●3月27日、土曜日にUAEナドアルシーヴァ競馬場で行われる第9回ドゥバイWC開催。
各レースの枠番が決定いたしましたのでレポートします。

さて、今回のG1ドゥバイWCの見物は何と言っても日本のチャンピオンのアドマイヤドンがどれだけ通用するのかに尽きます。
昨年のBCクラシックの優勝馬プレザントリーパーフェクトやトライアル大将のメダーリアドーロ、昨年のJCDの勝ち馬フリートストリートダンサーらが出走しようが関係ありません。
2yo時とは言え、日本の芝チャンピオンだった同馬がどの程度走れるか・・・まあ、以前にはもっと強いアグネスデジタルが挑戦しているわけですが・・・。
当時のアグネスデジタルとアドマイヤドンを比べるのはあまりに格が違いすぎます。勿論前者の方が数段上です。
しかし、コンディションの面では圧倒的に後者の方が良いみたいです。
騎乗も野望たっぷりのアンカツですし、それに全12頭のうち日本馬が3頭も出るのですから、リラックスして乗ることができると思います。
Dubai World Cup (Group 1)
2004年3月27日UAEナドアルシーヴァ競馬場 ダート2000m 3yo以上 優勝賞金360万ドル
馬番(枠番) 戦績 馬名 調教師 馬齢 騎手
1(3) 12-1 アドマイヤドン H Matsuda 5 K Ando
2(4) 1-42 Dinyeper Ayhan Kasar 5 H Karatas
3(1) 6-41 Domestic Dispute P Gallagher 4 G Stevens
4(10) 61-3 Fleetstreet Dancer Doug O´Neill 6 J K Court
5(8) 112- Grand Hombre Saeed Bin Suroor 4 L Dettori
6(2) 201/ King´s Boy J Barton 7 M J Kinane
7(11) 22-1 Medaglia D´Oro R J Frankel 5 J D Bailey
8(7) 11-1 Pleasantly Perfect Richard E Mandella 6 A Solis
9(5) 81-3 リージェントブラフ Y Okubo 8 Y Yoshida
10(6) 77-2 サイレントディール Y Ikee 4 Y Take
11(12) 1625 State Shinto M Al Kurdi 8 T E Durcan
12(9) -311 Victory Moon M F De Kock 5 W C Marwing
上が決まった枠番です。
アドマイヤドンは3枠という最高の枠を引きました。これで負けたら力がなかったと言うことですな〜。
『外より内が欲しかったから良かったよ。ここなら前に相手を見ながら行ける。』とアンカツも感想をもらしているし、
『どんなレースでもできる馬だし2000mはベストだと思っている。力を出し切れればチャンスは十分ある。ただ出るだけという馬じゃないから。』
と自信をうかがわせている。
しかしだ、圧倒的な力の差があり楽勝した馬以外内枠からスタートして好成績をあげた馬はいない。
後方から行って、勝てるような相手ではないし、ある程度先行して直線での叩き合いに持ち込む・・・JCDの様な走り方・・・になると思う。
だとすれば、勝負根性の足りないアドマイヤドンにとっては辛いな。
流れ次第で後方一気の追い込みを決めれるサイレントディールの方が面白いかもしれない。
レースは2強・・・プレザントリーパーフェクトとメダーリアドーロを中心に進むと思われるし、この2頭の潰し合いになれば、ディールの出番はある。
地元ドゥバイ勢は今年は目を引く馬はいない。しかし、鞍上にL.デットーリ騎手を迎えるグランドオンブルは不気味だ。
本番と同コースで行われたG2マクトゥームチャレンジR3に優勝している南アフリカ馬ヴィクトリームーンが恐い存在。
と言うのも、アメリカの2強のプレザントリーパーフェクトは前走のG1サンタアニタHを熱発で回避しているのでコンディションが心配。
そして、メダーリアドーロの勝負弱さが出る怖れありで、思わぬ伏兵が台頭する予感はある。
日本馬にとっては今までで最高のチャンス到来だと思う。
そんな中、昨年のJCDの勝ち馬フリートストリートダンサー陣営は非常に冷静だ。
『勝てるとは思っていない。いや、勝ちたいとは思うよ、でもせいぜいベスト5位の馬だと思う。JCDの時は馬場がこの馬に向いていたから勝てたわけだし。
頑張れば3着くらいには入れるかもしれないけどね。』

と非常に謙虚なD.オニール師であった。^^

●G1ドゥバイWCの次に興味深いのがG1ドゥバイデューティーフリー(芝1777m)。
このレースには昨年のG1英2000ギニー勝ち馬のリヒューズトゥベンドや日本でもお馴染みのサラファン、パオリーニ、ブライトスカイらが出走する。
本命は南アフリカからゴドルフィンにトレードされたクリムズンパレス(4yo牝)。
UAEのデビュー戦で芝1777mのコースレコード1分47秒48をマークしている。
まあ、一般戦での事だから大げさにとらえる必要はないが、この馬は南アのG1馬であるのでビビルと言うことはないであろう。
心配なのは牝馬と言うことだろうな。
老いたとは言え、骨のあるサラファンやパオリーニらはかなりの難敵だ。
リヒューズトゥベンドにとってはこのレースは試金石だ。昨年のBCマイルで惨敗以来のレースとなる。
ここでも惨敗するようなら引退だろうと思う。
Dubai Duty Free Stakes (Group 1)
2004年3月27日 UAEナドアルシーヴァ競馬場 芝1777m 3yo以上 優勝賞金120万ドル
馬番(枠番) 戦績 馬名 調教師 馬齢 騎手
1(10) -433 Checkit M R Channon 4 T E Durcan
2(1) 16-1 Evolving Tactics D K Weld 4 P J Smullen
3(9) 317- Martillo R Suerland 4 W Mongil
4(6) 182- Nayyir G A Butler 6 M J Kinane
5(4) 382- Paolini A Wohler 7 E Pedroza
6(3) 100- Refuse To Bend Saeed Bin Suroor 4 K McEvoy
7(7) 58-1 Right Approach M F De Kock 5 W C Marwing
8(8) 10-4 Sarafan N Drysdale 7 G Stevens
9(5) -321 Surveyor M F De Kock 4 K Shea
10(11) 64-2 Bright Sky E Lellouche 5 D Boeuf
11(2) /4-1 Crimson Palace Saeed Bin Suroor 5 L Dettori
しかし、全11頭中今季初出走となる馬が4頭もいる(笑)。
G1なのに叩き台かよと怒りたくなるね。
もし、サラファンやパオリーニが好走するようならば、日本馬にとっても十分チャンスありと言うことだしもったいないレースとなるかも。

●日本からマイネルセレクトが参戦するG1ドゥバイゴールデンシャヒーン(ダート・直1200m)
大本命だと思われていた南アフリカの英雄ナショナルカレンシーが、ドゥバイで帰らぬ人となった為、大混戦が予想される。
しかし、本命はG1BCスプリントの勝ち馬ケージャンビートとなるだろうね。
今季は2戦して1勝2着1回。コンディションも良好らしい。
そこに殴り込みを掛けるマイネルセレクトだが、直線の1200mのスピード戦に対応できるかはかなり疑問がある。
日本の芝スプリントチャンピオンがG1香港スプリントで通用しないように、勝ち負けするまでにはかなりの慣れが必要だろう。
Dubai Golden Shaheen (Group 1)
2004年3月27日 UAEナドアルシーヴァ競馬場 ダート直1200m 3yo以上 優勝賞金120万ドル
馬名(枠番) 戦績 馬名 調教師 馬齢 騎手
1(12) 1 Alke T Pletcher 4 J R Velazquez
2(3) 11-2 Cajun Beat S Margolis 4 J D Bailey
3(6) 1544 Conceal R Bouresly 6 R Hills
4(9) 96-1 Conroy A Selvaratnam 6 G Stevens
5(2) -034 Dantana P Leyshan 5 K McEvoy
6(8) 531d1 Feet So Fast S Seemar 5 T E Durcan
7(11) 12-1 マイネルセレクト H Nakamura 5 Y Take
8(1) 1-14 Multidandy A S Cruz 5 F Coetzee
9(10) 3 Our New Recruit J W Sadler 5 A Solis
10(7) 613- State City Saeed Bin Suroor 5 L Dettori
11(5) 2/ Tour Of The Cat M Mora 6 J K Court
12(4) 383- Tsigane J Canani 5 D Flores
毎年、このレースはアメリカ馬の独壇場。
今年も5頭が遠征している。ハイペースの前潰れ状態になっても、体力でカバーしてしまうアメリカ馬に対抗できるのはゴドルフィン所属馬だが主戦場がアメリカのステートシティー(昨年の優勝馬)くらいかな。

2004/3/25 UP