 枠番 調教師 馬齢 斤量 騎手 人気

1

1分44秒54

Summoner

(7)

Saeed Bin Suroor

4

 9-1

R Hills

33/1

2

1 1/2

Noverre (USA)

(8)

Saeed Bin Suroor

3

 8-11

L Dettori

2/1F

3

1 1/2

Hawkeye (IRE)

(1)

A P O´Brien

3

 8-11

M J Kinane

13/2

4

1 1/2

Bach (IRE)

(6)

A P O´Brien

4

 9-1

J P Spencer

6/1

5

1

Vahorimix (FR)

(11)

A Fabre

3

 8-11

O Peslier

4/1

6

1

Tamburlaine (IRE)

(9)

R Hannon

3

 8-11

R Hughes

16/1

7

hd

Proudwings (GER)

(5)

R Suerland

5

 8-12

Y Take

9/2

8

4

Bocelli (NZ)

(3)

P Busuttin

5

 9-1

G Cooksley

20/1

 
●チーム・ゴドルフィンの目論見通りの1-2フィニッシュだった。
しかし、勝った馬は予想外の事であった。
単勝34倍の穴馬サモネルだったからである。
彼はノヴェールのペースメーカーとして出走した欧州も最も高額賞金のマイルG1レースクイーンエリザベス2世Sに勝ってしまった。
鞍上のR.ヒルズ騎手にとっては2回目の体験だった。
彼は1994年の同レースにマローフという馬で出走したがこの時もメサーフという馬のペースメーカ役だったからである。
因みにこの時の単勝オッズは67倍だった。
サムネルの馬主であるモハメド殿下は、ノヴェールが勝てなかった事を悔しがる事もなく、サムネルの勝利に喜んだようである。
ノヴェールの鞍上L.デットーリ騎手は
『悪い方を引いてしまったみたいだね。確率は半々だったのにね!』とジョークを飛ばした。

サムネルはこのレースできっちりと役割を果たしていた。
まさか、ノヴェールが柔らかい馬場に四苦八苦してのびきれないとは・・・・。
両馬を管理するS.ビン・スルール師は過去にも同じ様な経験をしている。
ケープクロスとフライトゥーザスターズの時もそうであったように。
『皆さんはレース前はノヴェールの事しか考えてなかった。しかし、同時にサモネルも良化していた事を知っていたはずです。
それにしても、今日の結果には驚いていますけれどね。』

と師はコメントしました。
チーム・ゴドルフィンのサイモン・クリスフォード氏のコメント
『我々はノヴェールこそ優勝馬にふさわしいと思っていましたが、ペースメーカーに追いつく事ができない時はペースメーカーが勝ってしまう事もある。
あまりにも離れた位置からでは追いつく事はできない。
ノヴェールは明らかにサモネルよりもずっと優れた馬です。しかし、柔らかい馬場が彼の足運びを鈍らせてしまいました。
サモネルはG1レースに優勝したが、ケープクロスやフライトゥーザスターズには及びません。
皆さんは、次走でノヴェールがサモネルを簡単に負かすところを見る事ができるでしょう。』

と、非情な判断をしている。(少しくらい誉めろよな〜〜〜)
サモネルには何の落ち度もない!後ろにでも走れ!というのか?(笑)
鞍上のR.ヒルズ騎手のコメント
『まるでマローフの時と同じだったよ。予定されていたペースでレースを進めていたのだが、ペースを上げたら誰も付いてこなかった。
あと1Fの所ではサモネルはバテていたよ。でも、彼が勇敢であり、見事に仕事をやり終えた事は認めてやらなければいけないよ!
G1レースを勝つ事ができて嬉しい。』


丁度この週の事だが、ジョッキークラブから調教師や騎手に対してペースメーカーの使用に関する通達が出ていました。
レギュレーション委員会の会長マルコム・ウォレス氏は今シーズンのこれまでのレースに不快感を示しており、全ての馬は同じ様に乗られるべきである!と主張していました。
これに対して、サイモン・クリスフォード氏は次のようにコメント。
『ペースメーカーを使う使わないに関しては多くの異論があると思う。
が、結果を見れば明らかな様に使った方が良いのだ。
だから30年間も使われ続けられているのだし。我々はその価値があると思うからこそペースメーカーを使ってきた。
我々は常に良い馬を使ってきたつもりです。サモネルは既にペースメーカーではありません。
彼は来シーズンに備えて休養させます。また、ノヴェールはBCマイルに出走させる予定です。
スピードの出る馬場でこそ彼の脚は発揮できるのです。』


ペースメーカー論議は何処でもあるものだが、私の意見としては”戦略として”認めざるを得ない。
エルコンドルパサーが凱旋門賞で負けたのも相手側のペースメーカーの働きだった。
しかし、彼はそれ故に強さをいっそうアピールする事となった。
”勝てば官軍”的な競馬ではファンは去っていくのかもしれない。
戒めなのか、神様は時々気まぐれを起こすから面白い。

※3番人気のプラウドウィングス(前走失格になった)で出走した武騎手は7着に敗退。
今季1番の幸運馬ヴァオリミクスは5着でした。
 
サモネル】 1997年3月2日生まれ 4yo 牡・鹿毛
父:インチノアー
母:スモト(ムトト)
G1エクリプスS勝ち馬コンプトンアドミラルの半弟
通算成績:10戦5勝 昨年のG1英2000ギニーに出走しキングズベストの9着だった。
今季は3戦して2勝。2着1回。
オーナー:Godolphin
生産者:Hascombe And Valiant Studs
調教師: Saeed Bin Suroor