●3月29日、UAEのアドナルシーヴァ競馬場でドゥバイWCが行われました。
結局チームゴドルフィンにとって最良の一日となった本年度のドゥバイWC開催。
チーム専属騎手のL.デットーリ騎手はこの日3勝を上げました。
メインのG1ドゥバイWCに出走したムーンバラッドは2000年に優勝した偉大なるドゥバイミレニアムを彷彿させるレースぶりで優勝しました。
ドゥバイ勢にとってはここ5年間で4度目の勝利。モハメド殿下にとっては97個目のG1勝利となったようです。
レースは先行したムーンバラッドが、終始リードを保ち直線で後続を完封し5馬身差で楽勝してしまいました。
ダート2000mの勝ちタイムは2分0秒48。(昨年より1秒以上速い)
2着にはアメリカ馬のハーランズホリデーが入り、3着にネイエフ、4着グランデラでした。
ダートのレースでは良くあることだが、まるで条件馬とオープン馬が戦っているような感じでした。
勝ち馬はJCダートのクロフネや毎日王冠のサイレンススズカの域にはもう少し足りないと思うが、着実に力を付けていると思う。
さて、ムーンバラッドの父はシングスピール。シングスピール自身もこのレースを1997年に制しており親子制覇を達成したことになる。
1997年の同レースは・・・・ホクトベガが亡くなったレースなのだが・・・非常に強い勝ち方だったのは憶えている。
同じ父のローエングリンもダート走るかもしれんな・・・。
尚、シングスピールはモハメド殿下の所有するダーラムホールスタッドにて繋養されている。
勝利ジョッキーのL.デットーリ騎手のコメント:
『ドゥバイミレニアムに乗っているような感じだったよ。直線に入ったら後続馬の音が聞こえなくなったし、僕に聞こえてたのは観衆の声援だけだったよ。それで勝利を確信したしゴールまではとても楽しめましたよ。
枠番が大外の11番だったので、自分のレースをしようと思ってました。結果的にパーフェクトなレースができました。
ムーンバラッド自身も成長していたし、ダートもとても上手くこなしてましたよ。
勝てるとは思っていたけど、今日は2勝していたのでもしかして3度目の正直で負けちゃうんじゃないかなとも思ってたんですよね。
でも僕には全ての運がついていたみたいですね。
とにかくこれは凄いことだよ!もう一回走っても良いね。』
管理するサイード・ビン・スルール師のコメント:
『ドゥバイミレニアムの時は、並みいるG1馬達を向こうに回して戦い、しかも6馬身差の圧勝をしてしまった。
だから、ムーンバラッドとドゥバイミレニアムを比べることはできないんだよ。
でも、ムーンバラッドは(ドゥバイミレニアムの域から)そんなに離れたところに居るわけではないと思うよ。
今年はこの馬にとって良い年になると思う。
今回のレースにも何頭か強い馬が出ていたし、それを負かしたわけですからチームにとっても私にとっても素晴らしい結果だったと思います。
神に感謝してます。』
ムーンバラッドにとっての今年の最終目標はG1BCクラシックに違いない。
このレースはゴドルフィンにとって未だ勝利したことがないからである。
ここでチーム・ゴドルフィンのレース監督S.クリスフォード氏に登場してもらおう。(笑)
『2000mの距離はこの馬にとって最適だと思うがマイルでもいけるのではないかとも思っています。
例えばG1サセックスSとかね。ムーンバラッドは去年は時々良いところを見せていたがまだまだだった。
しかし、3yoから4yoになって格段に良化してきた。精神的にも肉体的にもね。
昨年、無理をさせなかったのは、今年もっと良くなることが分かっていたからなんです。
ダートも芝もこなしてくれることが分かった今、我々は多くのオプションを持つことができるようになりました。
グランデラも良い走りをしてくれました。可能ならG1プリンスオブウェールズSに出走させる予定です。
もちろん、ネイエフもそのうちレースに復帰するはずですよ。』
相変わらずのクリスフォード節だが(笑)。今年は少しおとなしいな。
ネイエフ鞍上のR.ヒルズ騎手のコメント:
『ダートは問題なかったし、良い位置に付けていました。が、ゴーサインを出したときに良い脚が使えませんでした。』
ハムダン・アル・マクツームのレース監督A.ゴールド氏はネイエフは英国に帰って、芝のレースに専念する事を発表しました。
『(ネイエフは)良く走っていたが、末脚が思ったようには発揮できなかったようだ。それにしても勝った馬は凄かったね。』
Dubai World Cup (Group 1) | ||||||||
2003/3/29 アドナルシーヴァ競馬場 ダート2000m 馬場:速 11頭立て | ||||||||
着順 | 着差 | 馬名 | 枠番 | 調教師 | 馬齢 | 斤量 | 騎手 | 人気 |
1 |
2分0秒48 |
Moon Ballad (IRE) |
(11) |
Saeed Bin Suroor |
4 |
57 |
L Dettori |
11/4 |
2 |
5 |
Harlan´s Holiday (USA) |
(10) |
T Pletcher |
4 |
57 |
J R Velazquez |
11/2 |
3 |
1 |
Nayef (USA) |
(7) |
M P Tregoning |
5 |
57 |
R Hills |
11/8F |
4 |
shd |
Grandera (IRE) |
(9) |
Saeed Bin Suroor |
5 |
57 |
J P Spencer |
5/1 |
5 |
3 |
State Shinto (USA) |
(2) |
J D Sadler |
7 |
57 |
J P Murtagh |
100/1 |
6 |
nk |
Grundlefoot (USA) |
(6) |
K McAuliffe |
6 |
57 |
S Madrid |
20/1 |
7 |
6 3/4 |
Blue Burner (USA) |
(5) |
W Mott |
4 |
57 |
K Desormeaux |
66/1 |
8 |
1/2 |
Sei Mi (ARG) |
(3) |
J Barton |
7 |
57 |
J A Velez Jr |
50/1 |
9 |
2 3/4 |
Aquarelliste (FR) |
(1) |
E Lellouche |
5 |
55 |
D Boeuf |
15/2 |
10 |
7 3/4 |
Crimson Quest (IRE) |
(8) |
J Barton |
6 |
57 |
A Solis |
100/1 |
11 |
1/2 |
Hans Anderson (USA) |
(4) |
A Mishreff |
5 |
57 |
W Ramos |
66/1 |
【ムーンバラッド】 牡・4yo 1999年3月4日生まれ 栗毛 父:シングスピール 母:ベルベットムーン(シャーディ) 通算成績:10戦5勝 主な勝ち鞍:G1ドゥバイWC、G3マクツームチャレンジII、G3セレクトS、G2ダンテS G1英ダービー3着、G1英チャンピオンS2着。 オーナー:Godolphin 生産者: Newgate Stud Co 調教師: Saeed Bin Suroor |
2003/4/3 UP