優勝馬ポイントギヴンと鞍上のG.スティーヴンス。
ライバル達を12馬身1/4突きはなしてゴール。

Photo: Mike Corrado

プリークネスSの優勝馬ポイントギヴンが力の差を見せつけて第133回ベルモントSを快勝しました。
2着にはA.P.ヴァレンタイン。ケンタッキーダービー優勝馬のモナルコスは3着でした。
それにしても勝ちっ振りが凄かった。
4角先頭でそのままぶっ千切ってしまうのだからあきれた強さだ。
血統的に心配だ。スタミナがないのでは!?などと言ってた私は大バカだ!(笑)
すまん、ポイントギヴン。許してくれ。

勝ちタイムは2分26秒4。これはリズンスターやアファームドと同じタイムで歴代4番目だ。
セクレタリアート、イージーゴアー、A.P.インディーの3頭はもつと速かったが・・・。
2着のA.P.ヴァレンタインの調教師ニック・ジトー師にとっては11回の出走で5回目の2着。
しかも、1回も優勝した事がない。・・・強いのだか弱いのだかわからんね〜。
尚、A.P.ヴァレンタインはプリークネスSも2着でした。

『凄いよ!この馬の名前の横に”3冠馬”と書いてやりたいね!(笑)』
とは優勝馬の鞍上G.スティーヴンス騎手のコメントである。
しかしながら、ポイントギヴンはケンタッキーダービーに5着に敗れている。
日本でも毎年の様に”幻の3冠馬”とか”厳密には3冠馬ですね”などと良く言われるが、その様に軽々しく”3冠馬”と言っては困る。
滅多に現れないからこそ価値があり、賞賛を浴びるのだ。

ポイントギヴンが2着馬に付けた12馬身1/4という数字は史上7番目の記録である。(上には上が居るものである)

『我々にはこの馬の実力が分かっていました。ダービーの日は運が悪かったのさ!』
と管理するB.バファート師は言う。
師は5回目のベルモントS挑戦で初勝利。この勝利は師にとって甘くて苦いものになりました。
そのうちの2回の敗戦は3冠馬が懸かった時のもの・・・1997年シルヴァーチャーム、1998年リアルクワイエト・・・両馬共に2着に敗れた。
12代目3冠馬を2年連続で取り逃がしていたわけである。今年は第1冠目で敗れた後での完勝。神様は悪戯が好きなのだ。
結局の所、彼は3冠レースですべて1番人気なったことになる。

尚、出走を予定していたドクターグリーンフィールドはゲート入りを嫌がったため発走除外となりました。

勝ち馬ポイントギヴンは1995年のケンタッキーダービーとベルモントSの勝ち馬サンダーガルチの仔。
彼はパドックでは多少弱々しく映る。が、ゲート入りは素直だし、最終コーナーでは虎になるのだ。
彼の勝利で、父サンダーガルチは12番目の”親子制覇”種牡馬に仲間入りしました。

勝ち馬ポイントギヴンは厩舎では腕白振りを炸裂しているらしい。
朝の調教では暴れて鞍上を振り落としたり、逃走したりもするらしい。
『彼のお陰で10年老けたよ!(笑) 可愛いものだよ。デカイ子供なんだよ。そうすることでレースに集中してるんだよ。』とB.バファート師はコメントする。
その伝で行けば、ベルモントSでは走る気満々だったことになる。なぜならば・・・木曜日の朝、暴れまわっていたからである。
ニューヨーク市上院議員ヒラリー・クリントン妻夫も見守るよく晴れたベルモント競馬場で彼は結果を出した。

同馬はこれで11戦7勝で2着が3回。1994年のタバスコキャット以来のプリークネス・ベルモントSの2冠馬になりました。
この勝利は彼を3yo馬路線のトップに位置づけると同時に、年度代表馬への希望を抱かせています。

アメリカ人は気が早いですな〜〜〜〜!(激笑)



第133回 ベルモントS 全着順
着順 オッズ 馬名 調教師 騎手
1 6-5 Point Given Bob Baffert Gary Stevens
2 5-1 A P Valentine Nick Zito Victor Espinoza
3 5-1 Monarchos John Ward Jorge Chavez
4 6-1 Dollar Bill Dallas Stewart Pat Day
5 10-1 Invisible Ink Todd Pletcher John Velazquez
6 12-1 Thunder Blitz Joe Orseno Jerry Bailey
7 25-1 Buckle Down Ben D. Wayne Lukas Corey Nakatani
8 12-1 Balto Star Todd Pletcher Chris McCarron
eased 19-1 Dr Greenfield Gerald A. Butler Edgar Prado
勝ちタイム:2分26秒4は史上4番目のタイム。
2着馬との着差は12馬身と1/4。